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臨床とインターネットの接点⑥

Medical Tribune 2001年9月27日 28ページ ©︎鈴木吉彦 医学博士

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海外の学会内容をインターネットで送信 ハイライトの速報は普通のサービスに

タイムラグを埋める

海外の学会に参加するためには、大変な費用と労力がかかります。多くの医師は、期間中は外来診療をキャンセルしなくてはなりません。5〜6月や9〜10月などは、国内学会も集中するため、国外の学会にも参加するとなると、外来診療が十分こなせなくなり、患者に負担をかけることになります。また、多忙な病院の勤務医の中には、国内学会への参加も困難なのに、国際学会はなおさら、という人も多いでしょう。海外の学会は全て英語で講演されますから、英語の理解力や表現力も必要です。

従来、そうした国際学会のハイライトニュースは出版社の記者が取材し、それを編集長が内容をチェックし、医師が監修した後で、プリントメディアとして発行していました。しかし、それでは、発表時から、かなり遅れた内容の情報になってしまいます。

 例えば、大規模臨床試験などの最終報告の結果に対しては、多くの人が興味があるはずです。しかし、海外の学会に参加できず、プリントメディアからしか情報を得られない医師の場合には、情報を入手するのに1ヶ月以上もかかってしまうかもしれません。書籍や雑誌にレビューとして紹介されて、そこから情報を入手するのは、さらに遅れてからになるでしょう。

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