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プラスαのインターネット活用術5

Medical Tribune 2000年3月2日 18ページ ©︎鈴木吉彦 医学博士

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インターネットで病気を追体験 患者が相互に助け合う

入院して大部屋に入ると、同じ病気を持っている人がいて、よく相談に乗ってくれる事があります。それは、同じ病気を持つ人が先に経験したことを、病気のうえでは、後輩にあたる新しい患者に教えてくれるのです。

 初めて病気を持った時は、この病気を抱えながら自分の人生はどうなっていくのだろうと、不安が大きいのは当然です。そうした時期に病気の先輩から指針を示してもらうことは励みになります。

また、病気の先輩は、後輩の姿から、みんなが同じ体験をするのだろうということを確認する事ができるでしょう。逆に、病気の後輩は自分に起こってくることは特殊ではなく、みんなが辿った道なのだということを理解できることになるでしょう。

こうした両者の「確認」は、それがまた両者にとっての精神的な救いや助けになるはずです。「ある患者の体験を、別の患者が追体験していく」という現象は、これまではあまり見られませんでした。見られたとしても、同じ病院の同じ病室に入院し、仲良くなった人同士が、退院後にも連絡を取り合う、といった程度のものでした。

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