キボムの頭が丸すぎる。
countlessのMVを久しぶりに見た。極彩色より僅かに色を抜いたような、そういう青色のMVはいつ見ても綺麗だ。
countlessを見ると私が幼少期にクレヨンの「ぐんじょういろ」を好んでいたことを思い出す。要するに濃い青なのだが、これに白を混ぜると水色や他の青など比にならないくらい綺麗な空の色が生まれる。群がった青で群青。その群れを白でほどく。すると、際立ったひとつの美しい青が生まれるのである。
閑話休題。
美しくて切ないミュージックビデオをテレビに映してぼんやり見つめていて、ふと思った。
キボムの頭部は丸すぎやしないか。
いや、丸さじゃない。頭蓋骨。あれは頭蓋骨の形状だ。
Good eveningを見ていた時も思っていた。皮が張っていることを信じられないほど、頭部が頭蓋骨のライン丸出しすぎる。この下に理科室で見たあの頭蓋骨があります、と主張しまくる頭部のライン。頭皮とかってもっと分厚くないのか。頭蓋骨の下は脳みそだ。キボムの32年分の歴史がぎゅうぎゅうに詰め込まれた脳みそ。もう少し守るべきだろう。
先日レントゲンを撮って映し出された自分の頭蓋骨はこんなにまん丸じゃなかった気がする。というか、触れたラインが既に違う。なんか角張っている。そんなわけないのだけど、キボムのあのすべらかなまろいラインとは明らかに違う感触が自分の頭部からは感じられる。
負けた。32歳成人男性に、肌ツヤ、顔立ち、色白さ、その他全てで完敗していたがそこにひとつ頭部の丸さという項目が追加された。何で負けているんだ。
そう思いながら見ていたらMVは終わっていた。そして以来、ちゅるりんとした坊主頭のキボムを見るのが少し怖い。頭蓋骨の形状が分かりすぎる担当アイドルを持って、遂に推しの脳みそにまで思いを馳せるようになってしまった。
ふと映像を思い出す。ライブ映像や番組で1位をもぎ取った時のSHINee。まだ顔立ちに幼さを忍ばせたキーが、パールアクアグリーンの景色を前に、トロフィーを手に、大きなスクリーンを背に、色んなシーンで泣きじゃくっている。私のイメージはどうにもスモーキーメイクをしている頃のSHINeeで止まっていて、だから脳内のキーは黒い目元からぼろぼろと透明な涙をこぼしている。
それを、メンバーが抱きすくめる。キーは意外とタッパがあるので、頭を引き寄せて肩に顔を埋めさせる。こういう時、キーは一人っ子の顔を出すし、弟の顔を出してひどく可愛い。いつも可愛いが。
抱き寄せたキーを撫でるメンバー。セットされた髪も厭わず撫でられる頭。
泣きじゃくるキー。撫でられる頭。
泣きじゃくるキー。撫でられる頭。
泣きじゃくるキー。撫でられる頭。
やっぱり泣きじゃくるキー。背中や肩を叩いたりしつつ、やっぱり撫でられる頭。
……撫でられすぎて丸くなったんじゃないか。
もうこれしか考えられない。人智を超えた丸さをしている。10代からSHINeeメンバーと一緒にいて人生の半分ぐらいもSHINeeといるんだから多少なりとも影響は受けてるだろう。頭蓋骨も例外では無い。
泥団子みたいなシステムだ。自分の頭を触るとやはり角張っている気がする。撫でられたら丸くなるだろうか。
とりあえず自分で腕を伸ばして頭を撫でてみた。
図らずもgood&greatの振付になった。
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