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Siemensブース

第13稿から続いてミラノのデザインウィークに関して書いております。
今回は自分が感動したミラノサローネのSiemensのブースについて書きます。


目が覚めるとコーヒーの香りに包まれる同時に、少しずつライトが明るくなる。ライトは太陽が上がるのを感じれるように複数段階に分かれて明るくなっていく。コーヒーはもちろん自分の好みの使用にカスタマイズしてある。起床時間に合わせてコーヒーが入るように設定されているのだ。
音楽もALEXAが絡んでいるので一発だ。気分の上がるpopsをかけよう。「ALEXA, popsかけて。」
タブレットのHome Connectのアプリには交通情報、天気など。それに応じて交通渋滞などがあれば起床時間も少し早めにといった具合に機械側がアレンジしてくれる。

最高の目覚めと朝のひと時がそこにはある。

さて会社に出社だ。

会社はもちろんHome connectは関係ないが、こういったICTは会社にも画一に普及していくだろう。


そうこうしてる間に一日の仕事も終え、ひと段落。

冷蔵庫は閉めるたびに画像化されているので、中に何があるかを仕事直後の買い物でも遠隔で確認できる。レシピのレコメンドはディープラーニングによる画像解析によって判断された冷蔵庫の中身によって行われる。そのため足りないものだけ適度に買い足すのだ。

帰宅してさくっとレシピに沿った動画を流してくれるガジェット(Maiky君)とともに調理開始だ。

「Maiky, 魚料理のレシピ。」

「魚料理のレシピを表示します。」(日本語に対応するのはきっとだいぶ先なんだろうなと思いながら。)


そしてそうこうしてオーブンに食材を入れるところまでこぎつけた。
するとこれまたMaikyが量とメニューさえきちんと選べば適温と時間を設定してくれ簡単にスタートできる。
オーブンが稼働している間は何をしていてもいい。終わればアプリや部屋のライトが教えてくれるのだから。

はい、出来上がり。
夕食だ。


いやーたまらん。

こういうもののいいところは、大きく基盤が変わらない限り、Siemens側が扱えるハードを増やしたら、それをアプリでそのまま反映できるという点だ。
つまり随時増えていくであろうHome Connect対応の家具を買ってい行けばこの機能がどんどん拡張されていくということである。
企業側が更新をやめない限り新しいゲーム性を得ていく昨今のゲーム市場に似ている。
色々な企業が既存の家具に1や2の変化を足していく間に10手先を行ってしまったような感じだ。
これは些細な変化などではなく生活の劇的な変化をもたらすし、こういったものは遅かれ早かれ一定層には普及する。

ここに違う企業のワインカーブではあるが、企業提携によって成しえたと言っていた、ワインのデータベース化、食事とのペアリングなども足されていくと考えると未来もそう捨てたものじゃない。

結局強いのはデータを握っている企業だ。
彼らはそれを簡単にお金に換えることができる。

それはそうとこの数日の体験から自分の中で見えてきた大事な部分はやっぱり「シームレス」だと思った。

如何に人がストレスなく物事を行えるか、引っ掛かりの部分をいかにしたらなくせるか。
コーヒーを入れる行為はさすがに引っ掛かりだと思ったことはなかったが、戸の開閉、デッドスペースの活用、低い部分の収納スペースの使い方、分かりやすい操作などは意外とつまずくことがあり、「シームレス」な生活を阻害しているところだ。

こういった行為をデザインの力で解決するところを見ているとやはりデザインは楽しいし、こうでなくちゃならないと思う。

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奥村 嘉之/WineHacker
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