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作品紹介|My little Rascal -檸檬-

アライグマ、そしてラスカルといえば、いろいろな食べ物を手で洗う仕草の可愛らしさが特徴ですが、そのシーンを絵に定着したのが、この「檸檬(レモン)」です。

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石川真衣「My little Rascal -檸檬-」(2022年)
290×205mm(絵柄サイズ) リトグラフ ed.45

本作では、石川真衣さんの作品の魅力になっている構図の妙味がポイント。美しいグラデーションに見入るように絵の下から上へ目を移していくと、つなぎ合わされたいくつかのパートから物語性を感じ取れる絵になっています。

洗っているのが檸檬なのは新鮮な組み合わせですが、「酸っぱいから、たくさん食べてしまって迷惑をかけることがなさそう」というラスカル想いな石川さんによる「気づかい」からのチョイス。

そして「檸檬といえば冬の果実ですが、レモネードは夏のイメージがします。この絵はレモネードのイメージで作りました」とも。夏の夕暮れのような背景が、パープルとイエロー、ピンクの版の組み合わせにより非常に繊細に表現されています。(下は、ラスカルの向きや位置の検討をしている様子)

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森の中のキッチンという場面を見立て、中央に見えるランプの丸い灯りが優しげな暖かさに。その上部で夕暮れの陽を受けて輝いているステンドグラスは、アニメの主題歌「ロックリバーへ」の歌詞を受けシロツメクサをデザインした装飾になっています。

一番上には「ハウザーもスカンクも描いたのでカラスのポーも描きたくて」と、ポーが登場しました。ラスカルの洗う様子を見守っていますね。石川さんの「あらいぐまラスカル」へのリスペクトを1枚で堪能できる仕上がりになりました。

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