思い出の跡地。
昨日、ふらっと津田沼を通りがかった。
ウーバー稼働の途中だったんだけど、「そこにあるはずのもの」が、見事になくなっていたことに衝撃を受けた。
街を歩いていて、突然更地になっている場所を見かけたとき、そこに何があったかパッと思い出せることがあまりない私。
でも、昨日はさすがにすぐに出てきた。
それも、離れてからもう何年も経つのにだ。
なくなっていた「そこにあるはずのもの」とは、2023年2月に閉店したパルコ。
この1年半ぐらいの間にも、何度かは津田沼は通っているけど、最後に行ったのがいつだったかはちょっと忘れた。
私にとって津田沼のパルコは、青春時代を過ごした思い出の場所だ。
パルコは津田沼のシンボル的な存在だった。
津田沼に自転車で遊びに行ったときは、いつもパルコA館とB館の間に停めていた(ホントはダメなところ)
小学生のとき、いつものようにパルコの間に停めていた自転車に乗って家に帰ろうとしたとき、パルコの出入口付近にいたパンチパーマのお兄さんに原付で追いかけられたことがある。
運良く逃げ切ったけど、あのときのあれはなんだったんだろう。何かよくわからないけどめちゃくちゃ怖かった。
お金がなくても、とりあえずパルコに入って涼みながらふらふらとウインドウショッピングをしてみたり、お金を持ってからは4Fにあったメンズティノラスで、毎月のように洋服を買っていた。
今考えれば、10代後半とかでティノラスなんて、なかなか生意気な服を着ていたなと思うが、あれはあれで若いうちに必要な経験だったと思う。
少し背伸びして、大人の真似事をしようとする時期ってあるよね。
そうそう、パルコに入っていた島村楽器でギターを買ったこともある。青いモッキンバード。
初期衝動はXのHIDE。中学生のときだった。
友だちの家で、Xのライブビデオを見たことが、Xにのめり込むきっかけだった。
美しいメロディーと反するように破壊的で刹那的なXの世界観に、多感な中学生の私は一瞬で惹かれた。
だから、ギターを始めたときもモッキンバードで。
X繋がりで言うと、パルコの2Fから駅のロータリーに直結している出入口がある。
週末の夜になると、そこで弾き語りをしている人の中に、ENDLESS RAINをめちゃくちゃキレイな声で歌い上げるお兄さんがいた。
きっと、あの人たちにとってもパルコは思い出の跡地になってるのかな。
そんなパルコが、跡形もなくなっていた。
私にとって青春時代はとっくに過ぎてるものなんだけど、パルコがなくなったことを目の当たりにして、青春の一時代の終わりを実感してしまった。
駅目の前の一等地なだけに、すでに開発の計画はあるのだろう。
次世代の若い子たちにとって、新たなシンボルができるのだと思うと、寂しくもあり嬉しくもある。
子どもたちにとって「思い出の跡地」っていうとどんなところになるんだろう。
今度聞いてみよ。