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ローマでの部屋探し(その2)


背景

9月から研究者として働くためにローマに渡航したものの、住む部屋がなかなか見つからない。日本と違い、ローマは家賃が高いことに加え、そもそも空いている部屋が少ない。さらには、10月から始まる新学期に向けて多数の学生が部屋を探してることや2025年がキリスト教の聖年でありバチカンに向かう多くの人々が部屋を確保していることが追い討ちとなり、私の部屋探しは困難を極めた。

ホテルを転々とする生活

1軒目

長期滞在する部屋が見つからないまま、大学のゲストハウス (foresteria) の退去日が来てしまった。私は Booking.com で安い youth hostel を5日間予約し、滞在場所を確保した。hostel 側の不手際で、予約した場所と同じ経営グループで別の hostel に向かうよう言われた。3つの二段ベッドが置いてある10畳の部屋に通され、そのうちの1つのベッド(下段)を割り当てられた。私の上段は、ヨーロッパ一人旅中の30代日本人青年が利用しており、彼とイタリアの話で盛り上がった。彼曰く「ここは今まで泊まったヨーロッパの youth hostel の中でも一番悪い環境」らしい。

2軒目

そのため、次の3日間は少し値段が高く朝食付きの youth hostel に宿泊した。そこは3つのベッドの3人部屋で広さは12畳くらいで机と椅子があり、非常に快適だった。
これまでの間に https://www.immobiliare.it/ を通じていくつかの不動産屋からメッセージが返ってきた。50通以上送っても返信が返ってこなくて焦っていた私はとても喜び、次の日すぐにイタリア人のポスドクに確認してもらった。しかしそれらは全て詐欺だった。WhatsApp 経由でも連絡来るようになり、ブロックした。私は落胆し、次に滞在する youth hostel を探した。

そのような中、教授がバカンスから帰国し、一年ぶりに再開した。部屋が見つからないことや youth hostel を転々としている現状を話したところ、再度foresteria を予約してくれることになった。しかし今回も、3日間の限られた期間のみ滞在可能であった。私はすぐに教授に依頼した。

3軒目

3軒目の youth hostel は1軒目と同じ経営グループの hostel を予約した。理由は断然安いからだ。引越しや航空券代で貯金を浪費した若手研究者にとって、宿泊費は痛い出費だ。しかし前回と同様に別の hostel に移動させられた。実は、この hostel には5日間分の予約をしていたが、教授から foresteria の予約が完了したと連絡があったため、3日間に短縮してもらった。今回は8人1部屋であり、1軒目よりも悪い環境だったかもしれない。

4軒目

結局最後は大学の foresteria に戻ってきた。清掃員のおじちゃんは、日本人名の発音が難しいのか、私をクッキー (?) と呼んでいた(本名 Koki)。その度に私は I'm Koki! と元気に挨拶した。ここはキッチンもあるし掃除もしてくれるし、何より一人部屋だし、本当に快適な環境である。できるならここにずっと住みたい。

5軒目

foresteria の次の滞在場所は、友人の部屋である。別の研究室の博士学生 S 氏が、一ヶ月間アメリカに帰省するということなので、その間に私が滞在できるように手配してくれた。S 氏は滞在初期から部屋探しを手伝ってくれており、イタリア語もペラペラである。部屋がなかなか見つからない私を見越して、その案を提案してくれた。私はその恩恵に預かり、滞在許可証のレシートと雇用契約書、パスポートのコピーを渡し、一ヶ月間その部屋に滞在することになった。昔から運だけはとても良い私。S 氏に感謝し、鍵を受け取り、ようやく新たな生活がスタートすることになった。

ただし、一ヶ月後の予定は未定である。まだまだ部屋探しの苦行に終わりは見えない。
(その3)へ続く。

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