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イタリアでの滞在許可証の取得(その1)


背景

2024年9月1日に入国した次の日に助教と会い、滞在許可証 (Permesso Di Soggiorno) の申請日を知らされた。9月18日に別の研究室のイタリア人教授と彼が雇ったパキスタン人ポスドクと共に移住 (immigrazione) の手続きを行うために市役所 (prefettura) に行くらしい。手続きには、現在ローマに滞在していることの証明 (dichiarazione di indennità alloggiativa) が必要であった。

住所不定問題

この時期私は、住む部屋を見つけることができずに、ホステルを転々としていた。ちょうど18日の朝も別のホステルに移動することが決まっていたのだ。私を雇ってくれた教授は、二つのホステルから宿泊証明書をもらって事情を説明すれば、大丈夫だろうと言うので私はすぐにホステルに連絡した。が、メールしても電話しても出てくれない。

前日、教授と私は近くの大学で研究発表会に参加していた。その日、教授が電話をかけてくれて、ようやく移動先のホステルが電話に出た。イタリア語同士の会話でスムーズに進むだろうと待っていた私は、衝撃の事実を聞かされた。「ホステル側の不手際で、あなたが泊まるホテルは別のところになり、滞在証明書をもらうことはできないらしい。あなたにはまだ連絡してないらしい。」おいおい…前日なのに、そんなことあるのか!

次に現在宿泊しているホステルが電話に出てくれた。またイタリア語同士の会話だが、相手の男性は声を荒げている。教授が根気強く説明したところ、
ガチャ。相手は電話を切ってしまった。「Mamma mia!」教授の声が響いた。
結局、どちらも交渉決裂だった。普通のホテルではなく安い youth hostel では、滞在証明書を発行することもしてくれないのか。
「どうしたらいいかわからない! (I don't know what to do!)」
教授が何度も繰り返した。

いつもは楽観的な私でも、泣き出しそうな教授を見て、今回ばかりは強い不安の念を抱いた。

解決案

とりあえず、イタリアに来てからの宿泊先の領収書を全て印刷して事情を説明しようという結論になった。夜7時、大学はもう入れなくなっているので、教授の夫に印刷してもらい、家の前で受け取った。
果たして、これでうまくいくものなのか。教授は解決策が見つかって満足した顔をしている。うまくいくことを願っているよ。そう言ってお互い明日の行く末を祈り、帰路に着いた。

手書きの宿泊証明書

ホステルへの帰り道。そういえばさっき、ホステルの係員は教授と話している最中に怒って電話をブチ切ってたな、ばったり出会ったら大丈夫かなぁと心配しながら歩いていると、電話が鳴り出した。まさにその係員から、手書きの証明書と責任者の身分証が送られてきたのだ。

滞在中のホステルからWhatAppで送られてきた滞在証明書。2024年9月15日からの3日間、このホステルに滞在したことを示している。右下はレシート。3泊朝食付きで111ユーロ(約1万8千円)。

手書きなのか。そう思いながら、教授に連絡し、明日の朝に大学で印刷してから集合場所に向かうことを伝えた。できれば、次の宿泊先にも同じような証明書があればいけるかもしれない。手書きでも証明書があれば、まぁ大丈夫かなとそう淡い期待を込めて、眠りについた。
ちなみに係員とはすれ違って挨拶したが、笑顔で返され、何も言われなかった。

(その2)へ続く。

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