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オヤジの思ひ出話~第5話「超ディープ酒場・大万」

今回の思ひ出話は、私の飲み歩き歴の中でも非常に印象に残っている酒場について語ります。「大万」という屋号を聞いて、「あそこだな」と分かる人は、おそらく私と同類の方ではないかと存じます(笑)

大衆酒場の宝庫である大阪の中でも、ディープゾーンと言われているのが西成区界隈。何度も足を運んで、界隈の立ち飲み店や大衆酒場で飲んでいますが、隅々まで歩くのには、なかなか勇気が必要です。

地下鉄・動物園前駅からすぐのところに、「大万」という酒場がありました。2007年に初めて訪れたのですが、吹きっさらしの店舗ののれんをくぐる決心がつかず、2~3度店の前を行ったり来たり(苦笑)

意を決して入ってみると、高齢の女性が一人で切り盛りしており、店構えのディープさとは全く違う、のんびりとした雰囲気が漂っていました。当時、串が1本30円という界隈屈指の激安ぶりに驚いたものです。

その後、年に1、2回しか行かない大阪飲み歩きで、「大万」は欠かすことができない店となり、2016年頃の閉店までに計8回来訪。その間、おばちゃんや常連さんと何度も会話を交わしました。

ある時、店の看板がなくなっていたのを見て「閉店したのかな?」と思い、半信半疑でのれんをくぐると、いつものようにおばちゃんが店の中にいました。酒と串を頼んだ後、看板のことを聞いてみたのです。

おばちゃんは「落ちそうやったから、隣の(店の)にいちゃんに外してもろた」と笑っていました。看板がなくなっても、いつも通り常連さんや私のような物好きな客が通っていた「大万」。いい酒場でした(笑)

酒場のブログ「ひとり旅で一人酒」でも「大万」を紹介しています。


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