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オヤジの思ひ出話~第72話「御神渡り拝観式」

毎年厳冬期に諏訪地方で話題になるのが諏訪湖の御神渡り。今年も御神渡りの神事をつかさどる八剱神社(諏訪市)の宮坂宮司と氏子総代が毎朝、諏訪湖の監視を続けています。

暖冬の影響か、近年では御神渡りの前提条件となる諏訪湖の全面結氷すらほとんど見られなくなってしまいました。一方で、報道はどんどんと過熱し、今や全国区のニュースになっているほど。

新聞社勤務時の10数年前、私も御神渡りの監視を何年か取材したことがあります。当時は宮司と氏子総代の代表者、それに地元のメディアしかおらず、参加者10人程度で静かなものでした。

4年間、取材を担当しましたが、最初の3年間は明けの海でした。全面結氷する日もありましたが、その状態が長続きせず、やがて氷は消えていき、立春に「明けの海」が宣言される・・・というパターンでした。

そして4年目。ついに御神渡りが出現したのです!

この時は全面結氷になってから、御神渡りの兆候である氷上に亀裂が生じ、そして御神渡り出現までの間がわずか数日。拝観式の日程も決まり、神社関係者は精進潔斎してその日を迎えます。

御神渡り拝観式当日は、テレビ局や大手紙も加わり、見物人が大勢湖畔に集まりました。そのなかで、御神渡りの3本の筋(亀裂)を順に巡り、宮坂宮司がお祓いをして氏子総代や関係者が頭を下げます。

今だから話せますが、私も報道関係者ということで氷上に乗らせていただきました。時折、氷がきしむ「ミシ、ミシ」という音がするたびに、割れるのではないかという不安で冷や汗をかいたものです。

もちろん、拝観式の最中に氷が割れるというような事故はなく、無事にすべての祭事が終了すると、神社関係者から自然と笑みが浮かびます。誰しもが「今年はいい1年になる」という喜びに浸る瞬間です。

そんな御神渡りも、最後に拝観式が行われたは2018年。その時はごく限られた人しか氷上に上がることができなかったそうですが、湖畔には連日、たくさんの観光客が押し寄せたようです。

残念ながらそれ以降、諏訪湖は「明けの海」が続いています。今シーズンも今のところ諏訪湖が全面結氷する気配はありません。でも、関係者の監視は毎朝続けられ、多くのマスコミが連日取り上げています。

区切りの立春を迎える来週は最強寒波が到来するということで、関係者は全面結氷への一縷の望みを託しているそうです。そういえば、私が拝観式を取材したのも2月の立春後だったなあ。

御神渡り・・・6年ぶりに見物したいですね。

※コラムの画像は2012年の御神渡りです


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マイケルオズ@日々挑戦する還暦兄さん(フリーランスライター)
noteでは連載コラム、エッセイをほぼ毎日書いています。フリーランスのライターとして活動中ですが、お仕事が・・・ご支援よろしくお願いいたします!