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酔いどれ男のさま酔い飲み歩記~第94回「GWに大阪で遊んだろ~なんば編」

「一人酒」、それは孤独な酒飲みのように聞こえるだろうが、実はそうでもない。私は一人酒という言葉を酒場で飲み歩く時に使っている。にぎやかな雰囲気に包まれれば、その店に居る人は全員、飲み仲間だ。

withコロナでようやく一人酒が再開した。が、まだまだ心置きなく飲めるようになるまでの道のりは遠い。ならば、体験談エッセイでも書くとするか。酔いどれ男のさま酔い飲み歩記~第94回「GWに大阪で遊んだろ~なんば編」である。


はじめに

第93回のつづき。前回はゴールデンウイークに天王寺区昭和町の「どっぷり。昭和町」イベント会場に出かけた話を書いた。ただ、この大阪行きのメインはイベントではない。新世界に泊まった翌日こそがメインの日だったのだ。

その目的は吉本新喜劇を見ること。前年11月に初めて観劇をしたのだが、その時はホームグラウンドのなんばグランド花月が改装工事中だった。今回は笑いの聖地での初観劇。昼に公演が終わるので、その後はいつものように昼酒が待ち構えている。

お笑いと飲み歩き、これは楽しみやなあ。

前夜の新世界夜酒つづき~最後は串カツをしっかり食べて

前回のエッセイでは字数がオーバーするため書けなかったのだが、実は新世界での夜飲みは2軒でお開きになったわけではない。そのつづきから書こう。

1軒目「酒房半田屋」、2軒目「平野屋」、そして3軒目にやって来たのはおなじみの大衆酒場「酒の穴」。何度来ても居心地のいい酒場である。注文は黒ビール小瓶、それから串カツとタマネギ、青唐。ソースは二度漬けではなく、チューブ入りだ。

忘れてはいけないのが名物「八宝菜」

これは唯一無二と言っていい酒の穴定番メニュー。酒のあてというよりは、シメにピッタリのとろみがかかったスープ感覚の料理。何度食べてもやっぱり美味い。

もう一軒だけ寄ってみよう。「花道」という串カツ店。こちらは変わり種の串カツが食べられるという触れ込みのようだ。いったい何があるのか・・・う~ん、珍しい。

それじゃあ、カツカレーとキンツバでいこう。

同じ揚げ物のカツカレーはともかく、キンツバはスゴイ。食べてみると、まさしくキンツバの丸揚げ。これはデザート串カツと言うべきものなのか。ちなみにバームクーヘンやバナナ、南高梅まである。いやはや串カツ文化恐るべしやな。

吉本新喜劇観劇から1軒目の立ち飲み「千日前えん」へ

ここから大阪2日目の話に入る。まずは吉本新喜劇を見るためになんばへ向かう。地下鉄に乗るために新世界ジャンジャン横丁を歩いていると、朝っぱらから何軒か立ち飲みが営業している。すでに満席状態の店すらある。まあ、寄りはしないけどな(苦笑)

なんばグランド花月のホール入口では、来場するお客さんへのサービスとして出演者と記念撮影ができる一角が設けられていた。名前の知らない若手のお笑い芸人であっても話のタネになるから、写真撮ってもらおうか。

ご一緒したのは・・・なんと、新喜劇の西川忠志さん!

言わずと知れた漫才師・西川きよしさんのご子息で、新喜劇では中堅団員として活躍されている。しかも、今回の新喜劇公演にも出演される。こりゃ、嬉しいわ。

そんなわけで、西川忠志さんも出演した新喜劇で大いに笑かせてもらったところで、時間はちょうどお昼。このまま、なんば界隈で昼酒に繰り出すとしよう。

最初は軽く口開けとして、立ち飲み「千日前えん」に入る。比較的新しい感じの店で、店内はコンパクト。まずは生ビール。それからサッと出てくるどて焼き。さらに生センマイ湯引きでいくか。

どて焼きは、串刺しの大阪スタイルではなく、器に入った東京の煮込み風。ただし味は、まぎれもなく大阪のどて。まあ、何でもいいよ。新喜劇で大笑いしてテンションが爆上がりしているんで、酒もあても美味いんや。

なんばウオーク「会津屋」~元祖たこ焼き店で酒を飲もう


実はお目当てにしている酒場があるのだが、営業開始時間まで少し間がある。移動のためになんば地下街を歩く。手ごろな酒場が見つからなかったが、元祖たこ焼きの超有名店「会津屋」が出店しているじゃないか。お腹も空いているので、ちょうどいい。

嬉しいことにアルコール類も置いてあるぞ。

それなら生ビールをいただこう。それから、たこ焼きとタコ刺しのセットメニューがいいな。タコ刺しは当然、たこ焼きの具材に使っているものだろう。シャキシャキしていて美味い。日本酒によく合いそうだが、たこ焼きメインなので、ビールにしておいたよ。

会津屋のたこ焼きは、ソースをかけないし、青のりやカツオ節もかかっていない。シンプルさが最大の特徴。西成区玉出にある本店で初めて食べた時「こんなたこ焼きがあったんだ」と目を丸くしたことを思い出す。やっぱり何度食べても美味しいぞ。

ちょうどいい頃合いとなった。そろそろ行くか。

なんば「正宗屋相合橋店」~名物のカステラをいただこう


昼飲みのメインは、3軒目となる酒場「正宗屋相合橋店」だ。正宗屋の屋号は大阪のあちこちで見かけるが、チェーン店というわけではないらしい。それはさておき、早速暖簾をくぐろう。開店直後なのに、すでに8割方お客がいるぞ。

まずはお目当ての名物「カステラ」を注文。

これが食べたくて正宗屋相合橋店に来たのだ。むろんお菓子のカステラではない・・・が、ビジュアルは同じ。この店のカステラには日本酒が合うので冷酒、それから本日のおすすめ品よりアワビの刺身(肝付き)もいただこう。

カステラとは、タイの子で作った生地の上にカニ味噌を乗せているという珍味。たくさんの量を作れないので、開店直後を狙うしかない。来た甲斐があったというものだ。

店内の雰囲気も昔ながらの大衆酒場っぽくていい。ごちそうさん。

ここからは余談。帰途に着くため、新大阪まで戻らねばならないが、その前に梅田駅地下街ホワイティ梅田にある立ち飲み「七津屋」に立ち寄り。ウイスキーハイボールと、赤ウインナー、モヤシ炒めで軽く飲む。

相当酔った。そろそろ定量に近づいている。ダメ押しは新大阪駅構内の串カツ「松葉新大阪店」。とことんまでGWの大阪を堪能しまくったぞ。ごちそうさん。(おわり)

〇〇〇
今回はここまでとします。読んでいただきありがとうございました。なお、このエッセイは2018年4月の忘備録なので、店の情報など現在とは異なる場合があります。


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マイケルオズ@日々挑戦する還暦兄さん(フリーランスライター)
noteでは連載コラム、エッセイをほぼ毎日書いています。フリーランスのライターとして活動中ですが、お仕事が・・・ご支援よろしくお願いいたします!