歴史・人物伝~新選組同志編④近藤を支え続けてきた源さん
新選組編で近藤勇、土方歳三と紹介してきましたので、次は一番隊長の沖田総司かと思いきや・・・多摩(日野市)出身のこの人の存在を忘れてはなりません。「源さん」こと井上源三郎です。
多摩地方には、「八王子千人同心」と呼ぶ人々が居ました。普段は農業に従事していますが、有事が起きた際には将軍家を自分たちが守るという強い佐幕意識を持ち、剣術の修練に励んでいたといいます。
八王子千人同心の家に生まれた源三郎は、剣術を学ぶため試衛館の先代に弟子入りします。近藤にとっては兄弟子にあたる存在ですが、近藤が道場主を継ぐと、終生支えていく役に徹したのです。
源三郎の兄で、井上家を継いだ松五郎の子・泰助も新選組に入隊しました。泰助は後に、源三郎の人物像をこんな風に語っています。
「ふだんはおとなしく、温和な人だったが、一度こうと思い込んだら梃子でも動かない一徹な人だった」
日野市にある井上源三郎資料館は、松五郎の子孫の方が井上家にまつわる資料を展示・公開されており、泰助の後日談も2004年に資料館を見学した際に、ご当主の井上雅雄さんから伺いました。
次回は、近藤勇や新選組の「サポーター」となった多摩の人々について書きたいと思います。
noteでは連載コラム、エッセイをほぼ毎日書いています。フリーランスのライターとして活動中ですが、お仕事が・・・ご支援よろしくお願いいたします!