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歴史・人物伝~新選組同志編⑩全盛期に切腹した幹部・山南敬助
山南敬助は、土方歳三とともに新選組の副長を務めた幹部隊員ですが、その活動ぶりや人物像についてはあまり伝わっていません。新選組の全盛期に、切腹により世を去ってしまったからかもしれませんね。
永倉新八の「新選組顛末記」によると、山南は仙台の出身で、剣術の腕もさることながら、尊王攘夷思想の持ち主だったといいます。試衛館時代から上京する頃は、近藤勇も頼りにしていた存在だったのでしょう。
人柄は温厚篤実と伝わっており、新選組で現場の第一線に立った土方歳三に対し、裏方として近藤のサポート役を務めてきたのだろうと思います。それゆえに、徐々に土方と「そりが合わなくなった」のかもしれません。
「新選組顛末記」では、切腹の様子に触れています。介錯をしたのは沖田総司で、山南は取り乱すことなく、作法にのっとって堂々と腹を切ったのです。近藤らに武士としての最後の意地を見せつけたかったのでしょう。
その姿に近藤は「浅野内匠頭でも、こうみごとにあいはてまい」と称賛したといいます。ちなみに大河ドラマ「新選組!」では、山南を堺雅人さんが演じ、彼の切腹の回が最も反響が大きかったようです。
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