歴史・人物伝~大河コラム:大河ドラマ「どうする家康」本能寺の変に黒幕はいたのか?
大河ドラマ「どうする家康」は、本能寺の変という歴史的大事件によって新たなドラマが展開されようとしています。30日放送では神君伊賀越えが描かれ、徳川家康は無事に危機を脱出しましたね。
時を本能寺の変に戻します。実行役が明智光秀であることは間違いありません。では、光秀はなぜ、主君である織田信長を殺したのでしょうか? その謎は、現在でも様々な説として論議を呼んでいます。
そこで私は「光秀の背後に黒幕がいた」という前提のもと、想像を思い切り膨らませながら、黒幕となり得る人物(勢力)について書いてみます。何の根拠もない、歴史好きの妄想だと思って読んでいただければ幸いです(笑)
★羽柴秀吉説
本能寺の変後、最も利益を得た男といえば羽柴秀吉です。ゆえに昔から「秀吉が裏で糸を引いていた」「秀吉と光秀が共謀していた」と言われがちでした。確かに、中国大返しのような離れ業は、事変を予知していなければ難しいでしょう。
★徳川家康説
家康も結果として戦国最後の覇者になったわけですから、本能寺の変によって利益を得たとも言えるでしょう。家康に誤算があったとすれば、光秀の謀反のタイミングが悪すぎ、その後の覇権争いに加われなかったことかもしれません。
★足利義昭説
信長によって利用されるだけ利用され、京都から追放されてしまった義昭は、信長にかなりの恨みを持っていたに違いありません。光秀がもともと義昭の家臣であったことも、本能寺の変の黒幕として疑われる要素になっています。
★朝廷(正親町天皇)説
信長は征夷大将軍や関白といった朝廷から下賜される官位に就くことを見合わせたとされています。「もしかすると、天皇に代わる大王になるつもりでは」との疑心暗鬼から、信長を暗殺してしまえという意図があったかもしれません。
★キリスト教宣教師説
信長はキリスト教の布教に寛容だったようです。しかし宣教師たちは、比叡山や一向一揆のせん滅といった宗教弾圧を目の当たりにしています。いずれ自分たちにも火の粉がふりかかるのではと懸念し、先手を打って抹殺した可能性もあります。
★大坂本願寺説
10年戦争と言われた石山合戦には終止符が打たれましたが、本願寺や一向宗徒の信長に対する恨みは消えていないはずです。光秀との結びつきが考えにくい勢力ではありますが、信長を暗殺しようという動機は十分あります。
★織田信忠説
信長と共に京都に滞在していたという点で、嫡男の信忠にも信長を討つチャンスはあります。戦国時代には父と子の諍いは珍しくありませんので、光秀を使って謀反をさせることも十分考えられます。ただ自分まで討たれてしまいましたが・・・
つらつらと「黒幕説」を書いてみましたが、個人的には「光秀の単独犯行」ではないかと考えています。ただ、動機については、怨恨なのか、野望なのか、秩序維持なのか、四国征伐阻止なのか・・・一つに絞ることはなかなかできませんね(苦笑)
大河ドラマ、次回からいよいよ豊臣秀吉が台頭してきます。ムロツヨシさんのエグイ演技で今までにない秀吉像が描かれていますが、それがさらにバージョンアップされていくのか注目したいです。
★丁寧に歴史を追求した本格派の戦国WEBマガジン「戦国ヒストリー」にて、ユーザー投稿で執筆中。よかったらご覧ください。