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酔いどれ男のさま酔い飲み歩記~第40回「withコロナで昼酒に酔った長野市飲み歩き」

「一人酒」、それは孤独な酒飲みのように聞こえるだろうが、実はそうでもない。私は一人酒という言葉を酒場で飲み歩く時に使っている。にぎやかな雰囲気に包まれれば、その店に居る人は全員、飲み仲間だ。

一人酒ができなくなって幾歳月・・・ついに再開の日を迎えた。が、本当の一人酒はこれからだ。さあ、体験談エッセイを書こう。タイトルは、酔いどれ男のさま酔い飲み歩記。第40回「withコロナで昼酒に酔った長野市飲み歩き」である。

はじめに

40回目の今回は最新の飲み歩きを書かせてもらおう。。

新型コロナウイルスによって道楽の飲み歩きがストップさせられた。緊急事態宣言の出た2020年4月から22年末までの間、外飲みしたのはたった1回。私にとって、まるで修行僧のような3年間だった。苦しかった。

23年になって飲み歩きを再開させた。その第2弾として企画したのが長野市の長野駅前での一人酒だ。日帰り圏内なので昼酒にするが、コロナ禍前以来、久々に本腰を入れて飲み歩くとするか。

では、行ってまいります!

長野駅前「飛騨」~ビール一口目、至極の瞬間

長野市に来たので、まずは善光寺をお参りしよう。自分でも驚いたが、長野県に住んでいながら、善光寺に行くのは初めてだった。6年に1度の御開帳も、何度となく行くチャンスがあったのに、一度も回向柱に触ったことはないのだ。

本堂のお参りとともに「おびんずる様」への願掛けも忘れてはならない。記憶に新しい4月5日朝、おびんずる様を盗み出した不届き者がいた。幸いすぐに発見され、元の場所にお戻りになった。そう思うと、余計にご利益がありそうな気がする。

長野駅から善光寺までは片道2キロ。日頃ウオーキングをしている身にはちょうどいい距離。天気はさわやかな晴天。でも、さすがに参拝後の道のりはキツイ。のどの渇きを我慢しながら、ビールが飲めそうな店を探し求めた。

駅前の通りにある郷土料理「飛騨」が昼営業している。ランチがメインのようだが、一品料理も大丈夫とのこと。そして生ビールもある。早速、馬刺しと共に注文した。

ビールの一口目を喉に流し込む!

これぞ、昼飲みの醍醐味と言っていい。バス旅の太川陽介さんのようにグイグイ飲み干したくなるが、さすがにもったいない。肴の馬刺しも店でいただくのが一番。市販のものは鮮度に不安があるので・・・

郷土料理店をうたっているが、この店は信州名物ではなく、飛騨名物を提供している。馬刺しは両地方共通ということなのだろう。朴葉焼きも美味そうだったが、せっかくの飲み歩きなので1軒で完結するわけにはいかないな。

この日は平日だったので、他のお客さんはほぼ全員ランチを注文している。真昼間からビールを飲んでいるのは私だけ。まあ、それもいいじゃないか。今日はフリーランスの自分にとって貴重なお休み。飲むだけ飲むぞ。

長野駅前「磯丸水産」~ビールの次は日本酒と海の幸

ビールを飲んでさっぱりしたところで、次にやって来たのはチェーン店の磯丸水産長野駅前店。海鮮料理中心の酒場で、地方では珍しい24時間営業。飲み歩きを企画した段階で目をつけていた店の一つだ。

テーブル席に案内してもらい、メニューはというと・・・タッチパネル。最近、飲食店でちょくちょく目にするシステムだ。店員と直接やり取りしないので、味気ないなと思っていたが、コロナ禍になってからは「いいシステムだ」と思うようになった。

テーブルの目の前には、魚介類を自分で焼いて食べられるようにコンロが据え付けてある。が、今日は刺身類が食いたい。日本酒のチョイスは高知の名酒「酔鯨」。地元長野の水尾飲み比べも捨てがたかったが、飲み過ぎないように自重させてもらった。

肴に選んだのは「ホタルイカのレバ刺し風」。

これは変わっている。ホタルイカは好物だが、こういう食べ方は初めてだ。ホタルイカの刺身にごま油をかけ、小口ネギを散らばせている。かつて、生ぎも(生レバー)をいただいた時と同じスタイルである。

ホタルイカのくにゃくにゃした食感は生ぎもっぽい。が、まったく別物であることは言うまでもない。こんな食べ方をさせられてしまうと、生ぎもが食べたくなってしまうぞ。

ゴールデン酒場2軒のはしご~そしてベロベロに

さあ、次は磯丸水産のすぐ近くにあるチェーン居酒屋「長野ニューゴールデン」に行く。ここも昼からぶっ通し営業という嬉しい酒場なのだ。

3軒目にしてカウンター席に座る。やっぱり一人酒にはカウンターが似合う。注文はハイボール、肴は焼きとん盛り合わせ、そこに付き出しのキャベツ。目の前のテレビから流れるバラエティ番組を見ながらゆるゆる過ごす。

酒場にとって焼きとん(焼きとり)はポピュラーな品なのだが、焼きたての串は家飲みでは味わえず、これぞまさに外飲みの王道。もちろん酒も進む。おかわりは「ボール」。こちらはウイスキー割りではなく、焼酎と割り材のハイボールである。

かなりいいペースで飲んでいるので、少しインターバルを置こう。ゲームセンターでクレーンゲームでもするか・・・と思ったが、面白そうな景品がない。せっかくなのでお菓子をゲットしておくか。

さあ4軒目。長野駅の真ん前にいくつかの酒場が並んでおり、営業していた「長野ゴールデン駅前酒場」に入る。3軒目と同じチェーン店とは芸がないが、この店を選んだのには理由がある。店先の「野沢菜の天ぷら」の文字に引かれたのだ。

早速、野沢菜の天ぷらをレモンハイと一緒に注文。生の野沢菜そのものではなく、野沢菜漬けを揚げており、私的にはやや微妙な味だった。そして酔った勢いで、ついつい頼んでしまったのがカレー。ルーだけのものをいただくつもりだったのだが・・・

ご飯てんこ盛りのカレーライスが出てきた。

これには苦笑するしかなく、申し訳ないがご飯は残す。自分がちゃんと確認しておけば、もったいないことにならずに済んだ。そんなことも含め、飲み歩いていればいろいろなことがあるものだと、つくづく実感したのであった。

久々、ベロベロに酔った。また飲みに来るよ。

今回はここまでとします。読んでいただきありがとうございました。なお、このエッセイは2023年5月の忘備録なので、店の情報など現在とは異なる場合があります。

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「ひとり旅で全国を巡ろう!旅道楽ノススメ」→note連載中の「酔いどれ男のさま酔い飲み歩記」もヨロシク!


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