2018年最後のラーメン
2018年12月某日。
忙しい年の瀬。
俺は浅草にいた。
どうも、ラーメン部部長の
まいけるです。
今回のラーメンは
少し緊張感がある。
ラーメンを介して
久しぶりに友人と会うのだ。。。
などと文章を打っているうちに
一通のLINEが届く
「浅草駅前にいる、はやくこい」
らーめん部員"盛り太郎"からのLINEだ
LINEを見た俺は駅に急ぐ
駅前に着くとそこには
赤い車とその運転席で
スマホをいじる盛り太郎がいた
俺は咄嗟にスマホカメラを向け
連写しながら近づいた
それに気づくと
盛り太郎は何も言わずニヤニヤしながら
こちらを見た
いつもこうだ。
盛り太郎はグループLINEや
友人達複数で遊んでいる時は
発言こそ少ないが常に
ニヤニヤしながら皆を見守っているのだ
いつも通りの盛り太郎に安心しながら
俺は助手席に腰を下ろす。
「よう」
「おう」
などと適当に挨拶を交わす。
盛り太郎に会うのは久しぶりではない
先日も2人で映画に行ったばかりである
しばらくすると窓の外から
こちらを覗いている視線を感じ取る
そう、久しぶりなのはこいつだ
"ラーメン部のエース"こと"真田"だ
攻撃的な鋭い目つき
威圧的な金髪
(今は黒髪だが)
上から目線のトゲトゲしい言動
ラーメン部の超問題児さなだだ。
"さなだ"が後部座席に乗る
「おせーよ!!」
さなだが何かまた攻撃的な
発言をしているが耐性が付いている俺たちは
華麗にあしらうよう適当に相槌をうつ
時刻は22時
浅草の人気らーめん店は
ほぼ全て閉まっていた
盛り太郎がこの時間でもやっている
おいしいラーメン屋があるというので
車で錦糸町方面へ向かう
車中ではエンドレスでボケ倒すさなだ
それにツッコミ倒す俺そして
ニヤニヤしながら黙々と運転する盛り太郎
いつもの光景だが、
こうして3人揃うのは3カ月ぶりだ
それまでは毎日のように連絡を取り合い
毎週遊んでいた俺たちだが
些細なきっかけで連絡を絶っていた
そうは思えないほどの
通常運行のさなだのボケ
ちょっと反応が鈍いが
おおよそいつも通りの俺のツッコミ
そして沈黙のニヤニヤ野郎
車はあっという間に目的地へ着いた。
“ラーメン大 平井店”
言わずと知れた人気チェーン店だ
名前にある通り“大”盛りで有名なお店である
店内は満席で30分程店内で待ち
やっと座席に座ることができた。
そしてさらに待つこと10分
念願のラーメンが来る
俺が注文したのは
“らーめん”ヤサイ、アブラ、ニンニクが増してある“全増し”状態だ
この迫力
大のらーめんスープはさっぱり目で
アブラを増して始めて完成すると
俺は思っている
噛みごたえ抜群の太麺
食べる前から既にこの幸福感
目で見て
神経から脳へ伝わる時すでに
俺の心はこのらーめんに奪われているのだ
「いっただきまぁ…」
ふと隣のさなだのラーメンを見る
チャーシューが3枚!!??
それにチーズトッピングだと!!??
なんだその幸せ丼は
さすがラーメン部のエース
やつは毎回トッピングにも気を抜かない!
たとえそれが初めて行くラーメン屋でも!
ゆえにエースなのだ!
そして写真に記録することなど
御構い無しの盛り太郎
いつもの事だ
素直なのだ
彼のような生き方は常に羨ましいと思う
こうして空腹を満たし
腹ペコたちは帰路につく
もはや久しぶりである事など忘れ
連絡を絶った些細な理由も忘れ…
全てスープとともに
飲み尽くしたのだろう…
我々にとって
“忘年ラーメン会”となった
1日であった。。