最後はメンタル
3年生の最後の総体までもう少し。中学部活はどのスポーツも今月が総体というのが多いだろう。長ければ8月まで大会はある。
この時期は子供たちが今までやってきたことに磨きをかけ、最後の総体で力を発揮できるように調整して送り出してあげたい。
とはいえ中学生にとって最後結果が出せるかどうかは、技術よりもメンタルによるところが大きい。
よく「テニスはメンタルスポーツだ」と言われているが、まさにそうである。
最後は練習通りのプレー、いつも通りのプレーをできた選手が勝つ。それは地区大会でも全国大会でも同じなのである。
ラケットスポーツであるソフトテニスは、繊細な感覚が重要なスポーツである。例えば1日練習を休むと感覚を取り戻すのに3日はかかるとよく言われるが、それは多くのプレーヤーが納得するであろう。そして毎日練習を頑張っていても、突然調子を崩すこともあれば、突然良くなる時もある。
中学生なら、同じ日でも試合ごとに調子の浮き沈みが合ったり、下手したら試合中に調子の波があることも多い。
基本的にプレーヤーは、良いプレーが続けば調子がいいと感じるし、失点を重ねると調子が悪いと感じてしまう。
実際には対して調子は変わらないのだけど、テニスで言うとポイントという外的要因によってメンタルに影響を及ぼし、それがプレーに影響するのだ。
中学生なんかは、体つきやプレーの質はだいぶ大人に近づいているが、メンタルはまだまだ小学生並みという子が多い。精神的にしっかりしていそうな子でも、負けそうになると途端に別人のようにメンタルが崩れてしまうことは往々にしてある。全国クラスの子でもそうなってしまうのだから、普通の子はその影響がもっとでかい。
では、メンタルを強くするために何を考えたらいいか。メンタルを鍛えて本番で自分の普段通りの力を発揮するためにはどうしたらよいか。
僕が考える重要だと思うことを2つ挙げる。
1つは「緊張に慣れること」。2つ目は「勝敗ではなく目の前のプレーに意識を向けること」。
「緊張に慣れること」
人は誰でも緊張する。勝負のかかった絶対勝ちたい試合、大勢の観客の前でプレーをするとき、怖いコーチがいる時、普段と違う会場で試合をするとき...。
様々な場面で緊張すると思うが、緊張はある程度慣れることができると思う。
練習だとあまり差が見えないけど、いざ本番の試合になると全然勝てないなんていうことを感じたことがある人も多いと思う。特に小学生の頃から全国大会に出場するような選手は、本番の大会でも自分の実力をしっかり出せていることが多いと感じる。それはおそらく大舞台での試合に慣れているからだろう。
様々な相手と環境でプレーすることで、緊張に慣れるのではないだろうか。
そしてうちのチームは、チームを支えるたくさんの協力のおかげで、遠征をしたり高校生と練習させていただいたり多くの経験を積める環境がある。この環境は普通の中学校ではできないことだと思うし、本当に恵まれているなと思う。
「勝敗ではなく目の前のプレーに意識を向けること」
これが一番大切なことだと思う。
最終的な結果である勝ち負けに意識を向けすぎると緊張が高まり、パフォーマンスが低下するということはよく言われており、僕もそう思う。
だから試合中は、目の前の1ポイントをどうやって取るか、相手の心理状態を読みながらどうやって試合を運んでいけば良いかに集中することが大切だと思う。
カウント、それからその試合でどんなことが起きているか(前のポイントを振り返りながら)を考え、そのポイントで何をするべきか答えを導き出すことに集中すれば、勝ち負けより目の前のプレーに意識が向けられ、結果的にパフォーマンスが向上すると思うのだ。
ただし、目の前のプレーに意識を向けるためにはテニスの試合運びについて学ぶ必要がある。学ぶためには指導者が必要であり、学びを継続するためにはモチベーションを共に上げる仲間の存在が不可欠だ。
それをどれだけできるかで、普段通りの力を発揮できるかどうかが決まると思うのだ。
最後に。
一緒に頑張る仲間、学びを与えてくれる指導者、それらを支える保護者、協力し支えてくれるたくさんの存在によって、良いチームになれるかどうかが決まる。
一人一人が本番の試合で実力を発揮するためにはたくさんの要素が必要で、それらが無いと絶対に勝てないというわけではないけれど、成功する確率を上げるためにその努力を惜しまないこと。
本番の試合で下剋上をするためにはどれだけ努力しても足りないので、努力をあきらめないこと。
勝つことを目指すことで、人生に大切なことがどれだけ手に入るだろうか。
どうか最後まで夏を過ごせますように。