さて家の中をどうするか DIY時代の幕開け編
「ウォーキングクローゼットが欲しい!」
「キッチンにはこんな感じの収納を作ろう!」
と雑誌を横目にいう嫁は、ものの見事にリクエストを並べる。
旦那だって工務店で働いていた訳でもないし、その道の達人でもない。
DIYは少々かじっているので、簡単な棚程度なら作れるのですが、雑誌に載っているような家具やら、収納は難しいですよぉ〜。
しかし嫁というものは、簡単に言ってくれるものである。
どうも志賀工務店でございます。
夜な夜な、頭の中の設計図を広げて嫁からの受注品を制作し始める。
納期はできるだけ早く!と言われたわけではないが、速いに越したことはないので急ぎながらテキトーに丸のこやらインパクトドライバーといった工具を駆使していく。
丸のこで2x4やベニヤ板、OSB板などの木材をしっかり90°の角度が出るように切るって言うのも意外と素人には難しいもので、大体曲がったり斜めったりしてしまう。
築年数のいっている一軒家に住むことの難しさはとても一言では言い表せないが、その要因の一つに必ず入ってくるのが、家の傾きである。
基本水平という世界線はない。
ということは、どういう困難をDIYにきたしてくるのか。
例えば大きな壁があり、この壁全体を使ってウォークインクローゼットを作ろうとすると、まずフレームを作って天井と床にはめていく。
この時、もちろん賃貸であれば現場復帰が原則だ。
床や天井にそのままフレームをビス打ちできないので、ディアウォール的な器具の使用が必須である。
新築であれば天井と床との距離はどこを測っても一定であるため、2x4を何本だろうと一定の長さで一気に切れる。
しかし、古い一軒家を舐めてもらっては困る。
まず部屋の四隅全ての床から天井までの距離は、必ずバラバラなのだ。
となるともうお分かりの通り全ての長さをはかり、微妙に5mm〜大きいところだと10mmの誤差が出ている長さに合わせて、2x4を一つひとつ切っていくことになる。
なんで右側と左側で長さが違うねん!
そんなボヤキはともかく、旦那というものは嫁のリクエストに全身全霊で答えるのが、勤めであると人は言う。
試行錯誤の末、受注品を作り上げる旦那だが「疲れたぁ〜」と両手を高く上げて伸びをする。
しかしすぐに気がつく。
ベッドの上。
そして今日も、嫁からの発注を承ります。