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008 安息角を満たしていない

ほぼ答えられないので、営業マンに質問してみて 
「安息角って何ですか?」 
 
地盤セカンドドットコムのおしょうです 
 
今日は、安息角(あんそくかく)を満たしていない、について 
 
地盤に関する怖い話です 
  
前回、改良工事が何故必要か? 
主な改良理由は5つあります、って話をしました 
 
改良工事が必要な理由① 
安息角を満たしていない 
 
改良工事が必要な理由② 
新規盛土造成である 
 
改良工事が必要な理由③ 
擁壁底版と建物配置が重なっている 
 
改良工事が必要な理由④ 
腐植土が堆積している 
 
改良工事が必要な理由⑤ 
軟弱地盤である 
 
 
今日は 
改良工事が必要な理由① 
安息角を満たしていない
 
です 
 
『安息角』初めて聞く方がほとんどでしょう 
この言葉を知っている営業マンはあまりいません 
 
あんそくかく と読みます 
簡単に言えば、土が自然の状態で崩壊しない角度です 
 
砂時計をイメージしてください 
富士山みたいに積もっていきますよね 
いつ見ても、安定した同じ角度の山になります 
急角度の山にならないのは、安息角を満たせない部分は崩落して下に流れるからです 
 
この安息角という角度、 
一般的な粘性土では30度です  
土質や造成の仕方によっては、45度の場合もありますが 
30度で考えてください 
いわゆる『安全寄り』に考えてね 
 
砂時計みたいな山状の土地に、家建てねーわ、って声が聞こえますが 
擁壁(ようへき・ざっくりいうと土留め)がある、隣と高低差がある土地で該当する可能性があります 
 
「隣地より高くなってて、視線が合いませんよ」 
「眺望と陽当たりが良いですよ」 
とか言われてませんか? 
 
確かにそうなんですが、 
メリットだけ伝えるのはフェアではないね 
デメリットも伝えてくれないと 
 
営業マンにとっては、一瞬勧めるだけの土地ですが 
購入者は、一生住むかも知れない土地ですよ 
 
安息角を満たせない場合、砂時計の縁みたいに崩落する訳です 
だから、普通は土地肌を見せずに、擁壁(土留め)を組みます 
つまり、擁壁で土の崩壊を防いでいるに過ぎません 
 
じゃぁ、擁壁あるからいいじゃん 
擁壁も劣化します 
擁壁崩れたら、土も崩れます 
土が崩れたら、のっている家も崩れます
 
 
実際に、崩れた家ってありますよ 
原因は地震だったり、大雨だったり、擁壁の劣化だったり 
 
なので、擁壁があってもなくても、 
安息角を満たしていない場合は、改良工事が必要です 
支持層まで鋼管杭をさしておけば、擁壁崩れても家は崩れません 
杭が露出することはありますけど…… 
 
支持層って何だ?って声も聞こえますが、これもいずれ語ります 
 
隣地と高低差があっても、 
安息角を満たす距離が確保できていればOKです 
 
単純な検討の仕方ですが、 
安息角30度は、1mの距離に対して60cmの高低差です 
一低層(第一種低層住居専用地域)は 
壁面後退(隣地境界と自分の家の外壁)が1~1.5m必要なので 
50cm程度の高低差なら大丈夫です 
基礎根入れも25cm~30cmありますし 
 
ただし、都心部だと足場が設置できるのか?ってくらい隣地に近いケースがあるので 
高低差には注意してください 
 
あと、隣地って聞くと、隣の宅地って思いますが、 
接している道路も該当します 
 
安息角と似たようなもので『がけ条例』があります 
これは条例なので、市町村で定められています 
ネットで 建築地の市町村名 がけ条例 で検索してください 
 
だいたいは隣地高低差が2m以上で適用になります 
たとえば、2m以上高低差があれば、倍の4m距離を確保しなさい、って条例です 
高い方の宅地でも、低い方の宅地でも適用になります 
自分の宅地が低い場合、がけが崩れても、自分の土地は崩れ落ちませんが 
隣の崩れた土地に襲われるので、倍の距離取りなさいよ、危ないから。って意味です 
 
ただし、高低差があっても、 
安息角やがけ条例の指導がないケースもあります 
軟弱地盤なら、弱いから改良ですが、 
指導なしで、ガチガチに固い宅地なら改良しません 
無理に改良する方が、地盤を乱すからです 
 
まぁ、僕なら、高低差がある宅地は買いませんけども 
 
 
地盤調査でもやもやしてる方は 
おしょうにセカンドオピニオンしてみたらどうでしょうか? 
料金などお気軽にDMでお問い合わせください 
調査報告書の読み方も教えますよ 
 

coming soon


 
次回の説法は、『新規盛土造成である』です 
お楽しみに! 

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