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011 腐植土が堆積している

「あなたの土地、腐植土ですよ」って言われたらどうしますか? 
 
地盤セカンドドットコムのおしょうです 
 
今日は、腐植土が堆積している、について 
 
地盤に関する怖い話です 
 
改良工事が何故必要か? 
シリーズ4回目ですね 
主な改良理由は5つあります、って話をしました 
 
改良工事が必要な理由① 
安息角を満たしていない 
 
改良工事が必要な理由② 
新規盛土造成である 
 
改良工事が必要な理由③ 
擁壁底版と建物配置が重なっている 
 
改良工事が必要な理由④ 
腐植土が堆積している 
 
改良工事が必要な理由⑤ 
軟弱地盤である 
 
今日は 
改良工事が必要な理由④ 
腐植土が堆積している
 
です 
 
 
腐植土、あぁカブトムシ飼うときのって、それは腐葉土です 
 
正直、腐植土だけで、本が一冊書けちゃいます 
 
でも、あなたは、地質学を学びたいとか、土壌のプロになりたい訳ではないので、簡単にいきます 
簡単すぎて、専門家には怒られそうです 
 
実際、僕のメンターの先生に、うっかり『腐植土』なんて言うと 
「君、それは高有機質土だよ!」 
って怒られます 
 
でも、分かりやすく 腐植土 で進めますね! 
 
ざっくり分類しても 
腐植土、有機質土、高有機質土、泥炭(ピート)、黒ぼく……などなど 
 
腐植土は、『土』と書かれていますが、土ではないです 
土は岩石が風化したものです 
その粒度によって、砂質土と粘性土(中間のシルト)に分類されます 
ちなみにローム層は火山灰起源の土です 
 
腐植土は、その名の通り、 
植物が腐敗し、繊維質を残した状態で堆積したもの
です 
非常に多くの間隙(かんげき)=すきまがあり、高有機質です 
なので、腐植土=高有機質土であり、有機質土ともまた違うという、 
おしょうでさえ、白目になりそうな世界です 
 
腐植土が厄介なのは、上からの力に対して弱いくせに 
SWS調査では、必ずしも自沈する訳ではない点です 
データだけなら、粘性土やローム層と見分けがつきません 
それで他の土のように、上からの力に強ければいいんですが、弱いんです 
 
つまり、岩石由来の土と異なり、腐敗した有機物ですきまが多いので、 
地盤調査では抵抗を示す(データ上軟弱ではないことがある)けど、上からの圧力で潰れる! 
 
なので、腐植土に気づかないで、改良なしでマイホームを建てると、 
家の荷重に負けて、沈むことが多々あります 
 
腐植土は、非常に多くの間隙があるので、潰れるってことです 
間隙はかんげきと読みますが、隙間(すきま)のことです 
 
また、酸性土なので柱状改良などのコンクリ(アルカリ)が固化しないので 
改良しても沈下することが多々あります 
 
厄介で、危険でしょ? 
 
では、どうやって、地盤調査で分かりづらい危険な腐植土を察知するのか? 
 
腐植土の分布エリアは地形区分や標高などからあたりを付けられます 
この特殊土がどんな場所に堆積するのか、考えるわけです 
 
ゴリゴリ岩盤の山にはない訳です 
岩盤、風化してないから 
洪積層(更新統)は形成年代が古すぎてないか、あっても深い・安定してる 
 
堆積してるのは、沖積層(完新統)の谷地・凹地(おうち)とか 
昔湖沼だった場所、湿地帯だった場所とかです 
水田に腐植土リスクがあるのは、こういうロケーションの低地に多いからです 
 
令和の現在は、台地は削られ、谷は埋められ、平坦化されています 
どこが台地で、どこから低地か、散歩してても分かりません 
 
ですが、国交省や国土地理院などが提供する土地条件図などで分かります 
厄介なのが、台地の中の谷地です 
これは枝谷とか溺れ谷とか呼ばれますが、 
こうした一般的には、台地と考えられる地域にも谷が存在し、 
割と腐植土が堆積
しています 
 
あとは、標高を考慮し、近隣のボーリングデータを参照します 
多くのボーリングデータは、土質が細かく書いています 
SWSなんて、2種類しか書いてない 
 
上記は、マップによるスクリーニング手法です 
 
他には、原位置調査であるSWSの情報から読み解くことです 
熟練した調査員なら、異変に気づき、テキストで備考欄に書くでしょう 
・匂いあり 
・水っぽい 
など 
 
腐植土っていうくらいですから、腐っています 
腐っているので、臭いです 
ドブ臭い 
 
しかも、間隙が大きいということは、その分、水分をためています 
だから、土が泥のようにベチョベチョしています 
この様子は、SWS調査のロッド引き抜き写真で確認することもできます 
多分、99%の住宅会社はロッド引き抜き写真なんて見てないし、気づきもしないけど 
 
マップスクリーニング+SWS調査で推測ができます 
  
地盤調査でもやもやしてる方は 
おしょうにセカンドオピニオンしてみたらどうでしょうか? 
料金などお気軽にDMでお問い合わせください 
調査報告書の読み方も教えますよ 

coming soon


 
次回の説法は、『軟弱地盤である』です 
お楽しみに! 

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