018 地盤保証って5,000万円も現金でもらえるの?
5,000万円もらったら、他の場所に移住しますか?
地盤セカンドドットコムのおしょうです
今日は、地盤保証って5,000万円も現金でもらえるの?、について
知られざるお金の話です
前回、不同沈下と等沈下の話をしました
その流れで、地盤保証の話をしたのですが、
どの会社も基本的なサービス内容(保証内容)は横並びです
5/1,000以上の傾きで、最高5,000万円保証!
では、保証って現金でもらえるんでしょうか?
火災保険や地震保険に加入していれば、被災すると、現金でもらえます
その感覚でいると、地盤保証も現金でもらえると思っている人は多いです
基本的に、地盤保証は『沈下修正工事』をもって履行されます
沈下修整と表現されることもあります
単純な話ですが
沈下したなら、持ち上げて(引っ張り上げて)水平に戻すんです
その工事を沈下修正工事といいます
沈下の状況と地盤(土質)条件によりますが
鋼管杭を打ったり
ウレタンや薬液を注入したり
耐圧版を設けたり
ジャッキアップだけで済んだり
と対応方法は多岐にわたります
地盤保証というのは、この工事費用分を保証でまかなうということです
なので、施主に現金が支払われるのではなく
沈下修正工事した会社に支払われます
精神的苦痛が、とかそういうのは基本的に保証されません
その辺は、施主と住宅会社の人間関係
さらには住宅会社と地盤会社の関係にもよりますが
結果として、仮住まい費用とか何かしらの損害分も認めてくれることはありますが、期待しない方がよいです
当然、沈下修正工事以外は保険会社(保証の裏には保険会社がついています)が認めないと思うので
沈下修正工事以外の費用については
住宅会社・地盤会社で割合負担を決めている感じです
改良したのに沈下した場合は、施工した改良工事会社も加わるでしょう
この割合を『帰責性』で決めます
だれが、どれだけ悪かったのか?
そうした、施主には見えない処で、実は攻防が繰り広げられます
もちろん、裁判に発展するケースもあります
よく、「裁判起こしますよ!」って脅し文句に使う人がいますが
住宅会社には顧問弁護士がいるので
むしろ、裁判起こしてもらった方が楽だったりします
ハウスメーカー時代の上司(取締役部長)がよく言ってました
実際に5,000万円ももらえるのかというと、大豪邸なら可能性はあります
『最高で』っていうのがみそなのですが
一律5,000万円ではないんですね
説明の通り、沈下修正工事に対して保証でまかなうので
安く済めば、それで終わりです
土地は、同じ物がありません
同じ造成地でも、隣の宅地は別ものです
なので、相場というのは齟齬がありますが
一般的には、沈下修正工事を伴う保証実費は総額で1,200万円~1,800万円が相場です
コロナ禍前は800万円~1,000万円くらいでしたが、
今は、資材費の高騰・職人不足などでめっちゃ値上がりしています
建物の請負金額には影響されません
ローコスト住宅でも、ハイエンド住宅でも、
修正部材を変える訳ではないですし、保険鑑定人が査定しますので
ではなぜ、豪邸ならば、5,000万円になる可能性があるのか?
単純に建築面積が広い豪邸なら、その分修正費用がかかるからです
単純に一般的な住宅で1,250万円かかるなら
4倍の建築面積だったら、1,250万円×4で5,000万円です
ただし、保証条件には、面積の縛りもあるので、
たとえば、1,000㎡を超えるなら、保証不可ってこともあります
また、商売をされていて、店舗併用住宅の場合も注意が必要です
さらに、多くの人が知らないことを伝えます
住宅会社も知らないでしょう
それは『再調達価額』の存在です
今回も既に長くなったので、次回語ります
地盤調査でもやもやしてる方は
おしょうにセカンドオピニオンしてみたらどうでしょうか?
調査報告書の読み方も教えますよ
次回の説法は、『再調達価額にご注意を』です
お楽しみに!