041 プロも知らない!?GBRC認定工法の全貌を大公開【後編】
埋蔵文化財包蔵地での改良工事の救世主ってどんな工法?
地盤セカンドドットコムのおしょうです
今日は、GBRC認定工法ってこんなにある!【後編】、について
誰も教えてくれない改良工事の真実です
前回と今回で、よく聞く工法をご紹介します
・砕石系
・木杭
・羽根付き鋼管杭
・シート系
・柱状改良進化形
・既成杭
まぁ、このくらいでお腹いっぱいですw
■シート系■
タテヨコの2方向に特殊なシートを張り、その上に住宅を建てる工法です
嘘でしょ?って思われたかも知れませんが、住宅会社には人気があります
・GRRシート工法
・ジオクロス工法
日建ウッドシステムズさんが開発した画期的な工法ですが、
ホームページをみても、両者の違いが分かる人はほとんどいません
メリットは、埋蔵文化財包蔵地で使える点です
杭を打ったり、改良のために掘削しないので、地面の下にある遺跡を壊しません
デメリットは、適用地盤の狭さです
盛土や切り盛りまたぎ宅地はだめですし、高低差、軟弱すぎる地盤では使えません
3階建てや連棟現場の建売なんかも危険です
埋蔵文化財包蔵地(通称・埋文=まいぶん)とは遺跡がある・あるかもって土地ですが、
これはまた別の機会に語ります
現状、埋文では救世主のように住宅会社にあがめられています
■柱状改良進化形■
最もポピュラーな柱状改良もガラパゴス化しました
今回は2方向の進化について軽く説明します
1つは柱状改良そのものを進化させたものです
・ピュアパイル
・SEP
・SFP
・HITSコラム
とかありますが、代表例はピュアパイルでしょう
なので、ピュアパイルの説明をします
これはピュアという名称通り、パイル(杭)の材料に土を混合せず、セメントミルクのみでつくります
つまり、高純度セメントの杭なので、ピュアパイルです
名前だけ聞いて、純粋な杭だから自然由来の優しい工法と思った方は残念ですが違います
メリットは腐植土層対応可能であること、
直径が小さくて済み、残土が出なくて、工期が短いことです
デメリットは、過信が生まれることです
たとえば、腐植土層対応と言っても、腐植土層での周面摩擦がとれる訳ではありません
単純に使えますよ。でも摩擦係数はゼロですから杭長は伸びるよ、ってことです
これ、意外と知らないので、腐植土層の摩擦見込んだ計算で出す改良工事会社があります
保証会社の設計審査でNGくらうか、不同沈下で発覚するか、です
もう1つは柱状+鋼管杭系です
簡単に言えば、柱状改良の中に鋼管杭が入っている、または鋼管杭を柱状改良でカバーする、というイメージです
・タイガーパイル
・トルネードパイル
・しん兵衛
・ATTコラム
などです
メリットは、柱状と鋼管の良さを活かして、摩擦などの指示能力が上がることと
心材を入れることで杭頭周辺の応力過集中による改良体崩壊が防げることです
デメリットは、理論値が先行してるので、実際どうなのかな?という点です
まぁこれは羽根つき鋼管杭もそうですが、数値だけで安全って言われるとこわいですね
理論値だけで言えば、ベタ基礎で改良なしでも、改良工事ありでも沈下はしないことになっている訳ですからね
■既成杭■
柱状改良は地盤の中にコンクリートの柱を現場で作るんですが、
既成杭は工場で作ったコンクリートの杭を現場に持っていって打ち込みます
見た目は電柱です
・オチパイル
とかが有名です
メリットは、工場生まれの高品質です
プレハブ系ハウスメーカーのセールスポイントと同じですね
現場での混合撹拌は、事前の配合試験をしない限りは固化不良や強度発現に疑問が生じます
腐植土エリアでは割と普及しています
デメリットは、工場で作ってトラックで運搬するので、長い杭は作れないってことです
仮に10mの電柱みたいな改良体、あなたの家まで運べますか?
途中で4m道路があるとか、急カーブがあるとかだと無理ですよね
前面道路じゃないですよ
工場から自宅まで、ですからね
はい
では今日はここまでです
メジャーなGBRC【後編】のメリット・デメリット分かりましたか?
いずれにしても、重要なのは適用地盤です!
住宅会社からGBRCをすすめられたら、必ず検索してHPに適用地盤・適用範囲の記載があるのか、
その条件は自分の宅地に当てはめると合致してるのか、を確認してください
あなたの家と地盤を守るのは住宅会社ではありません
あなたです
地盤調査でもやもやしてる方は
おしょうにセカンドピニオンしてみたらどうでしょうか?
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調査報告書の読み方も教えますよ
次回の説法は、『液状化現象が起きる3つの条件』です
お楽しみに!
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