016 布基礎とベタ基礎だけじゃない
基礎仕様について質問しても、即答できない営業マンが多いって知ってましたか?
地盤セカンドドットコムのおしょうです
今日は、布基礎とベタ基礎だけじゃない、について
今さら聞けない専門用語です
今までのポストの中で、幾つか専門用語や業界用語が出てきました
その辺もお話ししないと、分かりづらいと思うので、少し用語についてもポストします
特に住宅会社では、プランや住宅設備・自社性能についてはマニュアル化され、
分かりやすくセールストーキングしてくれますが、他のことはさっぱりです
地盤(土地)と建物を繋ぐものが基礎です
日常語でも、基礎とか基本とか使いますよね?
その基礎です
マイホームを建てたいと考える方は、基礎についても何となく聞いたことがあると思います
ベタ基礎と布基礎とか
一般的にはこの2つが分かればOKです
他にも、独立基礎・SRC基礎・MS基礎・杭基礎とかありますが、
SRC基礎とMS基礎は特定の住宅会社でしか採用していませんし
独立基礎と杭基礎は一般住宅ではほぼ使いません
え?高基礎とか深基礎も聞いたことあるって?
それは高低差がある宅地で、基礎の立ち上がりを伸ばしているだけなので、
ベタ基礎や布基礎を高基礎・深基礎にしているだけです
地盤調査の判定区分では、布基礎判定やベタ基礎判定を総称して『直接基礎』といいます
改良工事しないで、直接基礎工事できるからですね
基礎は、建物の重さを支える部材です
もし、基礎が沈下したり、地震の影響で傾いたりすると、
住宅会社自慢の建物がいくら丈夫でも、意味がないですよね?
沈下はどこが沈むかというと、基礎が沈みます
基礎が沈むから、地上から上(建物)も沈む
土台や床だけ沈んで、基礎は沈んでいないということはありません
あったら、床の施工不良とか設計ミスです
ベタ基礎と布基礎は、構造の違いによってコストや施工性、性能が異なります
WEB上では基礎について多くの情報がありますが、誤解や誤情報も見られます
建築中の現場を見ると、布基礎かベタ基礎か簡単に分かります
土が見えているのが布基礎で、
全体がコンクリートになっているのが、ベタ基礎です
布基礎は、逆T字型の基礎が繋がっているものです
布製ではありませんので、安心してください
『布』というのは、反物をイメージして欲しいのですが、連続した物という意味です
外周部と、構造上重要な柱の下などに配筋されたコンクリートが立ち上がっています
ベタ基礎は、配筋されたコンクリート版が床下全体に存在します
なので、布基礎よりも荷重分散効果があります
地面からの水分や害虫も入りません
それだけ聞くと
「布基礎は地面からの湿気で土台が腐る」
「シロアリにやられる」
など誤解します
実際、ベタ基礎の住宅会社には、布基礎への優位性を示すため、
上記のような乱暴な営業トークをする人も存在します
……んな訳ない
布基礎は確かに土が見えますが、防湿シートを敷いています
これで湿気も害虫も上がりません
そもそもシロアリ対策は、防蟻処理といい、土台など木材に行います
ベタだからといって、防蟻処理しない住宅会社はありません
一般的には、防蟻防腐処理といいますね
湿気による腐れも考慮しますが、
基礎パッキンなどで床下全周換気すれば、基礎仕様に左右されません
一方で、
・簡易ベタ基礎
・防湿コンクリートベタ基礎
などと称して、配筋されていないコンクリートを打設する会社もあります
これ自体は、違法ではないですが、
防湿シートの代わりにコンクリートを使うだけなので
構造・強度的には、ベタ基礎ではなく布基礎として扱うべきです
配筋していないコンクリートは、まだの蓋です
強度はありませんので、ベタ基礎に期待する荷重の分散効果はありません
その辺をしっかり説明できる住宅会社ならよいですが、
ベタ基礎と思い込ませようとする会社なら要注意ですよね
今までのポストでも、たびたび、
「こんな住宅会社は要注意だ!」
「僕なら契約しないね!」
など、割と強めに毒を吐きましたが、
僕のポスト自体が、住宅会社のスクリーニングなんですよ
僕は、マイホームを自分でプランニングして建てました
当時、取引先の住宅会社が6社ありましたが、
一番現場管理がきれいな会社と請負契約しました
金額は6社中、3番目に安い会社でした
1番安い会社とは、250万円以上の差がありました
でも、安くないけど、現場管理がしっかりしている会社に頼んだのです
僕は、一生住むつもりで建てました
子供は独立したら、この家には戻らないかも知れません
でも、それでもいいんです
僕は、子供が挫折した時、帰れる家を用意したかった
いつでも、君が安心して居られる場所があるんだよ、と
僕は、風呂もない貧乏な家で生まれ、中学三年生の時に競売で実家を失いました
帰る家などなかった
あんな惨めな想いは、子供にさせたくないんです
だから、居場所をつくりたい
お子さんが居る方なら、大なり小なり頷けるのではないでしょうか?
だからこそ、信頼に足る住宅会社で建ててほしいので、
スクリーニングできる実例をたまに出しているんですよ
誰も教えてくれない、超有益情報ですよ
これだけで、何百万円の価値に相当します
またしても、話が逸れました
、
それぞれにメリットとデメリットが存在しますが、
ベタ基礎も布基礎も、耐震性や強度において優劣はありません
地域特性(凍結深度など)やプラン(荷重のかかり方)などを考慮して、
適切な基礎を選ぶことが建物の安全性と機能性を高める鍵となります
ちなみに、おしょうのマイホームは布基礎です
とはいえ、こっちの基礎が良いです~と気軽に選べないのが、実情です
なぜなら、『標準仕様』で基礎仕様が決まっているからです
ベタ基礎と布基礎は、型枠(セメント流すときに使います)から違います
両方施工できる職人さんもいれば、
ベタはやったことない、または布基礎はやったことないって基礎屋さんもいます
また、各社、基礎仕様での差別化を図ろうと必死なのです
だから、ローコスト住宅はベタにしがち
「大手は布基礎ですが、うちはベタ基礎です。メリットは……」
みたいなセールストークは得意ですが、
「へー、設計接地圧はいくつですか?」
とか聞かれると、即答ができません
何なら、設計接地圧って言葉自体知りません
セカンドオピニオンでも、
「基礎仕様と設計接地圧確認してください」って依頼しますが
「分からないそうです」
「構造計算してないので、まだ決まってません」
って施主から返事が来ます
この辺は、まだかわいいもの
酷いと
「本部じゃないと分かりません」とか
「お客様には教えることができません」とか
謎すぎる回答がきます
いやいや、セカンドなんだから、もう判定出してるんだろ?
接地圧によって、判定変わるんだから、分からなくて、どうやって判定させてるの?
でも、そんなことすら、あなた方施主は分からない訳ですよね?
だって、誰も教えてくれないから
営業マンも知らないから
残念ながら、これが実態なんですよ……
地盤調査でもやもやしてる方は
おしょうにセカンドオピニオンしてみたらどうでしょうか?
料金などお気軽にDMでお問い合わせください
調査報告書の読み方も教えますよ
次回の説法は、『不同沈下と等沈下』です
お楽しみに