2024年2月19日の見解
しかしその後は、米国が3連休に入るため持ち高調整などが行われ、ドル安に振れていくことになります。
対ドルストレートの買い戻しが入り、リスクオンの動きとなり市場は引けております。
日経平均株価は史上最高値更新(3万8915円87銭)には至らず引けていますので、高値での決済が入ったかもしれませんね。
では金曜日の流れをまとめていきます。
まずは英国になります。
【英小売売上高&【除自動車】】
前月比:予想1.5% 結果3.4%(前回-3.2%→-3.3%)
前年比:予想-1.5% 結果0.7%(前回-2.4%)
前月比・コア:予想1.9% 結果3.2%(前回-3.3%→-3.5%)
前年比・コア:予想-1.2% 結果0.7%(前回-2.1%)
強い結果となり、ポンドが買われます。
しかし瞬間的な買いで終了しており、対ドルでは注目されていたPPIの影響により方向感が出ない状態となります。
そして迎えたPPIの結果が以下になります。
【米PPI(生産者物価指数)】
前月比:予想0.2% 結果0.3%(前回-0.1%→-0.2%)
前年比:予想0.6% 結果0.9%(前回1.0%)
前月比・コア:予想0.1% 結果0.5%(前回0.0%→-0.1%)
前年比・コア:予想1.7% 結果2.0%(前回1.8%→1.7%)
上記の強い数字が出て、ドル買いで反応します。
CPIとPPIいずれも強かったということで、「インフレの高止まり感が否めない」状況となっています。
(本日時点)マーケットの反応|FedWatch
3月:89.5%が「据え置き」
5月:71.6%が「据え置き」
6月:23.0%が「据え置き」・77.0%が「利下げ」予想
2023年度中は、「3月利上げが80%以上」をマークしていましたが、、、かなり利下げ観測が後退していることが確認できます。
(現在)6月会合でも「23%が据え置き」予想をしており、数字が徐々に変化してきている事がわかります。
つまり、2024年の年初来より「米経済指標のデータ」・「米経済の強さ」が顕著に出ているということになります。
▼PPIの内訳
(赤枠)と(グラフの赤線)より、サービス価格の上昇が目立ちました。
サービス価格は▲0.1%から+0.6%に上昇をしており高止まり感が否めません。
インフレは変わらず根強いです。
マーケット目線では利下げ観測後退という憶測を呼び、『米長期金利が上昇=ドル円上昇』ということになりました。
10年金利:4.328%まで上昇
ドル円:150.643円付近まで上昇
そして続いて米経済指標が発表されます。
米経済指標
【住宅着工件数】
予想145.8万件 結果133.1万件(前回146.0万件→156.2万件)
【建設許可件数】
予想151.4万件 結果147.0万件(前回149.5万件→149.3万件)
【ミシガン大消費者信頼感指数【速報値】】
予想80.0 結果79.6(前回79.0)
1年先インフレ期待:予想2.9% 結果3.0%(前回2.9%)
5年先インフレ期待:予想2.8% 結果2.9%(前回2.9%)
上記の結果を受け、NY後半からドル安の方向に傾いていきます。
指標発表の内容的には弱い結果となっています。
冒頭にも掲載した通り、米国が3連休に入るため持ち高調整などが行われ、ドル安を後押しするような形となりました。
信頼感指数は弱い数字となっておりますが、注目されている期待インフレが1年先では上昇していることから、インフレの高止まり懸念が広がりつつあるという状況です。
続いて、要人発言をまとめていきます。
米・要人発言
【ボスティック米アトランタ連銀総裁】
最近のインフレデータを受け入れられるが、FRBは政策について忍耐強くあるべき
CPIには少し驚いた
夏には正常化を始める時期が来るだろうと信じているが、さらに進展があればその前に時期をずらせることも出来る
ドットプロットでは2回の利下げにしたが、3回の利下げに変えられる
【デイリー米サンフランシスコ連銀総裁】
インフレに関してはさらなる取り組みが必要
失業率が大幅に低下せずにインフレが鈍化することは、間違いなく良いニュース
インフレが継続的に進展していることを確認するには、もう少し時間が必要
今後のリスクには、インフレ進行の鈍化、労働市場の低迷などが含まれる
FRBは忍耐が必要なときに、迅速に行動したいという誘惑に抵抗する必要がある
生産性の向上が今後も続くかどうかは不透明
紅海とパナマ運河の混乱は新たなリスクになる可能性がある
やはりもう少し確実なデータが無いと「利下げ」には踏み切れない状況です。
以前からインフレは高止まりはするだろうと予想されていたので、ここからが勝負といった所では無いでしょうか。
歴史上、経済をソフトランディングしながらインフレを収めた人物はいないので、パウエル氏の手腕に注目ですね。
今週のスケジュールは以下になります。
今週のスケジュール
<火曜日>
RBA議事録公表(2月6日開催分)
加消費者物価指数
<水曜日>
ボスティック米アトランタ連銀総裁
20年債入札
ボウマンFRB理事
FOMC議事録公表(1月30日・31日開催分)
NVIDIA決算
<木曜日>
仏、独、欧、英製造業PMI【速報値】
仏、独、欧、英サービス業PMI【速報値】
ECB理事会議事要旨公表(1月25日開催分)
米新規失業保険申請件数
米製造業PMI【速報値】
米サービス業PMI【速報値】
中古住宅販売件数
ジェファーソンFRB副議長
ボウマンFRB理事
ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁
<金曜日>
クックFRB理事
カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁
ウォラーFRB理事
IFO景況指数
ナーゲル独連銀総裁
上記となります。
今週は大した重要な経済指標はありませんが、注目では火曜日の「FOMC議事録公表」と水曜日の「各国のPMI速報値」ほどではないでしょうか。
今週も引き続き、チャンスだと感じるポイントで狙い撃ちしていくトレードになります。
本日もよろしくお願いします。