2024年2月6日の見解
昨日の為替相場ですが、午前中から2/1収録のパウエルFRB議長の60ミニッツ出演でのインタビューがありました。
利下げに対して慎重な姿勢を見したとして、東京時間から長期金利が上昇しドル買いが入ります。
その後は欧州時間で各国PMIの発表がありましたが、その影響を受けて欧州通貨は売られます。
そしてNY時間には米国の経済指標の強い数字を受けて更に長期金利が上昇し、ドル円は高値で引けました。
では昨日の流れをまとめていきます。
ますはパウエルFRB議長の発言内容からです。
【パウエルFRB議長】
FRBが3月利下げの自信を持つ可能性は低い
FOMCの金利見通しはおそらく12月からあまり変わっていないだろう
インフレは順調に進んでいる
インフレがさらに持続すれば、行動が遅くなる可能性がある
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-02-05/S8CW65T1UM0W00
2/1の収録なだけあって、前日のFOMCでの発言内容とそこまで変化はなかった印象です。
基本的には「利下げをする前に更に革新を深めたい」という内容で、利下げに対しては慎重な姿勢を見せます。
昨日のISM非製造業の重要指標の件でも触れますが、現在の米国経済はかなり強い印象です。
経済が強い状態なので、早期に利下げをする必要もなく、まずはインフレ撃退を優先に考えています。
というわけで、「3月利下げ観測」に関しては後退しております。
FedWatchでも確認できますが、マーケットも「85%以上が3月据え置き」と、昨日(79%)より6%ほど据え置きに傾いてきています。
この影響で昨日は東京時間から長期金利が上昇しドル買いが入り、ドル円に関して上昇スタートとなりました。
そして欧州時間には、各国のPMIが発表されます。
【仏サービス業PMI【確報値】】
予想45.0 結果45.4(前回45.0)
【独サービス業PMI【確報値】】
予想49.3 結果47.7(前回47.6)
【欧サービス業PMI【確報値】】
予想48.8 結果48.4(前回48.4)
【英サービス業PMI【確報値】】
予想53.4 結果54.3(前回53.8)
上記の結果を受け、欧州通貨は売られます。
英国は50以上をキープしているので、景気はまだ良い状態とされていますが、欧州に関してはまだ40台の状態なので景気が減速している状態。
欧州圏ではドイツ経済の影響が強いので、ドイツ経済が回復しない限りは、なかなか欧州圏のPMIも回復はしてこないかなと思います。
そしてNY時間に米国の経済指標の発表がありました。
【米サービス業PMI【確報値】】
予想52.0 結果52.3(前回50.9)
【ISM非製造業景況指数】
予想52.0 結果53.4(前回50.6→50.5)
上記の強い経済指標を受けて、米10年債利回りは4.172%まで上昇することになります。
それにつられるように、ドル円も昨日の高値を更新する流れとなりました。
ISMの内訳に関しては以下になります。
総じて強い数字で、米国経済が強いことがわかりますね。
しかし黄枠の部分に関して「価格」になりますが、この部分が上昇している状態で利下げが本当にできるのかという、インフレ抑制をしたいFRBからしたら心配する数字になります。
そしてそのまま米国の要人発言が続きます。
【カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁】
中立金利の上昇は金融政策が想定ほど引き締め的ではない可能性を意味する
コアインフレ率はFRBの目標に向けて急速に進展している
経済指標は明確にポジティブではない
消費者延滞の増加など、弱含みの兆しがいくつかある
【グールズビー米シカゴ連銀総裁】
3月利下げの可能性は低いが、その可能性も排除しない
経済はかなり好調だった
【ボスティック米アトランタ連銀総裁】
賃金の伸びはより正常なパターンに戻りつつある
パウエルFRB議長が話している内容に近い内容でした。
ドル円に関して、特に変わり映えする内容ではなかったので、ISMで上昇した148.900円を抜けきれない状態となり引けています。
そして最近ずっと強かった米株価に関しては、長期金利の上昇が影響して3指数揃って下落となりました。
先週までは決算があったので、「金利上昇」にはあまり影響を受けませんでしたが、昨日の動きに関してはわかりやすい相場状況だったとも言えますね。
昨日の動きは、長期金利上昇の「ドル高・株安」といった流れになります。
本日の指標&要人発言
経済指標
RBA政策金利&声明発表
RBA四半期金融政策報告
3年債入札
要人発言
ブロックRBA総裁
メスター米クリーブランド連銀総裁
マックレムBOC総裁
カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁
コリンズ米ボストン連銀総裁
上記となります。
本日は「RBA政策金利&声明発表」が控えています。
今年からRBAに関しては、2日間の会合となり、年11回行われていたのが8回に変更となります。
そして1時間後には「RBA総裁」が記者会見するという内容に変更になりました。
比較的各国の政策金利発表のスタンスと合わせるような体制になりましたので、認識しておきましょう。
そして本日は3年債の入札もあります。
10年債利回りの変動がある可能性も否めないので気をつけていきましょう。
そして、その他は要人発言が多く入りますので、突発的な動きには要注意です。
今週も引き続きチャンスだと思った所を狙い撃ちしていくトレードになりますので、とりあえず「夏時間」に入るまでは、無理して引っ張らず短期的な取引をしていくことを推奨します。
本日もよろしくお願いします。
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