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子どもの心を傷つけずに苦手をなくす、親御さんとのコミュニケーション
「低学年のうちに、家庭ではどう勉強を見ればいいですか?」という相談をよく受けます。確かに、低学年の子どもが授業の復習や宿題をひとりで完璧にこなすのは難しいですよね。でも、だからといって「全部おうちで見てください」と丸投げするのも違うなと思っています。
そこで、僕が普段、ご家庭にお願いしていることをまとめてみました。「できないところを叱る」のではなく、「できる!」という気持ちを育てるための方法です。
でも、あくまでこれは低学年のうちの話。学年が上がれば「ほっといてください」とお願いすることになるのですが(笑)、その話はまた別の機会に書きます!
低学年の丸付けは先生がやる
低学年のうちは、個別指導の際に子ども自身に丸付けをさせず、先生が行うことにしています。
丸付けの方法として、次のように進めます。
正解の問題には花丸をつける
間違えた問題はその場でやり直しをさせる
やり直しができたら、丸をつける
最後に「よくできました!」と100点を書いてあげる
これを繰り返すことで、子どもは毎回「100点のプリント」を持ち帰ることになります。
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親御さんの声かけは「100点すごいね!」から始てもらう
持ち帰ったプリントを見た親御さんは、まずは「全部100点じゃん!すごいね!!」と褒めてください、とお願いしてます。あるいは、お迎えの時にもあまり「あれができてない、これができてない」と言わずに「今日もがんばってましたよー!」と、その100点の答案をわざとらしく?見せたりします。
ただし、花丸がついていない問題は「やり直し後に○をもらった問題」です。理解が不十分な可能性もあるため、おうちでは次のように声をかけてもらいます。
「ここ、もう一回やってみようか?」
このとき、責めるような口調にならないよう注意が必要です。あくまで「一緒にやってみよう!」という前向きな雰囲気を作ることが大切です。
もし子どもが詰まってしまった場合は、
「じゃあここも花丸もらえるように、今度の授業で先生に聞いてきてね!」
と伝え、連絡帳などに書いてもらいます。ここでおうちで「じゃあもう1回!!」と教えてしまうと、「先生のとやり方違う!!」と子どもが拗ねたりします。なので、内容に関してはお任せいただいて、次の授業では、その復習からスタートすることで、学びを定着させます。
「バツ」をつけないことで、苦手意識を育てない
この方法のポイントは、「バツ」や「できていないところ」という言葉を使わずに、苦手を克服していくことです。
低学年の子どもは、ある意味で「承認欲求のかたまり」です。特に勉強に関しては、「できないところを指摘して叱る」よりも、「できる!」という成功体験を積ませること、「よかったね!」と褒めてもらうことが次に向かうためにとても大切です。
最近では「非認知能力(自己肯定感・粘り強さ・意欲など)」の重要性がよく言われますが、それを高めるためにも、子どもが「自分はできるんだ!」と勘違いするくらいがちょうどいいと思うのです。
3年生からは「自分で答え合わせ」に移行
低学年のうちは、間違いを自覚させることよりも、「できた!」という気持ちを育てることが大事です。しかし、3年生くらいになったら、次のステップに進みます。
子ども自身に答え合わせをさせる
自分で間違えたところにバツをつける
やり直したら「青丸」をつける(後で見返したときに間違えた部分がわかるようにする)
こうすることで、子ども自身が間違いを認識し、修正する力を身につけられます。もちろんそれぞれの得意・不得意で攻略するまでに時間の差はあるのですが、今度は徐々に「間違いを自分で見つけて修正する」段階に入るわけです。
「間違えたら消しゴムで消さない」は低学年には不要
よく「間違えたものは消さないように」と言われますが、低学年のうちは気にしなくてOKだと思っています。間違いを自分で認識し、修正する習慣は、3年生くらいから徐々に身につければ十分だからです。
逆に、3年生以上には絶対に間違えた答えを消してはいけないということを徹底させていきます。
低学年で一番大切なのは「できる!」という気持ち
勉強の習慣をつけるには、「自分はできるんだ!」という気持ちを育てることが何よりも大切です。
そのためにも、
✔ 「できた!」を積み重ねる
✔ 「もっとやってみよう!」という気持ちを育てる
この2つを意識して、子どもの学習をサポートしています。地味な方法かもしれませんが、子どもの自信を育て、苦手をなくしていく手助けになれれば幸いです。
繰り返しですが、このやり方は低学年まで。3年生になったらスパッと切り替えます。この「切り替え」もとても大事になるのだと思っています。中学受験なんかでもまた少しやり方が変わりますが、それは今後また書いていきます!