アンパンマンについて考えた。

そのデビューは、1969年。

様々な設定変更やスタイルチェンジを経ながら、もはや現在ではサザエさんやちびまるこちゃんと並ぶ国民的アニメ「それいけ!アンパンマン」。
もはや狂信者とも言えるような熱狂的ファン(1〜4歳前後)に支持され続けている(客層は回転し続けるが)、まさに不朽の名作である。

出演キャラクターの数もギネス認定の世界一、子供向けかと思いきや人類の業や社会のエゴなどの深いテーマがさらっとストーリーに混ざって来る隠れ社会派、そしてその物語の芯の強さや問題意識、そして底辺に流れる優しさは作者のやなせたかしさんのお人柄なのだろうと容易に想像がつく。


本日はそんな僕らのアンパンマンについて一考したことをここに書き残したい。駄文になる事は確定しているが、特にやる事もない方はお付き合い願いたい。


ア「顔が汚れた力が出ない」

バ「新しい顔だ」

ア「元気百倍アンパンチ」

菌「バイバイキーン」

ア「顔を食え」

カ「もぐもぐ」

ア「帰る」


もちろんスピンオフ的なものも多々あるが、基本的にはおおよそこの辺の流れである。

もはや日本人にとっては憲法よりも馴染みのあるルール、それは「アンパンマンの顔はあんぱんで出来ており、汚れると力が出ない」という事である。他にも水濡れや変形など何らかの負荷がかかるとアンパンマンは本来のポテンシャルを発揮出来なくなるのだ。そのポテンシャルの低下をカバーすべく新しい顔が用意されていて、いざという時にはアンパンマン号より投入される。そこで本来の力を取り戻して無事に任務完了となる。

さてここで気になるのは、アンパンマン自体の記憶媒体がどこにあるのか、だ。

頭を取り替えてもそれ以前の記憶が継続されるという事は、おそらく記憶媒体は顔の中にはないという事になる。


バ「新しい顔だ」

ア「(くるくるしゃきん)はっ!?俺は今…何をしているんだ…この目の前の男は…いやそもそも…俺は誰なんだ…?」


となっている回は、少なくとも筆者は見た事がない。

これで記憶媒体は頭ではなく体の中にあるという事がわかった。そこから考えるに「頭はただのあんぱんである」という事実も導き出された。記憶媒体入りのあんぱんではなく、純粋なあんぱんだ。

あ「顔を食え」

か「もぐもぐ」

というやりとりは、純粋にあんぱんを食べさせていたのだ。


さてここで気になるのは、衛生問題である。


新たに投入されたタイミングなら良い。

空を飛んでパトロールしている最中に見つけた山の遭難者などに一旦あんぱんを与える。

だがそのあんぱんはむき出しの状態、危険な菌やウイルスがウロウロしている外気に触れまくったあんぱんを食べさせるのは、体力が弱って抵抗力が下がっている人間には大変危険な行為である。

空をあのスピードで飛べば様々な昆虫もぶつかって潰れ、その際に出て来る体液も付着するだろうし、強風に煽られた砂埃や塵芥もいっぱい付着しているだろう。

更にそこに小雨など降ってきた場合には本人(本パン?)もポテンシャルを奪われるだけではなく、砂埃と体液が雨水で混ざり合ってあんぱんのあちらこちらをコーティングする事となる。

もはやアンパンマンの頭は不衛生そのもの、バイキンマンが来なくともばい菌だらけだし、バイキンマンが意地悪をしなくてもすでに顔が汚れているので力が出ないはずだ。

だとしたら外気をシャットするべくビニール包装などをするべきだろうか。

それは違う。

それではジャムおじさんの製造コストも上がり、従って単価も上がってしまう。

単価が上がると汚れた場合の交換もコスト的な部分で「うーん…どうかな…まだイケるかな…?」などといった迷いも生じやすいのでベストなタイミングでの交換も難しくなって来るだろう。

そして、敵はマジックハンド的なアレで袋を破って水を注ぎ込むぐらいの事は平気でやる、まさに血も涙もない悪魔…もといバイ菌である。

加えてあのサイズのあんぱんをいちいち作ったり保管したり投げたりするというのは人的コストや時間的コストの面でも効率がとても悪い。

なので今後はFRPなどでアンパンマンの顔を作って、固定にするべきである。

もちろんジャムおじさんにその加工能力がなかった場合は外注でもいい。それでも毎回顔を作ったり交換したりするコスト面のリスクを考えたら初期投資はすぐに償却出来るであろう。万が一の場合も考えて予備を作ったとしても、二つあれば当分の間は安心だろう。もちろん、顔が汚れて力が出ないという事のリスクヘッジとしても最善である。

そして空腹やエネルギー切れでピンチの人に食べさせる用のあんぱんは、直径8 cm前後のものを5~6個まとめて袋に入れて口を閉じ、腰に下げて持ち歩いてその都度配るのはどうだろうか。これなら衛生的にも安心だし、製造コストも下げられるし、元来のパン屋の作業内容に含まれているのでジャムに取ってもかなり楽になるであろう。


FRPで作った顔を装着して、あんぱんを袋に入れて腰に下げて持ち歩く。


今後、アンパンマンはこの方向でパトロールして貰う事とする。


アンパンマン初期のただのおじさんだった頃の設定は、実は色んな面で理に適っていたのだなぁと感心しつつ本日はおしまい。

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