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田舎の少年はいかにして沼にハマったか vol.4

【ここまでの記事はこちら】
田舎の少年はいかにして沼にハマったか vol.1
田舎の少年はいかにして沼にハマったか vol.2
田舎の少年はいかにして沼にハマったか vol.3

【前回までのあらすじ】
ガンジス川の川底で運命の出会いを果たした貴志少年と小林克也はともに完璧超人として修行をするべく日本へ帰国する。
そこで出会った酔っぱらいの謎のブラジル人のハーフ「ロベルト本郷」にサッカーを教わる事になる。
様々な技術を教わり究極奥義「ドライブシュート」を体得した瞬間、世界は核の炎に包まれた。
一子相伝のドライブシュートを武器に、世紀末に溢れる腐敗と自由と暴力の真っ只中を駆け抜けていく…。


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父が差し出した新聞広告にはボーイ・ジョージの写真があった。

「ROCK IN JAPAN 1985」

来日公演の広告だ。
メンツは
CULTURE CLUB
STYLE COUNCIL
GO WEST
THE ASSOCIATES

おお!なんと贅沢な!
そのツアーが静岡にもやって来ると!
主催のメガネスーパーさんありがとう!

*ちなみに静岡はTHE ASSOCIATESとCULTURE CLUBだけでした

「行きたいか?」
と聞く父に食い気味に
「行く!行く!絶対行く!」
と伝えたかどうかは定かではないが、母の尽力もあり無事にチケットをゲット。
場所は静岡産業館。真ん中のちょっと後ろぐらいだっただろうか。
家族ぐるみで付き合いがある家の高校生のお姉ちゃんとその友達に連れられて(チケットは父のおごり)見たライブは本当に楽しかった。
帰り道も興奮して鼻息荒く帰宅したのを覚えている。
これが能動的な生演奏体験の初だった。

家に帰ってみるとテレビはずーっと緊急速報。
御巣鷹山に日航機が落ちた日で搭乗者の名前をずっと読み上げている。
この歳の頃の人生で最も楽しかった時間のあとに最も悲しい事件を見て、心の置き場が見つからなかった事を覚えている。

話を戻して。

夏に初のコンサートとLIVE AIDという衝撃的な体験から、聴くアーティストもどんどん増えて行く。

あーいやな小学生。
音楽の話は合わないからそりゃサッカーばっかりやる事になるよ。
ちなみにリフティングが20回ぐらいしか出来なかった小6の俺は一念発起、夏休みに毎日小学校のグラウンドに行って朝から夜までリフティングを練習、夏休みが終わる頃には400回ぐらい出来るようになったなどの事件もあった。やるじゃん小6の俺。

やがて小学校も卒業し、中学に入る。
当然のようにサッカー部に入り、ドラム教室にも相変わらず通う日々。
塾なんて行った事がなかった。
そこで何がきっかけになったのか「THE SQUARE」に出会う。
そんなに多量ではないがクラシックを聴いていたおかげか、インストの曲も全く抵抗なく聴けた。

定番の父の「おい。こんなのがあるぞ。」に導かれて今度は沼津市民文化センターに一人で観に行く。
ちょうどTHE SQUAREからT-SQUAREに改名をしたツアーだった。
T-SQUAREを一人で観てホクホクして帰る中学1年生。
嫌なガキだ。

その後学校の昼食の時間に流れていたフレーズから出会ったのがBARBEE BOYS「C'MON LET'S GO」。
BLACK LISTの一曲目だ。

*公式の映像がなかったので割愛

そこからもちろんBARBEE BOYSのコンプリートを目指す。
この頃には沼津にもCDレンタル屋がたくさん出来ていて、俺は沼津駅北口の「タイムストーン」の常連だった。
ここはここでラインナップに問題ありだったが、それについてはまた後述する。

今思えばBARBEE BOYSのサウンドはUKのNEW WAVEやネオロマの雰囲気を存分に醸し出していたので、他のJ-POPサウンドとは違う何かを感じたらしい。

そこで中2の俺は考えて、父に相談する。

「オレ、ギターやりたいんだけど。」

続く

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