「地方自治のしくみがわかる本」 3章
興味深かったところを抜粋
自治体は区域・住人・自治権の3要素で構成されている
区域とは、従来の区域によるとされている。
従来の区域とは、江戸時代からの古文書などから引き継いだ区域のこと。
(もし、市町村の境界で論争が起こった場合、古文書などに記された痕跡をたどることになる。それが見つからない場合、論拠が乏しいと判断される)
条例とは、地域的な立法のこと。住民に義務を課し、権利を制限する根拠となり、罰則を定めることもできる。
自治体は憲法によって保障された「自治権」として自治行政権と自治立法権を持っている。
江戸時代から引き継いだ区域に住んでいる人たち、住民が住民を代表する。地方政府を通じて国の法律に反しない限り統治している。従って地方自治とは一定の区域に住む人たちがその区域を自ら統治することだと言える。
住民とは
地方自治法では市町村の区域内に住所を有するものが、その市町村の住民であり、それを包括する都道府県の住民であると定めている。
(民法では各人の生活の本拠をその者の住所とすると定められている。この規定が地方自治法の住所の解釈に適用されている)
住所を有する
住民かどうかは居住の事実によって決まるが、実際は住所変更忘れなどあるので、住民基本台帳(3ヶ月更新)に登録されているかどうかが判断基準になる。
・外国籍の住民は住民としての権利が制限されている
・特に日本国籍の住民だけを指す時は日本国民たる住民という
・人間ではないが、法律上は権利・義務を持つことのできる主体を「法人」と呼び、法の上では人(住民)として扱われる
住民は地方自治の主権者として、その自治体の政府に参加する権利(参政権)がある。
住民は地方自治の主権者として、地方自治法、その他の法律によって、地域の政治に参加する権利、自治体から平等にサービスを受ける権利、そしてサービスのために必要な費用を分担する義務がある。
外国籍住民について
外国人は修学義務の対象外。
教育委員会等は就学機会の確保に努力しているが、現在のところ教育を受ける権利を認められていない。
参政権について、「日本国民たる住民」にだけ認められているため、外国籍の住民は参政権が認められていない。しかし、日本人と同じように自治体に税を納めている。地方参政権を認めるべきという議論がある。
感想・気付き
※個人的主観
前回の私の感想で触れていた「地方から人が離れていく点」について。この章の後半で語られていました。私も地元から離れたその1人。気づけば、地元に生まれ育った期間よりも、実家を出てからの期間の方が長くなりました。
年に1-2回地元に帰り、地元を愛する気持ちはあります。いつか実家に帰ろうと考えてはいますが、今のところは都会の生活に満足し、今の生活を重視しているのは事実です。
帰るたび寂れていく地元を見て、悲しい気持ちになり、なんとかならないか…と考えるものの、それは「なんとかして欲しい」と地元民に託してしまっている。本書では、そのような人も地元の地方自治に参加することを推奨されていましたが、すでによそ者に近い身としてはここから「地方自治に参加する」というのはかなりハードルが高く感じます。
このハードルをいかに低くする、もしくは、地方側が入りやすくする施策がキーになってくるのかもしれません。
それは「元住民」に限るのではなく、最近増えたIターンJターンの推進はもちろんのこと、外国人の受け入れももちろん含まれてくると思います。