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なぜ「女性の勇気」なのか?

私のテーマは「女性の勇気」

昭和のまっただ中に東京の下町で生まれた私。
他の女の子と比べて、とても人見知りだった。

誰かが「ゆみちゃん、こんにちは」と言っても、口を堅く閉ざし、目線は下に向けたまま。「誰?」と思うくせに、顔は見ない。面倒くさい。

でも、今考えると分かる。その幼いころの私には勇気があった。

人と接触すること。愛想振りまくこと。やりたくないことが色々あったけど、やりたいことは、迷わずやっていた。

お昼寝の時間に幼稚園から抜け出して帰ったり、妹に留守番させて友達と遊びにいったり、思うとおりにならないとバタバタ暴れたり。

勇気が足りないなんてことはなく、むしろ怖いもの知らずだった。

大学を出て、社会人になった頃も、まだまだ勇気はあったと思う。アメリカ帰りだった20代の頃は、生意気で出しゃばりで自信過剰だったかもしれない。

30代半ば、会社を辞めて独立した時は、自分は良くても、周りに散々言われた。
「何を考えている?」
「失敗したらどうする?」
「今の安心感をなぜ捨てる?」

応援してくれない人は友達じゃない!と振り切って独立したけど、バブル崩壊直後で最初の5年間は苦労した。体を壊すほど。自分の価値を疑う思いを何度もした。

どん底の時は、必ずよみがえってくる。私を応援してくれなかった人たちの声が。
「何を考えている?」
「失敗したらどうする?」
「今の安心感をなぜ捨てる?」

そんな思いを積み重ねると、勇気がだんだん減っていく。

起業して、何とか続けていても、歳を重ねるごとに勇気が減っていく。

だんだん真面目になって、責任感が増して、慎重になっていくからなおさら、勇気が減っていく。

起業して6年目あたりで、娘が生まれた。ママになった私。
母親として娘を守る勇気はあっても、起業家としてチャレンジする勇気がますます減っていく。

今まで以上に、失敗することが怖い。
周りの人に何と言われるかが怖い。

子育てしながらでは、ちゃんと働いている気がしなくて怖い。
仕事を頑張りすぎて、ダメな母に見られるのが怖い。
子供に寂しい思いをさせるのが怖い。
仕事を休んで復帰できなくなるのが怖い。

いつの間にか、怖いものだらけの自分がここにいた。
何とかせねば!と思っても、一歩踏み出すのが怖い。

子育て中、会社は夫が回してくれて、私は事務や経理の裏方役。
表で仕事する力が鈍っていくことを恐れては動き、動いては「やっぱり鈍った」と落ち込んで、ますます勇気を失う。

大人になるにつれて、勇気が減っていく現象は、私だけのものではない。
人間は、歳をとるにつれて、省エネ、安定志向になり、リスクを避けるようになる。

特に女性は、家庭を持つと、安心安全が第一になり、不安やストレスを感じると子供やパートナーに寄り添いたくなるのが本能。そして仕事に出かけることが怖くなる。

しかし、同時に、歳をとるにつれて、社会貢献をしたくなる。
自分が生きた証として、世の中に何かを残したい。人のためになりたい。

だから勇気なのだ。

生まれた時にたっぷりあった恐れ知らずの勇気を取り戻したい。

そう思って「女性の勇気」を研究してきた。

自分のために。
そして私と同じ経験をして、勇気がすり減ってしまった日本の女性たちのために。

男性社会で応援されない思いをした女性。
「あなたには無理でしょう」的なことを尊敬する人から言われた女性。
ちやほやされるけど、能力を評価されなかった女性。
一人で何かにチャレンジすることの孤独さを実感した女性。
男性と同じように仕事をすることに限界を感じた女性。
バリバリ働いて女性らしくないと思われた女性。
専業主婦や子育てママになって仕事ができなかった女性。
仕事をすることに罪悪感を感じた女性。
仕事をしないことに罪悪感を感じた女性。
何をしても、しなくても、自分に物足りなさを感じた女性。

・・・そんな女性たちに勇気を取り戻してほしい。

今は、起業して24年経った私。
勇気とは何か?なぜ失うのか?どうしたら取り戻せるのか?
これがようやくわかって、もう怖いものはない。

驚くほど軽くなった心。

今は、自分の心と対話して、本当にやりたいことをひたすらやる。

この勇気を私と同じ経験をしてきた女性たちに届けたい。

世界の誰よりも直向きで、働き者で、心が広い日本の女性たちに、あふれるほどの勇気があったら?

日本が明るく元気になる。
世界が明るく元気になる。

私には、そんな未来が見えている。

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