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【映画】2024年上半期ベスト3

こんにちは。株式会社myコンサルティング 代表の坂元康宏です。

久しぶりに「映画」について書いていきたいと思います。
昨年は「1年間で映画100本を映画館で観る」ことを目標にして、116本を観賞することができました。

引き続き映画館には通っていますが、今年はまだ37本となっています(2024年8月26日現在)。
今回は「2024年上半期に観た映画の個人的なベスト3」を紹介したいと思います。

基本的には映画を、文化として、芸術として好きなので、あまり優劣をつけたいわけではありません。
ただ、これだけ映画を観ていると『どの映画がおすすめですか?』とよく質問されるので、まとめたいと思いました。

観覧予定作品は以下のようにスケジュール管理しており、数ヶ月先まで埋まっています。

2024年映画観覧リスト

※この記事には映画のネタバレもございます。ご注意ください※

第3位:もしも徳川家康が総理大臣になったら

現在公開中の作品で、武内英樹監督が制作・指揮をとっています。
武内監督は、ドラマで『電車男』『のだめカンタービレ』や、映画で『テルマエ・ロマエ』『翔んで埼玉』など、数々の大ヒット作品を制作されています。

私は武内監督とお会いしたことがあるのですが、とても知的で明るい印象の方でした。

また過去作品のラインナップをみて分かる通り、どの作品も発想が斬新でユニークです。

今回の『もしも徳川家康が総理大臣になったら』は、コロナパンデミックが発生して崩壊した内閣を統治するために、偉人をAIで蘇らせて内閣をつくるというお話です。

発想が本当にユニークです。
基本的に時代劇っぽいのですが、内容は斬新で新しい印象でした。
古いのに新しいという不思議な感覚があります。

主役の徳川家康は、野村萬斎さんが演じています。
キャストも大変豪華で、竹中直人さん、観月ありささん、浜辺美波さん、GACKTさん等が出演され、まさにオールスター級です。

その中でも野村萬斎さんの演者としての素晴らしさが突出していたように思いました。
「野村萬斎」という名は、狂言方和泉流野村万蔵家に名跡で、現在の野村萬斎さんは曽祖父から名を受け継いだ二世となります。
祖父の野村万蔵は、重要無形文化財保持者(人間国宝)でした。

野村萬斎さんの狂言の舞台を観劇したことがありますが、大変感動した記憶があります。
今回の映画でもスピーチが凄いだけでなく「背中で語る」役者という印象でした。

最近観た映画の中では突出して面白かったので、おすすめです。

第2位:フェラーリ

こちらも現在公開中の映画です。
ワインに詳しくなくても「ロマネ・コンティ」を知っているように、車に詳しくなくても「フェラーリ」という名を誰もが知ることに、ブランドとしての凄さがあります。フェラーリは創業から今年で77年目になります。

この映画では、フェラーリの創始者エンツォ・フェラーリを描いています。
感想としては「歴史に残る映画である」と感じました。

エンツォ・フェラーリに実際に会ったわけではないため人となりは分かりませんが、映画の中の彼は、決して聖人君子ではなく、人間性が素晴らしいというように演じられていませんでした。
このような映画では、主人公の人間性やヒーロー感を描くと思いますが、今回は違いました。

「ブランドを確立」するということに焦点を当てており、そこに向けたエンツォ・フェラーリの戦略が素晴らしかったです。

手段を選ばない感じは「狂気」といえるものでした。
その一方で「創始者としての気概や意地」を感じました。

あるときレース継続のための資金繰りに困り、ライバル企業から手を差し伸べられますが、その電話をガチャ切りするシーンが印象的でした。

ブランドとはこうやってできるのか、と感じることのできる映画ですのでおすすめです。

第1位:関心領域 The Zone of Interest

アウシュビッツ収容所の所長ルドルフ・ヘスを主人公とした作品です。
強制収容所と壁ひとつ隔てた建物に暮らす一家を描いています。

ヘス一家のほのぼのとした日常が描かれていますが、隣は強制収容所なので全く別の世界です。
ただ、本作品では直接的な暴力シーンはありません。

このような作品では凄惨なシーン(直接的な暴力)で表現をすることが多いと思いますが、それが一切ないことで、逆に怖さがあります。

あくまで隣の建物から立ち上る黒い煙や音から、アウシュビッツ収容所の存在が近づいてきます。
しかし、ヘス一家は隣の建物の世界には一切関心がありません。

ヘレンケラーの名言にある『無関心とは、最も怖い病気だ』を表していると思いました。

ルドルフ・ヘスやその家族には、自分たちの領域(テリトリー)以外には無関心です。
自分たちの関心があること以外には興味がありません。
それが淡々と描かれています。

ある時、ヘスの妻の親族が同居のために引越してきましたが、突然帰ってしまうシーンが印象的でした。
そこで生まれた子どもたちは、まだアウシュビッツ収容所のことを本当に知らないのかも知れません。
しかし、大人たちは当然分かっています。
ヘス一家の日常の異常さを、とてもよく表しています。

主人公のヘスの「サイコパス度合い」についても、とてもよく表現されていました。
家族との日常では子どもたちとプールで遊んだりもしますが、その隣の建物では、ホロコーストの指示をしているわけです。

パーティーに参加した際には、参加者をまとめて一気に殺戮する方法を考え、妻に電話をしているシーンがありましたが、正直ゾッとしました。
そういう人物だからこそ、自分の家と壁ひとつ隔てたところでホロコーストを行うことができたのだと思います。

「人間の狂気」と「サイコパス」を理解できる映画になっています。

私は映画作品を人に強要することはないですが、この映画は「絶対に観たほうがよい」と言い切れます。

今回の記事は以上です。
その他のテーマについても、随時更新してまいりますので、どうぞよろしくお願いします。

株式会社myコンサルティング
代表取締役 坂元 康宏

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