まだ好きなんだ
好きだった人をまだ好きなんだ。
でも住む世界が違うとわかっている。
現実の世界で私は隣にいる人間じゃないって。
結論はもうずっと前に出ている。
あなたは私から去って行った。
いや、私が先に去りたくなっていた。
でもそれはあなたが嫌いだからではなく、あなたに愛されたいのにそうしてもらえなくて辛かったからなんだ。
私にも今はもう大切な人がいる。
私には私の現実がある。
不満があるわけではない。
ただ、あなたに会って話したいことがたくさんある。
空想の中であの日の頃の私達は楽しくおしゃべりしている。
あなたなら何と言う?
いつもそんな事を思ってしまう。
いつもまだ心の中にあなたが住んでいる。
もうずっとこんななんだ。
恋しく想う人がいなければどんなに楽だろう。
誰かの1番になれない悲しさは恋した人にしかわからない切なさだ。
じゃぁ何で恋なんてあるんだ。
無ければいいのにこんな感情。
もっとずっと時が流れておばあちゃんになったらこの気持ちは無くなるのだろうか。
それともこんな気持ちにさせてくれた相手に感謝したくなるのだろうか。
分からない。
でも音楽や文章が私に深く染み込んでくる。
他の人もこんな胸の痛みに耐えながら息をしている。
ドラマ仕立てにしたくないけど、人生の局面でカメラでも回ってんじゃないかと思う日がある。
私は女優であなたは相手役の俳優。
最後の日のセリフはアドリブなのに台本があるようだった。
私はずっと苗字に君付けで呼んでたあなたの呼称が感情の高ぶりで「あなた」になっていた。
「あなた」は何故が「お前」呼びが「きみ」になっていた。
少しだけお互いが近づいた気がしたのに、永遠の別れがすぐに来てしまった。
後悔や未練は想像以上にある。
でももう会うことも、あの日に戻ることもできない。
せめて「あなた」は幸せになっていてね。
その姿を見てしまうと辛いから、寄りつかないけど。
明日も私は何も無かったように日々を送る。
張り裂けている心の一部をふさぎながら。
埋められない悲しみを抱いて。