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リアルなのか?おとぎ話なのか?だった「団地のふたり」(2024・NHK)

疲れていたりとか、ずっとサスペンスだのでハラハラドキドキしたりすると、たまにはなんかまったりとして、特に事件もなさそうなのが見たくなったりしますよね😆というわけでこのドラマを見てみたら、思わずヘビロテしてしまいました😂

ちょっと(かなり?)くたびれた団地に住んでいる、ノエチこと野枝(小泉今日子さん)と、なっちゃんこと奈津子(小林聡美さん)は、団地の保育園からの幼なじみ。高校からは別になったものの、ずっと友達は続けており……それぞれが30半ばほどで団地に戻ってきてからは、55になる今でも親友として過ごしています。両親と暮らしているノエチと違って、なっちゃんは今は一人暮らしのため、ご飯はなっちゃん家でよく一緒に食べる状態😋
そんな2人が、同じ団地のいろんな住人達と、慌ただしくも楽しく過ごす日々が綴られてゆきます。

ノエチはかつて結婚したものの、今はバツイチ。昔から才女と謳われ、大学院を出て博士号まで取得しましたが……色々あって、今は大学の非常勤講師😔
なっちゃんも同棲はしたけど未婚で、父はもう亡く、母は静岡の親戚の介護に行ったきりのため、結果として一人暮らしに。イラストレーターとしてそこそこ売れた時期もありましたが、今はもっぱら、フリマサイトで周りの物を売っぱらっては(笑)小銭を稼ぐ日々です😅

そんな2人は、55にもなって恋愛にも婚活にも興味がなく、さらには仕事もカツカツですが🥺それを焦るでもなく、ただまったりと過ごしているので……たぶん見ている人の中には「いい歳して、こんな呑気なヤツらいねーよ😮‍💨」と感じる方もいるでしょう😔
が……実は私は、かなりこの2人寄りなので😅正直、ものすご~く共感できました。というか、ちょっと安心できた(笑)あぁ、こんな風にダラダラ過ごすアラフィフいても、まだ良いのかぁって😂←本当に良いのだろうか🤔

個人的には、出てくる団地のおばちゃん達が、ノエチやなっちゃんだけでなく、いろんな相手におせっかいなんだけど😅……その人達のおせっかいに、全然毒がないのがすごく良かった。誰かとくっつけようとかしても、それは本当に単純に、それが相手にとって幸せだと思ってるからみたいな。「いい歳して、いつまでも独り身で恥ずかしくないの~?🤨」とか「親御さんも心配でしょうに😮‍💨」とかっていうの、毒があるでしょう(笑)それがなかったってことです。

面白かったのは、見ていくと最初のうちは、ノエチの方が自由奔放で自分勝手というか、子供っぽいキャラなのかなぁと思うんですよね。ところが中盤を過ぎて、ノエチの視点からなっちゃんとのいさかいを描いた回が出てくると……確かに、なっちゃんもけっこう勝手気ままだなぁと😅
そういう風に見ると、2人が互いのそういう欠点をちゃんと見ながらも、それでも親友として繋がっているというのが、なんかすごく分かりやすかったです。ただ確かに、ノエチのあの怒り方では、なっちゃんには一生伝わらないだろうなぁ(笑)

終盤までは、いい意味でダラダラとしてて、すごく良かったんですが……ドラマとしての起伏と終結のためなのか、団地の建て替えという問題が出てきます。そこからは、けっこうモヤってしまった🥺
ポイントとしては、この団地はノエチ達が生まれる前からあったので、もう築60年ぐらいになるんですよ。だから「老朽化による建て替え」というのが、大命題だったはずなんです。古いせいなのか、各棟5階はあるみたいなのに、エレベーターが無いっていうし💦
で、そういうこともあってか若い人達が入居したりとか居着いたりが少なくて、そこから「もっとモダンになれば、若い人も住んでくれるかも」という展開になったんですね。

実はノエチのお父さん(橋爪功さん)は団地の理事長で、今までにも建て替えを推進していました。今回も、結婚もせず非常勤講師で細々と暮らしているノエチに、改めて新しくて綺麗な不動産を遺してやりたい一心で、建て替えを進めようとしていたんです。
それはなっちゃんのお母さんも同じみたいで、2人ともちゃんと、その親の思いを汲んでいたはずなんですよ🤔

一方では、ノエチのお母さん(丘みつ子さん)は、その話が進んでいた最中に脳梗塞だかで倒れてしまいます😓幸いにも少し麻痺が残っただけで済んだものの、建て替えが始まる前に、独立していたノエチの兄夫婦の家へと移ることに。ノエチの家は団地の3階なので、確かにそのまま住むには移動が大変そうだし……と納得しながらも、いかにもさみしそうなノエチのお母さん🥺それはまぁ、分からないでもないんだけれど……。

そのあたりから、全体がすごくノスタルジックというか感傷的になってしまって、正直私はモヤったなぁ~。
いや、分かるんですよ。そりゃあ、生まれてこの方たいした変化もなく過ごしてきた環境が、一変するとなったら、感傷的にもなるでしょう。
ノエチのお母さんは結局「やっぱり、本格的に建て替えが始まるまでは団地にいたい」ということで、息子夫婦との同居を断ってしまいます。「できたら、このまま団地で死にたい😔」とまで。

ノエチもなっちゃんも、いったんは「団地が建て替えられる」という事実を受け入れながらも……やっぱり、内心ではどこか残念がってる感じが。なっちゃんは建て替えをきっかけにして、静岡のお母さんのところに移住することを決意したので、余計そうなんでしょうけど😔なっちゃんだけでなく、一足先に団地から去ってゆく人達もいたしね😢

でも、結局はどんでん返しがあって、団地の建て替えはまた延期に😅
そうしたら、団地の人達がみんな、歓迎ムードなんですよ。「よかった、またずっとこの団地に住める!」とか「やっぱり、変わらないのが一番だよね」みたいな感じに😓
だけど、さぁ……もともとの問題は、その団地の老朽化だったでしょう?
私がモヤるのは、その結末だと、問題は何も解決してないってことなんですよ🥺
これからまたしばらくの間、今まで通りに過ごせてたって……建物は順調に傷んでゆくんだから、いつかは必ず、また同じ問題が起きるでしょう。その時は、どうすんの?🤨って。

特に、メインのノエチとなっちゃんね。2人も、もちろん手放しで喜んでたけど……。
2人とも、いい歳してほぼ生活費とか入れてなくて(恐らく😔)、そりゃあ親が心配するわけなんですよ。
今だったらその親だって、経済的に新しい不動産を遺してやれる余裕があるかもしれないけど……これから5年10年経った時には、建て替えしても、団地に残れるお金がないかもしれない🥺そういうこと、2人は考えないのかなぁ?って😮‍💨
そこまでの部分で描かれている、いい歳しながらのダラダラぶりは、微笑ましいぐらいなんだけど……その辺になると、さすがにお呑気すぎてどうなんだろうかと思った🤨同じ立場だからこそ、特に。

私だったら、ヘタなノスタルジックより……現実的に、今後の暮らしがより安定する方を選ぶけどなぁ。
2人が団地にこだわる大きな理由として、たぶん、幼い頃に亡くなった、共通の幼なじみ・空ちゃんの存在があるんだけど……思い出の詰まった団地の形が無くなったぐらいで、大事な人との記憶も無くなったりはしないよ。若い時に、母を亡くした立場から言うけど。実際、子どもの頃に母と過ごした家なんて、今はもう無いし。

なんていうのか、ある意味では最初から最後まで「いい歳して、お呑気に暮らす幼なじみの親友2人」というキャラを貫いてはいるのだけれど😅貫きすぎて、最後のところで、リアルっぽいのかおとぎ話っぽいのか、よく分からない話になってしまった🥺
まぁ、それを残念と思うのか、むしろそれが良きと思うのかは、人によって分かれるでしょうね。

別で残念だったのは、単純に私、団地を建て替える場合のあのこまごまとした問題(改めてお金を出さないとなのか、建て替え中に住む場所は自分で探したり家賃を払うのかetc)の答えを知らないので……ドラマの中で、できたらちゃんと答えも教えて欲しかったな😅もしかして、一概には言えないパターンなのかもしれないけど、そこも含めて😔

モヤりながらも、結局ヘビロテしてたので(笑)トータルとしては、けっこう好きな空気ではありました。いつかまた、似たようなドラマ作って欲しいな😌

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