変な家2
🔹変な家2 私の勝手な考察
※ネタバレを含むため、まだ読んでない方は注意が必要です
11の間取り図の資料がおりなすあらゆる布石を、筆者と栗原の推理によって回収していく様は圧巻‼︎
と、言いたいところだが布石が多く、綺麗にすべて回収されるわけでもないため、謎が深まります。細かな描写が図解で表現されているため理解しやすいですが、結論部分についてはカチッとする爽快感がないため、ミステリ小説好きには好まれないかもしれません。形而上的な思考や宗教的な思考が含まれてあるため、井坂幸太郎と言うよりも、村上春樹的な結末だと思います。
まさにメタファー
そこで、私なりの解釈を簡単に
【結末】
最後の描写についてですが、
おばあちゃんであるヤエコさん(聖母)の死の描写は贖罪というタイトルで記載されている通り、自ら階段から転落していると思われます。
問題はミツコちゃんが義足どうしたのか?義足はミツコちゃんが、鍵付きのタンスに隠したが、罪悪感に駆られ大好きなおばあちゃんの元へ戻したが、翌日鍵がかかったタンスの中に義足がしまってあった。
実際は義足を戻しておらず、"夢"だったかもしれない、、、
彼女の口調はあまりにも淡々としているように感じられる、、、
ここで
ミツコちゃん=再生のつどい
メタファーかなと
夢というものは内省的な思考の派生であると仏教的に言われており、再生のつどいの教えである『罪の子は浄化し続けなければならない』、『罪は引き継がれること』という概念がミツコちゃんにはもともと存在しているものとして意味をなしてるのかなと。
宗教こわい。
本編で真実についての描写はないが、ミツコちゃん自体が"再生のつどい"の概念メタファーであり、親の罪は子へ無意識の中で引き継がれることを意味していると私は思います。
ミツコちゃんの存在は"罪"であり、修行を重ねることでしか浄化できない。この"罪"は未来永劫、払拭することはできないということを夢と現実世界の境目を無くすことで暗に意味しているのではないか。
再生の集いでの言葉
「既に自覚なさっていることでしょう。己の抱えたおぞましい罪を。その罪は、あなた方の哀れな声を受け継がれてしまったのです。親の罪によって生まれた子。罪の子。その汚れは、様々な不幸を呼び込み、あなた方を地獄沼へ沈めることでしょう。」
お絹さん、ヤエコさん、母(謎の存在)、ミツコちゃんは代々、どんな罪を受け継ぎ、どうすれば浄化されるのか、人間の心の闇を輪廻の如く描いたであろう結末に深く感銘を受けました。
変な家3がでたら大人なったミツコちゃんが作中に登場してくると面白い展開になりそうですね!
おわり
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