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#098 スウェーデン刺繍(5・6年家庭科)

2022.7.31.
初任の年、もちろん分掌など大したものはなかったのだが、自分の主な役割は2年生の担任」と「6年生の家庭科」だった。

初任のぱっぱらぱーが6年の家庭科なんて担当したらどんなことが起きるかというと…
めっちゃつまらない授業になり、子供からの信頼を得られず、規律が守られず、授業が荒れる。。。結果的に、こんなことがあった↓

◆1学期の成績で文句を言いにきた子がいた(2年の教室前で待ってた)
◆わざと全てを白紙にしてテストを出してきた子がいた
◆一度書いたのに全部消してテストを出してきた子がいた(上の子とは別の子)
◆授業中に教室の後ろの方でキャッチボールのようなことが起きていた

今なら分かる。2時間家庭科で座学は辛い。
実習であれば、調理であれ被服であれやることは明確だ。
それに比べて座学だった場合、何かしらの作業は必要だろう。食品を栄養素で分けるとか、洗濯表示について調べるとか…。
思いつく限りの作業は入れてみたものの、「家庭科ノート」なるものがあり、それを穴埋めしていくような座学はもう負け確定の試合だった。
私が子供でもつまらないわ。。。

その時の6年生、パワーあふれる学年だった。単級だったし、人数も多かった。パワー有り余る子たちを敵に回すと大変なのである。

初回の授業案があった!

家にすごいものが残っていた。初回の授業案である。

一番上には自己紹介のことが。「新入社員に話していると思って自己紹介する」と注意書きをしている。大人として扱おうという考えが…偉いぞ、初任の自分!

しかも右上には5年と6年で学ぶ家庭科の内容の概略も…!偉いぞ、初任の自分!

頑張りは認めるけれども
まずこの資料残ってるのがすごい

荒れ気味授業の中、明らかに子供たちにヒットした単元があった。
それが題名にも書いた「スウェーデン刺繍」である。

教えてくれたのは1年生を担任していた先輩で、その前まで特別支援教室を担任していたとのこと。そこでやった活動だそうだ。

スウェーデン刺繍とは、針を裏まで通さず、表面の布の織り糸をすくっていく刺繍である。これ用の布と針を大量に求めてユザワヤをはしごした。
とても分かりやすい解説ブログ↓

この刺繍のよいところは、作業が簡単でありやりやすい上に、それを繰り返すことで複雑な模様を描くことができるところだと思う。

これまで家庭科の時間にパワーを持て余していた子供たちだったが、すぐにコツを掴み、集中して作業し始めた。そして、素晴らしい作品を作り上げたのだ。

模様の例↓

四角にすくってもキレイだし
創作模様も可愛い
こんな模様にすることも!


授業力ももちろん教員にとって大切なものだが、この時の授業で感じたのは「コンテンツの大切さ」である。

やることの難易度や面白さが子供と合致すると、自然に子供は集中して楽しく取り組むのだ。


興味のある人はぜひ家庭科でやってみてほしい。これでクッションなんぞに仕上げると、ステキなものができること間違いなし!
ちなみの映えるので、5年がやって展覧会とかで出してしまうと、6年の作品を喰ってしまう恐れがあるので注意。
大人がやってももちろん楽しいので、長期休みのお供にもどうぞ!


#教員エッセイ
#授業実践記録
#6年家庭科
#スウェーデン刺繍

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