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こはだ日記 #2 -いのち∞

こんばんにゃ。
猫界の菜々緒こと、こはだです。

うちの飼い主は「そんなの、どこで見つけてくるのよ…」と言いたくなるような、ヘンテコなものが好きみたい。こないだは「仲良くするんだよ〜!」とかなんとか言いながら、オオサンショウウオのやけに大きなぬいぐるみを持って帰ってきたし、メンダコやダイオウイカやリュウグウノツカイやダイオウグソクムシなんかの小物が家じゅうに溢れてるわ。

あまりにヘンテコなものばかり集めるから呆れちゃうけれど、とても大事そうにしているし、そういう姿を見ているとわたしもちょっかい出したくなっちゃうのよね。「あー!やめてーー!!落とさないで!」なんて叫びながら慌てて駆け寄ってくるあの子、間抜けで愉快だし。

数々のヘンテコ品の中でも最近のわたしのお気に入りは、「しんかい6500」とかいう名前の船のミニチュア。なんでも、深い深い海の底まで潜れる船なんですって。あの子ったら、4歳の時にプールで浮き輪から抜け落ちて溺れて以来トラウマで水が怖くなっちゃったらしいのに、海の底だなんてなに寝ぼけたこと言ってんのかしら。ないものねだり、ってやつね。

ところで、ニンゲンの世界では近ごろ「ヤクルト1000」というのが人気らしいけれど、それよりも「しんかい6500」の方がもっと深いところに行けるんでしょうね。わたしにとっては、小さくて可憐な前脚にぴったりな大きさと、適度な重さが最高に心地いい逸品だけど。ちょっとつっついて落としてやれば、「ごとっ」と気持ちのいい音がしてたまらない。

あの子のセンスはよく分からないけれど、ニンゲンはニンゲンなりにいろいろと大変そうだから、こういう「心のよすが」がきっと必要なのよね。わたしはカシコイだけじゃなく、器が大きいのです。今度またニューフェイスがやってきたら、つっついてやろうっと。

え?わたしの「心のよすが」?そんなの決まってるでしょ?あの子のぬくもりよ。毎晩、枕を分けあって眠る時間は、「しんかい6500」を落とした時の「ごとっ」という音の響きとはまた違う心地よさがあるのよね。生命のぬくもりはいつだって尊いのだから、そのことを忘れちゃだめよ。


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