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よし、と小さく

インプットレベルとアウトプットレベルが、別で存在している気がする。同時にレベルが上がることはなくて、インプットが上がれば、次はアウトプット。アウトプットが上がれば、次はインプットと、階段のように上がっていく。

長い間、インプットレベルにアウトプットレベルがついていかなかった。目や脳は成長しているから、自分の作った(アウトプットした)ものがついてこない。良くないことだけはわかる。だけど、それをどうすれば良くなるかはわからない。

この期間がとても辛い。私が手を出さない方が社会のためになるんじゃないかと卑下してしまう。それは、結果がどうであれ。良い結果でも、悪い結果でも、自分で納得するものが作れなかった。

それがここ数日、景色が変わってきた。霧が晴れたように、どうすれば良くなるかわかるようになった。インプットレベルに、アウトプットレベルが追いついたんだ。

この時期が一番楽しい。自信が持てる。調子に乗ってしまうのもこの時期なので、注意しなきゃ、と、いままでならブレーキをかけていた。だけど、これから社内の信頼を取っていきたいと思っていたので、少しブレーキを弱めて、やりたい仕事に手をあげることにした。

あいかわらず、自信はない。すぐに自分を卑下してしまう。誰かに褒められたとしても、真っ直ぐに受け取れない。言葉の裏を考えてしまう。

だけど、せっかくいい時期に入ったので、あまり怯えずに、褒められたら「よし」と小さく言葉に出してみた。いままで曲がって受け取っていた言葉が、まっすぐに入ってくる気がした。

そういえば、父親が「よし」と声に出して小さくガッツポーズをすることを勧めてた。その理由をいまいち理解してなかった。もしかしたら、卑屈な自分ではなく、うまくいった事実だけを受けとれるからだったのかな。

桜が散ってしまう時期だ。いつもの道で葉桜になりかけている様子をみて、散っちゃったね、と娘に言うと、娘は「葉っぱと桜があって、きれいね」と言った。

同じ桜の木を見ていても、感じ方は違う。生きていて起こること全て、いろんな感じ方ができるんだと思う。調子のいい今だけは、調子のいい捉え方をしてもいいかな。



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