インプラント治療費でローンは組めるの?デンタルローンのメリット・デメリットを解説
インプラント治療を検討するとき、まず気になるのが費用面のことではないでしょうか。
自分が受けたい治療がインプラントだった場合、高額が原因で治療を断念するのは残念なこと。
しかし、歯科治療費専用のローンであるデンタルローンが利用できれば、支払いに余裕をもってインプラント治療など、自分が希望する治療が受られます。
今回の記事では、
インプラント治療でローン組む方法
デンタルローンのメリットとデメリット
などを解説します。
また記事の後半では、デンタルローンの審査基準についても紹介しています。
治療費の負担を減らし最適な治療を受ける準備をしていきましょう。
インプラント治療の費用相場はいくら?
インプラント治療を受けるにあたり、まず気になるのが費用面のことでしょう。
インプラント治療は保険がきかない自費治療のため、各歯科医院によって値段が異なります。
それでは、一般的なインプラント治療の費用相場はいくらになるのでしょうか。インプラント治療に関わる費用内訳も含めて解説します。
インプラント治療の平均費用相場は約20万円から40万円
全国のインプラント治療平均費用相場は約20万円から40万円(税抜き)です。
2015年に日本口腔インプラント学会「日本インプラント学会が調査した結果」によると、「インプラント1本にかかった費用で1番多かったのが20万円から30万円。」
次に多かった群が「30万円から40万円」でした。
ただし、上記の費用はあくまでも一般的な治療費(税抜き)になります。患者さんの口の中の状態や、使用する材料によって治療費に差がでることは覚えておきましょう。
インプラント治療費に違いがでる具体的な理由は以下です。
使用するインプラントメーカーの違い
骨を盛る手術が必要な場合など追加治療の有無
被せ物の種類の違い
追加治療や、審美性がより高い被せものを選ぶと費用は高額になる傾向にあります。
引用:口腔インプラント学会
インプラント治療の費用内訳
インプラント治療費は、主に以下6つで構成されています。
手術代とインプラント本体
アバットメント
上部構造
印象
仮歯
サージカルガイド
手術代とインプラント本体
インプラントを骨に埋め込む手術代金と、インプラント本体の値段が該当します。
インプラント本体は歯科医院によって使用しているメーカーが異なるため、費用に差が出ます。
アバットメント
骨に埋め込んだインプラント体と、歯の部分になる被せものを接合する器具です。
コネクターとしての役割をもちます。
上部構造
歯に相当する被せものの部分です。見た目の違いによって値段に差があります。
当たり前ですが、見た目が良いものを選ぶほど値段は高くなります。
印象
インプラント用の型取りです。
型取りをすることで自分の口腔内に適した被せものを入れることができます。
仮歯
インプラント治療中の見た目の維持、かみ合わせの歪みを防ぐために仮歯を装着する場合があります。
サージカルガイド
インプラント手術のときに使うマウスピースのような装置です。
インプラント体を適切な位置に安全に埋め込むための指標として使用します。
上記費用内訳はあくまでも例になります。
症例によって、仮歯やサージカルガイドを使用しないケースもあるため、詳しい内訳は担当の歯科医師にご相談ください。
また、患者の口腔内状況に応じて、骨を盛り足す手術が必要になる場合もあります。その際は別途料金が必要になります。
デンタルローンとは?
デンタルローンとは、歯科治療専用のローン制度のことです。
住宅ローンや車のローン同じように、金融機関が立替払いをし、患者が元本と利息を支払います。
高額な治療費が原因でインプラント治療に踏み出せない人にとって、デンタルローンは支払いのハードルが低くなる支払い方法です。
インプラントでデンタルローンが組めるのかどうか、デンタルローン以外の支払い方法について解説してきます。
インプラントでデンタルローンは組めるの?
結論から言うと、インプラント治療はデンタルローンが組めます。
ただし、歯科医院によってはデンタルローンのローン会社と提携していないところもあります。
その場合は、個人での申し込みが必要になるため、事前に歯科医院に確認しておきましょう。
デンタルローン以外の支払い方法との違い
デンタルローン以外でインプラント治療費を支払う方法には、
クレジットカードのキャッシング
カードローン
クレジットカード分割払い
などがあります。
ただし、支払い方法によって金利や分割回数、審査や資格の有無などが異なるため必ず詳細を確認するようにしましょう。
クレジットカードキャッシングとは、クレジットカードのキャッシング機能を使って現金が借りれるサービスのことであり、カードーローンとはカード会社や金融機関が行なう個人向け融資サービスです。クレジットカードがなくても融資を受けられます。
デンタルローンのメリット・デメリット
高額なインプラント治療費を払うのに便利なデンタルローン。
しかし、便利な半面、審査など条件があるのも事実です。
基本的なメリット・デメリットを知ってデンタルローンを有効活用しましょう。
デンタルローンのメリット
デンタルローンのメリットには以下5つがあげられます。
分割回数が多い
高額治療が受けられる
カードローンより金利が低い
歯科医院で簡単に手続きができる
医療費控除が受けられる
それぞれ詳しく解説します。
分割回数が多い
金融機関によって異なりますが、一般的に分割回数が多いため1回の支払いを無理なく押さえられます。
そのため、支払いに余裕をもって臨むことができるでしょう。
高額治療が受けられる
例えばインプラント治療だと平均相場が20万円から30万円(税抜き)かかります。
一括支払いが厳しい場合でも、デンタルローンを利用すれば自分にとってより最適な治療を受けることができます。
カードローンより金利が低い
例えばカードローンだと上限金利10%前後が相場です。しかし、金利2%台でデンタルローンを取り扱っている金融機関もあります。
総返済額にかかわることなので、金利が低いのはメリットです。
歯科医院でかんたんに手続きができる
デンタルローン会社と提携している歯科医院であれば、窓口で簡単に手続きができます。
もし、通院している歯科医院がデンタルローン会社と提携していない場合でも、個人でデンタルローンを申し込むことができるので安心してください。
医療費控除が受けられる
デンタルローンの場合でも、元金部分は医療費控除が受けられます。
ただし、利息部分については対象外なので注意が必要です。
また、医療費控除を申請する場合、確定申告が必要になります。
そのため、詳しい内容は国税庁または、最寄りの税務署に確認してみてください。
デンタルローンのデメリット
デンタルローンのデメリットは以下2つがあげられます。
審査がある
利息の支払いが必要
対処法も含めて、デメリットについて詳しく解説します。
審査がある
デンタルローンには審査があります。申し込みをした後、ローン会社の審査に通過しなければお金を借りれません。
申し込み対象者として、多くのローン会社が安定した収入がある人を条件としています。
そのため、専業主婦や年金受給者などの無職の人はデンタルローンを利用できない可能性が高いです。
もし、審査に落ちた場合や申し込み対象者でない場合、クレジットカードのキャッシングやカードローンを検討することも必要になるでしょう。
利息の支払いが必要
デンタルローンの場合、元本のほかに利息を支払う必要があります。
そのため、一括で支払う金額より多く支払わなければなりません。
利息の支払い金額を最小限に抑える解決策として、
借入期間をなるべく短くする
毎月の返済額を増やす
繰り上げ返済が可能なら利用する
など、総返済額をなるべく抑える工夫が必要になります。
デンタルローンの審査について
デンタルローンの審査には所定の書類が必要になり、ある程度の時間を要します。
また、審査に通りにくい人の特徴もあるため、それぞれ詳しく解説します。
必要な書類
本人確認書類
使用用途が確認できる書類
収入確認書類
使用用途確認書類とは、治療費見積書や領収書のことを指します。
また、収入確認書類とは源泉徴収票や所得証明書などです。
ただし、金融機関によっては本人確認書類のみ申し込めるところもあるため、確認が必要です。
審査基準とその期間
くわしい審査基準や審査期間は金融機関によって異なります。
詳しい条件は各金融機関をご確認ください。
審査基準
細かい審査基準は金融機関によって異なりますが、共通点は下記2点になります。
未成年でない
安定した収入がある
金融機関によって、借入できる上限年齢が決まっていたり、最低年収条件が明記されているところもあります。
他のローンより金利が低いため、支払い能力が重要視されており、審査基準がやや厳しく設定されています。
審査期間
例えば、アプラス新生銀行グループ「アプラスデンタルローン」場合、「WEBによるお申込完了から、原則24時間以内の回答」と明記されています。
ただし、場合によっては本審査が必要になる金融機関もあるため1週間程度はかかることもあるでしょう。
引用:アプラス新生銀行グループ
審査に通りにくい人とは?
未成年
年金受給者、学生、専業主婦などの無職の人
パートやアルバイト、非正規雇用の人
過去に滞納したことがある人
それぞれ詳しく解説します。
未成年
ローンを組む場合、どの金融機関も成人年齢以上が必須条件です。
そのため、ローン審査は確実に落ちるでしょう。
未成年の場合は保護者の名義でデンタルローンを使用することが可能であるため、親子会議が必要です。
年金受給者、学生、専業主婦などの無職の人
未成年と同じく申し込み条件で利用不可と記載ある場合が多い対象者です。
くわしくは、自分が利用するデンタルローンの規約を確認してみてください。
パートやアルバイト、非正規雇用の人
安定収入や年収制限が条件にある場合が多いので、審査に通りくい可能性があります。
ただし、最低年収制限がない金融機関もあります。
過去に滞納したことがある人
俗にゆうブラックリストに入っている人です。
クレジットカードや家賃など滞納の過去がある人は厳しいでしょう。
お金の借入は信用問題であるため、一度でも滞納の過去がある人は審査に通らない可能性が高いと思われます。
デンタルローンの主な手続きの流れ
デンタルローンの手続きの流れは以下になります。
ただし、ローン会社によって多少異なるので、利用するローン会社の利用規約を確認するようにしてください。
歯科医院受診
インプラント治療など、自分が受ける自費治療の詳しい説明を歯科医師から受け、治療方針を決めます。
ローン会社に申し込む
歯科医院がローン会社と提携している場合は、スタッフにデンタルローン契約したい旨を伝えます。
個人で行なう場合、デンタルローンサービスのある金融機関の公式HPなどから手続きをすすめましょう。
そして受ける治療内容に沿って、利用金額や返済回数などを決めて申し込みを行ないます。
ローン会社による審査
利用規約や申し込み状況にもとづき、ローン会社が審査を行ないます。
審査にかかる時間はローン会社によりますが、webからの手続きだと24時間以内に審査結果がわかることもあるようです。
審査結果の連絡
審査結果の連絡は、申し込み時に入力した連絡先に通知がきます。
また、審査結果は治療をする歯科医院にも連絡がいきます。
口座振替や契約書類などの手続き
審査に通過すると、契約書類などがローン会社から送られてきます。
契約書類がローン会社に到着しだい、本手続きが完了になります。
歯科治療開始
デンタルローンの審査に通過したら、計画していた歯科治療が開始になります。歯科医師と相談し治療開始日を決定しましょう。
支払い開始
月々の支払いに利用する口座振替の手続きが完了次第、指定の口座から支払い金額が引き落とされます。
デンタルローンのよくある質問
患者さまからよくお問合せがある、デンタルローンに関するよくある質問をまとめます。
参考にしてみてください。
デンタルローンの支払い回数は?
ローン会社によって異なります。
例えば主なデンタルローン会社を例に出すと、以下の分割回数が最大です。
イオン銀行「多目的型ローンデンタルローン」によると最大96回分割払い
スルガ銀行「デンタルローンプラス」によると最大120回分割払い
デンタルローンはだれでも組めるの?
ローン会社によって利用規約が異なります。
ただし、未成年はどのローン会社も組むことはできません。
また、安定収入がない人や、過去にクレジットカードや家賃の滞納歴がある人は、事前審査で落ちる可能性が高いです。
まとめ
今回は、デンタルローンを利用してインプラント治療をする方法について解説してきました。
インプラント治療は自費治療であるため、費用が高額になりがちです。
しかし、デンタルローンのメリットやデメリットを把握し、審査に通れば支払いに余裕をもって治療を受けることが可能になります。
上手にデンタルローンを活用し、よりよい治療を受けられるよう検討してみましょう。
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