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BOOK:神の詩 バガヴァッド・ギーター

田中嫺玉さん翻訳の「神の詩 バガヴァッド・ギーター」。TAO LAB BOOKS。
インドの叙事詩「マハーバーラタ」において、最終決戦を目前にして身内同士での戦いに意味を見いだせずに戦意喪失した戦士アルジュナに対し、神の化身であるクリシュナが語る内容が「バガヴァッド・ギーター」です。インド古典の中で最も有名な聖典だそうです。

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クリシュナがアルジュナに対して何を語ったかというと、結局「戦え」ってことなんですよね。身分に応じて神から与えられた役割があり、その役割を果たすことが(戦士なら戦うことが)神の御心にかなうことなんだよ、みたいな。あと、万物は神と一つなんだから、死ぬと言ってもそれは物質的世界での出来事なだけで、その後は神である私と一つになれるんだよ、みたいな。この理論、人を戦いに赴かせるには都合が良いので、ちょっと怖いな〜という気もします。

もともと世界の叙事詩に興味があり、その一環で「マハーバーラタ」に出会い、そこから「バガヴァッド・ギーター」に辿り着きました。そもそもなぜ叙事詩に興味を持ったのかというと、「叙事詩は世界的な教養だ」ということを何処かの記事で知り(この辺うろ覚えです)、なるほど、世界各国の叙事詩を知っていたら一目置かれるんじゃね?的な、わりと浅はかな考えで興味を持ったのが始まりです。

インドの叙事詩に関しては、「マハーバーラタ」と「ラーマーヤナ」を読みました。前者は王族同士の戦いを描き、後者は王族と羅刹の戦いを描いたものになります。個人的には、前者の方が人間の業みたいなものが描かれていて、どちらかというと好きだなと思いました。そもそもはじめの頃に出てくる王が、いろんな女と関わらなければ、その子供たちが王位継承のために争うようなこともなかったんじゃないの、とか思ったり。

興味を持たれた方は、手に取ってみてください。


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