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図解 犬神家の一族 その2:犬神佐兵衛の遺言状
前回は、犬神家の騒動を引き起こした張本人である犬神佐兵衛の過去や、犬神家の人々の関係性について図解しました。
今回は、事件の発端となる犬神佐兵衛の遺言状について、その内容を整理・図解したいと思います。この遺言状がとてもよくできていて、物語の面白さに直結しているので、ぜひチェックしてみてください!
犬神佐兵衛の驚くべき遺言状 Part 1
驚くべきポイントは、「珠世の選択によって、犬神家の誰が遺産を相続できるかが決まる」というところです。一族にとっては部外者の珠世がキーマンになってしまっているのです。これが「珠世有利ルート」です。
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なんらかの形で珠世が相続権を失っても、次に有利になるのは青沼静馬です。
佐兵衛の3人の孫の取り分が1/5なのに対して、静馬の取り分は2/5あります。
これが「静馬有利ルート」です。
犬神佐兵衛の驚くべき遺言状 Part 2
さらに佐兵衛さんは、犬神家の一族にとって鬼のような条件をつけてきます。
「静馬有利ルート」において、もし3人の孫の誰かが死亡した場合、死亡した人の取り分がそのまま静馬の元へ転がり込むようになっているのです。
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「静馬有利ルート」において、静馬が帰ってこないパターンでは、静馬の取り分が3人の孫の元へ入ってくることはないのに、3人の孫の誰かが死亡した場合は、その人の取り分が静馬の元へ入ってくる仕組みになっています。
犬神佐兵衛の驚くべき遺言状 Part 3
さて、ここで遺言状のポイントを整理しておきましょう。
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佐兵衛さんは、恩人の孫である珠世と、愛人の息子である静馬が有利になる遺言状を残していたわけですね。身内に対しては、鬼のような塩対応です。
ここで意識しておきたいのは、事前に遺言状を盗み見た何者かは、珠世の命を狙うことで「珠世有利ルート」を消そうとしているという点。珠世が佐清、佐武、佐智のうち誰を選ぶかなどわからず、選ばれない確率の方が高いので、リスクの大きい「珠世有利ルート」は消しておきたかったのでしょう。
今回はここまで。犬神家の物語で中核となる遺言状について、図解してみました。この後物語は、惨劇の火蓋が切って落とされます。出来事を、順を追って整理してみたいと思いますので、お楽しみに!
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