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2020年11月8日 08:31
奥山真司さんの「サクッとわかるビジネス教養 地政学」。新星出版社。世界情勢を知る手段として、日々流れる様々なニュースを見る方法もありますが、まずは地政学を知る、というのも良い方法ではないかと思います。なぜかというと、昔と変わらず現代も、各国は世界の覇権をいかに握るかを考えて動いているわけで、その際に必ず直面するのが地理的な制約になります。その制約を打破するために各国は動いているので、地政学を知っ
2020年9月12日 07:59
ギヨーム・デュプラさんの「地球のかたちを哲学する」。西村書店。古代から現代まで、世界各地の人々が「自分たちが暮らす世界をどう認識していたか」をイラストで紹介してくれている面白い本です。仕掛け絵本のようになっていて大人も子供も楽しめます。表紙をご覧いただくと、コマのようになっていたり、亀の上に陸地が乗っていたり、半球のカプセルで覆われていたり…世界各地の人々が独自の世界観を持っていたことに気づ
2020年9月11日 08:04
デイヴィッド・コーディングリの「図説 海賊大全」。東洋書林。海賊は古代から存在しますが、海賊と聞いて最初に頭に浮かぶのは、映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」に代表されるカリブの海賊でしょうか。海賊って、アウトローが勝手気ままに略奪を働いているイメージしか持っていなかったのですが、カリブの海賊だけでも大きく3種類に分類されるそうですね。3種類それぞれ、成り立ちや背景が違うようです。■プ
2020年9月10日 07:30
アリス・ロバーツさんの「人類の進化大図鑑」。河出書房出版社。現代において人類といえばホモ・サピエンスしか存在していません。肌の色や目の色など違っていても、みんなホモ・サピエンスという同一種族です。でも、古代にはホモ・サピエンスとは異なる「別の人類」が複数存在していたわけで、それってとっても不思議で興味深いことだと感じます。この本は、いつの時代にどんな「別の人類」がいて、その姿がどうだったの
2020年9月8日 08:16
絵画の中でも、写実的なものに惹かれます。まるでそこに本物があるかのような絵画がコレクションされているのが、ホキ美術館です。過去に訪れたどの美術館よりも、1つ1つの作品に見入ってしまいました。どうやって描いているんだろう、どうしてこんなふうに描けるんだろう…そんなことを思いながら素晴らしい作品を鑑賞し、帰りに迷うことなく作品集を買いました。話が横道に逸れますが、ここからは、絵を見ることについて
2020年9月7日 08:34
木下是雄さんの「理科系の作文技術」。中公新書。篠田義明さんの「書き方の技術 “文章が苦手”な人のための実践マニュアル」。ごま書房。今回は、文章作成に関するおすすめ本を2冊同時にご紹介します。はじめに「理科系の作文技術」から。マニュアル作成の仕事に従事した時、上長に「10回は読み込め」と言われた本です。日本の学校教育では(少なくとも僕が学生だった頃は)「わかりやすい文章を書く」訓練をすること
2020年9月6日 09:33
YouTuber WWUK(ウォーク)さんと、呉善花(オソンファ)さんの「「新日韓国人」ですが、何か?」。悟空出版。お二人とも韓国出身で、ウォークさんは日本国籍を取得する帰化申請中、呉善花さんは1988年に帰化されています。この本は、韓国人&元韓国人の目から見た、日本と韓国の価値観の違いについての対談集です。ウォークさんは、中学2年生まで韓国で過ごし、その後オーストラリアに留学した後で日
2020年9月4日 08:27
綾辻行人さんの「十角館の殺人」。講談社文庫。先日ご紹介した島田荘司さんの「占星術殺人事件」については、「天才的な鳥肌もののトリックでド肝を抜かれる」と書きましたが、この作品は「最後の最後で、えっ…えぇ!?と自分を疑いたくなる」推理小説です。夏の合宿みたいな感じで集まった(すみません、この辺り記憶はあやふやです)推理小説好きサークルのメンバーが、この十角館で犯人の魔の手にかかってしまう…という
2020年9月3日 08:09
島田荘司さんの「占星術殺人事件」。講談社文庫。この推理小説のトリックほど、読者のド肝を抜くものはないと思います。天才的なトリックで鳥肌が立ちます。わりとド胆を抜きやすいトリックとして「叙述トリック」というものがありますが、この物語はそれではなく、純然たる真正面の(?)トリックです。この推理小説を、もっと早くに読んでいたら、本当に、心底ド肝を抜かれていたと思います。…というのも、僕が中学生
2020年8月31日 08:04
麗澤大学国際学部准教授であるジェイソン・モーガンさんの「歴史バカの壁」。育鵬社。日本人って、「日本が戦争に負けたのは、日本が近隣諸国を支配しようとして悪いことをしたからだ」って思っている人が多そうですが、それは占領軍の政策が「日本人が罪の意識を感じるように」設計されたもので、徹底的に叩き込まれたからだそうですね。War Guilt Information Programというやつです。なので、
2020年8月21日 08:25
くさばよしみ編「世界でいちばん貧しい大統領からきみへ」。汐文社。南米ウルグアイの第40第大統領を務めたホセ・ムヒカさんが、2012年に開催された「国連持続可能な開発会議」でのスピーチを書籍化したものです。細かい内容は覚えていませんが、人間の欲望は際限が無いものだから、自分の気持ちと向き合い、欲望に振り回されずに生きることを伝えてらっしゃったように思います。何でもかんでも自分の思い通りにいかな
2020年8月16日 10:49
長田弘さんの詩集「世界はうつくしいと」。みすず書房。長田さんの文章は、静かな佇まいがあり、上質で、心地良いと感じます。詩人の方って、ものごとをとらえる感性も、それを表現する言葉も、普段から研ぎ澄まされているからこそ、文章が上質なのだと思います。詩集は、感性と視点の宝庫だと思います。一編の短い詩の中で、新たな気づきと考えるきっかけを与えてくれます。これはもう、読まない手はありません。この
2020年8月15日 10:16
串田孫一さんの「四季の無言歌」。恒文社。このエッセイは、自然の風景が目の前に立ち現れるかのようで、その風景が静かで、美しくて、心がスーッと洗われるような清々しい気持ちになります。日常生活の中で人と関わりあう環境に身を置いていると、どうしても煩わしいことから無縁ではいられません。でもこの本を開くことで、静かで美しい自然の風景の中に、少しの間だけでも入り込むことができます。心安らかで、心地良い時
2020年8月14日 08:16
ギッシングの「ヘンリー・ライクロフトの私記」。光文社古典新訳文庫。あまり有名ではないと思います。が、これほど読んでいて心地良い情景を感じる小説は他にあまりないと思います。「あっと驚くストーリー」が用意されているのではありません。むしろストーリーはなく、主人公が日々の出来事や考えを綴った私記を覗き見るような形の小説なのですが、描かれている自然の美しい情景や、世俗の煩わしさから距離を置いた主人公の心