大学英語への誘い① "英語は8文型"
英語は8文型?
前回の投稿で英語の文型(5文型)を扱いました。
高校の範囲ではそれで良いのですが今回は大学英語(英語学)へと応用したいと思います。英語学では8文型に分けられることが多いです。
文の構成要素などについては前回の記事を参照してください。
新しいメンバー
第8文型を扱うために新しいメンバーを追加します。
付加部(A; Adjunct)です。これは通常では修飾語(M; Modifier)と同じものとして扱われますが、今回は便宜上少し定義を変えます。
修飾語(M):文の構成要素には要らないもの
付加部(A):副詞的な要素だが文の構成要素になるもの
これだけだとよく分からないと思うので具体例で理解を深めましょう。
8文型
前回の5文型に3つ追加され次のようになります。
第1文型:S V
第2文型:S V A
第3文型:S V C
第4文型:S V C A
第5文型:S V O
第6文型:S V O A
第7文型:S V O O
第8文型:S V O C
前回扱っているもの以外(第2文型/第4文型/第6文型)を例とともに扱っていきます。
第2文型: S V A
第二文型はSVにA(太字)が必要なものです。
I live in Tokyo. 「私は東京に住んでいます」
He shot at the rabbit. 「かれはそのうさぎに向けて撃った」
I belong to the team. 「私はそのチームに所属している」
第一文型ではM(前置詞, 副詞, 副詞的修飾語)が任意ですが第2文型の場合には必要(A)です。
簡単にいうとこれらAがないと非文法的な文となってしまいます。
(*は非文法的であることを示します)
* I live.
* He shot.
* I belong.
これらの文章では副詞の必須要素(住む場所や撃った目標、所属先)が抜けているため非文法的となってしまいます。
第4文型: S V C A
第4文型ではSVCにAが必要なものです。この大部分は形容詞の熟語です。
I am aware of the problem. 「私はその問題に気づいている」
I am afraid of the dog. 「私はその犬が怖い」
I am interested in it. 「私はそれに興味がある」
先ほどと同じようにA(太字)が必要です。
これらは熟語帳にセットで載っていますね。(be aware of~/ be afraid of~/ be interested in~)
そのためこれらがない次の文章は非文法的です。
*I am aware.
*I am afraid.
*I am interested.
主要要素(気づかれる対象/ 怖い対象/ 興味の対象)が抜けていて日本語でも意味が伝わりませんね。
第6文型: S V O A
SVOにAがついたものです。例文で確認してみましょう。
I put the box on the table. 「私はその箱をテーブルの上に置いた」
John sent a present to Mary. 「ジョンはプレゼントをメアリーに送った」
今回も同じくA(太字)が必要です。
ない文は非文法的です。
*I put the box.
*John sent a present.
必須要素(置いた場所/ 送った人)がなく日本語でも情報の足りない文章となります。
まとめ
高校の5文型では無視されてきた必要な副詞的な要素(A)が8文型ではうまくカバーされています。もう一度補足しておきますが、付加部(A)は修飾語(M)と同義で使われることが多いですが今回はわかりやすさのために少し定義を変え
修飾語:文の構成要素にならず必要ないもの
付加部:修飾語にているが構成要素として必要なもの
としました。
高校までの英語教育で8文型は扱われることはありませんがこれは決して理にかなっていないわけではありません。英語教育での文法は学習英文法と言われ学習者の利益のために作られており、英語学では純粋な言語文法の記述を目指すため、目標が全く異なるのです。英語学習者のことを考えると今回扱われるAはMとしてまとめられた方がスッキリするでしょう。
今回は上級者のための記事ですがいかがだったでしょうか。
一歩進んだ英文法をこれからも発信していきます。
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