ヴィンテージ家具、ファッション、骨董―それぞれのフィールドでオリジナリティを確立する。
対談
Gallery Cilulu 徳島佑 × LAPIN ART 坂本大
「わたしの部屋」モデルルームに設置した象徴的なダイニングテーブルとチェアはヴィンテージ家具でピエール・ジャンヌレデザインのオリジナルです。
ピエール・ジャンヌレ作品を中心としたヴィンテージ家具のギャラリー「Gallery Cilulu」オーナー徳島佑さんに、「わたしの部屋」のディレクションを担当するLAPIN ART坂本大さんがお話を伺いました。
2回に分けた掲載の今回は2回目で徳島さんのキャリアと、そこから話が広がり、それぞれの自身の仕事へのアプローチについてなどです。
1回目はこちらです。
動画前半
1.Gallery Ciluluオーナー 徳島佑氏
2.ヴィンテージ家具のギャラリーをはじめたきっかけ
3.趣味の現代の器を通して感じる「価値と値段」
動画後半
4.洋服のヴィンテージショップのキュレーション
5.オリジナリティの確立
以下にて文字起こしをしておりますので、お好みでお読み下さい。
Gallery Ciluluオーナー 徳島佑氏
坂本:もともとはファッション業界のひとなんですよね。実はすごく有名な方なんですよ。あまり表に出てこられませんが。今回、なぜか、この動画に出て頂いて恐縮なのですが。
徳島:洋服のデザイナーを4年ほどやって、古着屋に半年ほど勤めて、そこからすぐに独立して10年ほど、高円寺で2軒古着屋をやっております。
坂本:買い付けはヨーロッパが多いのですか?
徳島:年、4回か5回、車でヨーロッパをまわって、気に入ったものを買って、みんなに売りつけるという・・
坂本:みんな同じですからね、笑
徳島:どやって、笑
坂本:今日着てらっしゃる、ファッションチェックというか、この上のまきまきは・・
徳島:これはもらいものなんですけど、エルメルのカレという有名なやつなんです。
坂本:昔のものですか?
徳島:どれくらい古いのかわからないんですけど、ディーラーさんからあげるわよと・・そのまま7,8年使っていて、
坂本:色味が合っていて・・オレンジのカーディガンと・・ベージュのシャツと。重ね着がはやっているのですか?
徳島:僕が重ねるのが好きで・・とにかく重ねて、重ねて、重ねて、首回りの表情を作るのが好きで、
坂本:おしゃれな人は言うことが違いますね・・パンツは?
徳島:パンツは友達に作ってもらったやつですね。昔の古い生地を使って、自分の好きな形に作ってもらいました。
ヴィンテージ家具のギャラリーをはじめたきっかけ
坂本:もともとファッションから来られて、買い付けの時にヴィンテージの家具にも目が行くようになっていったという感じですかね?
徳島:そうですね。蚤の市とか回っていると、家具もあったり、ランプもあったり、こういった器もいっぱいあって、やっぱり目がいっちゃうんですよね。買い付けが朝イチで終わって、余った時間に、あれもいいな、これもいいなって見ていて、最初はこういう器から見て行って、集めていくと家具も欲しくなっていって、で、どんどん沼にはまっていくんですよね。
趣味の現代の器を通して感じる「価値と値段」
坂本:そして、今はまっていることはありますか?
徳島:植物とあと、日本の器の現代作家さんですかね。坂本さんも取り扱われている、山田隆太郎さんという・・日本の現代作家さんの作品が死ぬほど好きで、去年だけで20個以上買いました。
坂本:なんでそんなに好きなのですか?
徳島:それこそ、村上隆さんのカイカイキキというギャラリーで隆太郎さんの展示をやるということで、その前も見ていたのですが少し行きづらいなと思っていて、開かれたスペースでめちゃくちゃ大量に持ってくるというので、これは行かなきゃと思って行ったら、もう、物量もあるし、それにまだ安いんですよね。こんなかっこいいのがこんなに安く手に入るんだというのにびっくりしちゃって
坂本:現代陶芸というのは、何をもって安いと言って、何をもって高いというのか・・わからないですけど、昔に比べるとだいぶお手頃な価格ではないのかなというのはありますね。
徳島:かっこよさに対して値段が意外と比例しないというか・・有名だから値段が高くなったりすると思うのですが、例えば魯山人とかだったら、ひとつ40万、50万で、高いと一千万いっちゃう、平均でも400万、500万とか、そういった同じようなカッコよさのものが3000円とか8000円で買えるという、、もう舞い上がっちゃって、その場で10個くらい買っちゃうという。あと、作品数も展示会も多いですし、2、3個づつちょろちょろ買っていくと、たまってたまってという。
坂本:そういう点でいうとこのジャンヌレの価格帯について思うところはありますか?
徳島:単純に高いですよね。ただ、もうここまでいろんな家具を見ましたが、これ以上かっこいい家具は存在しない。正当な評価なのではないかなと思います。
坂本:イタリア製の新品のソファとか軽く100万円を超えるじゃないですか。僕はこの価格は、歴史の要素も含めて当然の価格なのかなって思っちゃう。
洋服のヴィンテージショップのキュレーション
坂本:徳島さんはヴィンテージの洋服の買い付けと家具がメインですか?
徳島:そうですね。あとは、デザインの立案など何でもやります。カメラも得意です。裏方仕事は好きで。
坂本:高円寺に2店舗構えられるってすごいですね。最初から2店舗だったのですか?
徳島:最初は1店舗で、やっていくうちに何か新しいことができそうな気配があったので、ミリタリー専門のお店を始めました。軍服じゃなくて、ファッションとしてのミリタリーというのをやってる店がなかったので、それをキュレーションしてみようと思いました。骨董の考え方ですよね。それこそ、古道具坂田さんや宮脇モダンさん、村上隆さんとかがやっていることをそのままファッションの方に引っ張ってきて、面白い視点で切り抜いたらどうかなと思ってやってみてやってみたらいい評価を得られたというか、という感じですね。
坂本:逆もしかりで、僕もファッション系の映画をアプローチの仕方というか考え方とかを参考にしていてそれを活かすのが骨董という・・結構相通ずるものもあるがあるなと思いました。
オリジナリティの確立
徳島:僕もファッションで参考にしている人はいなくて、それこそ、骨董とか現代アートの方からパクらせてもらっています。ものの見方がぜんぜん違うというか、ああこれはずるいわと言うのがあります。坂田さん(古道具坂田 坂田和實さん)なんて、めちゃくちゃ面白い見方を何十年も前からされているので、それを、ファッションの中でやりたいなという。
坂本:そういう風なものの見方するのですね。僕も先日、「マルタンマルジェラが語るマルタンマルジェラ」という映画を見た次の日に取材があったので、引用して話そうとしたら失敗しちゃったんですけれども・・笑
徳島:マルジェラもやり方としては骨董や現代アートから引っ張ってきていましたね。全般的に、それこそマルセルデュシャンじゃないですけど、既成のものをブランドで出して、これでよくない?ってやっていたりする。
坂本:僕も同じジャンルの中でその人と同じようにしてもその人以上には行けないと思うんですよね。だから、全然違うところからソースを持ってきて自分の中で組み替えてアウトプットするという作業が必要なのかなと思いますね。そんな中で先を走られている徳島さんですが・・
徳島:Instagramなどでおしゃれな人はたくさんいるので、わかりやすくかっこいい暮らしについてそれなりの発信できるのですが、やっぱり本当の自分から出てきたやつではないので、見る人が見ると、ペラペラというか・・
坂本:そうですね。ここパクったなって。
徳島:透けて見えちゃうというか、あそこで紹介していたやつだなとか、そうなるとやっぱり面白くないなと思います。粗削りでも面白いことやろうとしている人は、勢いが伝わってきます。自分の中での組み立てがあって、どんどんやっていこうという気概みたいなのがあるのが好きですね。
おわり
徳島佑 Gallery Ciluluオーナー
大手アパレルでデザイナーを勤めた後高円寺にヴィンテージショップ2店舗、西荻窪にヴィンテージファニチャーを取扱うギャラリーを経営。
※ 家具・調度品は物件価格に含まれておりません。
文 関電不動産開発 中平
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