内装仕上げの選び方。ひと手間以上の「価値のある時間をその部屋で過ごす」ことを選択する。
家づくりにおいて内装仕上げを選ぶ際気を付けるポイントは、コスト・性能・デザインのバランスでしょうか。コストと性能は重要ですしわかりやすいです。加えて、デザインについて、単体としてキャッチーなだけでなく、これから作り上げる部屋の中でどのような時間を過ごしたいかという視点に立って検討し、コストと性能について理解した上でデメリットも含めて選択するというアプローチもあると思います。
今回は特徴的なパーツである壁と床について「わたしの部屋」でのアプローチをご紹介させて頂くことにします。
汚れやすい欠点も、敢えて選ぶ塗装の壁
「わたしの部屋」について居室の壁は塗装仕上げ(AEP塗装)です。
自分の目やカメラで撮影することを前提に、ひとを招きリアルで、写真を撮りSNSやオンラインで、ひととつながりプレゼンテーションする。その楽しみやスキルアップの喜びに価値を見出す部屋を目指しました。
壁は背景としてなるべく凹凸のないフラットであることと光を吸収し反射しないことを条件として検討しました。
ビニルクロス仕上げよりも割高で、性能面でも汚れやすいというデメリットがありますが塗装仕上げを選びました。塗装仕上げの中では自然素材の漆喰という選択肢もありましたが、コストにも配慮し艶を抑えたAEP塗装を選択しました。
トイレ・洗面室・収納は性能を優先しビニルクロス仕上げを選びました。
実際に塗装の壁の汚れをとってみる
塗装の壁の軽い汚れは消しゴムを使用するかスポンジ等に水をふくませてたたくようにすると汚れが落ちやすくなります。汚れがひどい場合は中性洗剤などを薄めたものを使用してください。
何気に塗装の壁を汚すのは不意に擦れたカバンだったりします。実物と同様にプラスターボードの上にAEP塗装したミニチュアの壁を用意してカバンが擦れた想定で汚れをつけ、消しゴムで消してみました。汚れは目立たなくなりましたが完璧に消すことはできませんでした。
自然の風合の挽板フローリング
居室の床について理想はカーペット仕上げです。
やはり撮影することを前提に、光を吸収し反射を抑えてくれ、加えて木のテーブルの上に器や料理をセッティングした時その背景が単色であると被写体が引き立つからです。
しかし、今回はフローリング仕上げを選びました。分譲する上での一般的な嗜好性を優先しました。そこで、生活提案としてパブリックスペースである廊下とリビングダイニングにはウールの単色のカーペットをフローリングの上に敷き詰めることにしました。(オプション)
とは言いましても、廊下・階段・居室・キッチンに張ったフローリングはスペシャルです!質感と木目が心地よい、気持ちいい空間となっており秘訣は挽板フローリングです。
挽板フローリングとは天然の無垢材のフローリングの美しさ、質感を、反りや伸び縮みのより少ない挽き板という形で再現したものです。表面はおおらかな木目のアメリカ産ホワイトオークの半板目。そのままの木地色がでるようにクリア塗装ウレタンオイル仕上げで、何も塗装していないようなしっとりとした足触りですが実は汚れに強い「わたしの部屋」のオリジナルのオーダー品です。
経年変化を楽しむ
まっさらな新築マンションの空間に生まれた「わたしの部屋」の中で、家具をセッティングする上で象徴的な存在となったのがヴィンテージのダイニングテーブルとチェアです。もともと素材の力があるものが長く大切に使われる中で独特の存在感が生まれ、空間と絶妙なバランスを醸しています。
また、挽板フローリングの上に敷き詰めたウールのカーペットですが、カーペットは汚れとダニへの不安から避けられがちですが日ごろの付き合い方を知ることで安心して選ぶことができます。詳細は昨年の秋にご紹介した記事をご覧ください。
日常メンテナンスの方法を知ることで安心しますし、メンテナンスフリーという床材はなく、天然素材の場合丁寧に扱うと長く持つという話が印象的でした。
日々のメンテナンス
建物の基本性能については、法律や業者との約束によって守られています。また、各業者ごとに独自に提供しているアフターサービスがあり不具合の内容や部位により、アフターサービスの対応期限が定められています。
ただし、快適に過ごすためには、日ごろのメンテナンスが不可欠です。日々掃除し、換気し、汚れた時はひと手間かけて清掃する。
出来上がった部屋の中でどのような時間を過ごしたいかコンセプトを設定し、そういった視点からコスト・性能・デザインの自分なりのバランスで選び、デメリットと付き合う方法を理解して敢えて選ぶことで、手間以上の価値のある時間をその部屋で過ごすことができるのではないでしょうか。
※ 家具・調度品は物件価格に含まれておりません。
おわり
文 関電不動産開発 中平
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1LDK+N+WIC メゾネットタイプ
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