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暮らしレシピ#10 マンガを見に行く「ドラえもん 1コマ拡大鑑賞展」


東京に住んでいると毎週、どこかしらの美術館で展覧会が行われています。

飾り方や見せ方も自分の暮らしの参考になることが多いですが、その展覧会のコンセプト、作品に添えてある解説などを読むことも日々の生活に刺激を与えてくれます。

仕事と切り離された時間で、ゆったりと美術館で作品を鑑賞することは気持ちのリフレッシュにも繋がります。

最近では写真撮影もOKな展覧会も増えてきました。

そんな中、最新の展覧会から今回は「ドラえもん 1コマ拡大鑑賞展」という展覧会をご紹介したいと思います。


「ドラえもん 1コマ拡大鑑賞展」とは

誰でも知っている藤子・F・不二雄先生の国民的漫画、ドラえもん。その普通であればさらさらと見ていく漫画の絵1コマ1コマにスポットを当てて、美術的観点からじっくり鑑賞してみようという斬新な展覧会です。

事実、漫画だとストーリーの方に集中してしまい、その吹き出し以外の絵についてはじっくり見る事は少ないかと思いますが、

この展示会では、その一コマの絵に込められた読者を引き込む絵画的効果や、漫画でしか表現できない、人間の顔では不可能なキャラクターの表現方法が込められていていました。

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会場は渋谷パルコ

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各々、豪華な額に入れられ通常の絵画の展覧会の様に飾られています。

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印象的だった一コマと、解説文。


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近年の2次元的アートの盛り上がり

今年のアートフェア東京(東京にて毎年行われる世界のギャラリーが出店するアートの展示即売会)でも、奥行きのない、漫画的な二次元の絵画に注目が集まり、コロナ渦とは思えない盛り上がりを見せていました。

昔から日本は漫画大国として知られており、アート業界でも漫画にスポットを当てたアーティストも以前からいたのですが、今年に入ってより一般の、アートを買ったことが無い人々にまで漫画→アートという認識が広まってきました。

このようなな状況になった要因はいくつかあるのですが、一つは藤子・F・不二雄先生のような世界的な漫画家の先生による漫画のストーリーの原画が注目されたこと、それに追従する新しいコンセプトの二次元的絵画作家の出現、さらにはストリートアートとファッションからの介入などなど挙げればキリがありません。

テレビでこのような作品を見た人が、私もこれぐらい描けそう!と思っていても、アーティストとしてなり得るのは、その特殊なアートシーンの中にいて、特徴的なストーリーのある生き様を持ち、作品に対するコンセプトが話題性のある人達だけです。

絵の技術だけではとうとう無くなってきて、ファッションともリンクし初めている現代のアートシーンは絶えず変化していっています。


漫画をアートとして部屋に飾ってみる

アートを家に飾るのもなんだかハードルが高そうですが、さらに漫画を額装して飾るとなるともっとハードルが高そう、と思われがちです。

実際にお部屋のインテリアやご自身の世界観にマッチするか慎重になるところですが、ある意味分かりやすいジャンルかも知れません。

漫画の原画(もちろん複製品になりますが)はその一コマを見れば、その背景にその漫画のストーリーや、自分が読んで感動したシーン、描いた作家の人生までも走馬灯の様にダイレクトに想像できるでしょう。

絵自体をじっくり見る、という事よりも、見ることの出来ない絵の生まれた背景から刺激を受けるという感覚です。

僕は今回、「 大長編ドラえもん のび太の宇宙開拓史(1980年)」の中でドラえもんとのび太がコーヤコーヤ星に降り立つ印象的なシーンのポスターを購入しました。

ドラえもんものび太も前を向いています。近くには大きく見える星が2つ、遠くの宇宙にも無数の星が輝いているのが見えます。

とてもこれから展開されるストーリーに期待を膨らませる様な絵です。

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絵と共に暮らす

今回購入したポスターは自分自身の生活にも投影することが出来、現代の様な不安なコロナ渦においても前向きに、まだ見たことのない星々に想いを巡らせる様に、色々なことに恐れずチャレンジして行こうと、ポジティブなイメージを抱かせてくれる様な作品でした。

感じ方は人それぞれですが、漫画にはこの様な抽象絵画とは異なる分かりやすさと、自分も主人公なのだと感じさせてくれる要素があります。

額に入れて、それが例え版画だったとしても、お部屋に飾って眺めているとなんだか元気になってくるのです。

おそらく漫画→アート、という流れはその様にして今、若い世代を中心に広がりを見せているのではないかなと思います。

値段の高い原画だけでは無い、自分と一緒に暮らしてみて、自分にとっていい影響を受けるのであれば、それはかけがいの無い自分だけのアートとなり得ると思います。

アートを楽しむ一つの例として、この記事を読んでくださる方の参考になれば幸いです。

ためらわずに色々な展覧会を訪れてみて、自分だけのアートを探してみてください。

おわり

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LAPIN ART 坂本 大
現代のうつわと古美術骨董を取り扱うLAPIN ART OFFICE ディレクター。本プロジェクトを通して、自分の大切な物との向き合い方を、自らが描く理想の暮らし方とギャラリストとしての知見を掛け合わせながら提案する。
⬛︎ LAPIN ART ウェブサイト

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