暮らしレシピ#22 春のうつわとインテリア、と洋服
はじめに
皆様お久しぶりです。
何度がやってきましたが”わたしの部屋”で楽しむアペロなシーンをご紹介します。
これまでご紹介してきた家具や新しく加わったアート、洋服も一緒に。
この部屋ならではの映りをしてくれて、細部のデザインがもたらす効果が感じることができます。
空間にあるものが引き立つ部屋。
見えづらく分かりづらい所に拘ったからこそ全体から醸し出すムードが実現できたと思っています。
是非過去の記事も一緒にご覧頂ければ幸いです。
家具を主役に
わたしの部屋、の中で目を引くのはやはりピエール・ジャンヌレの家具だと思います。
1960年代、インド初の都市計画により建設されたチャンディーガル。
近代建築の巨匠ル・コルビジェと、従兄弟ににあたるピエール・ジャンヌレにより建設された都市の中でこのようなラタンの家具が多くデザインされました。
今やインテリア関係の本で見かけない事はないぐらい知名度を誇るヴィンテージ家具ピエール・ジャンヌレ。
現在わたしの部屋にディスプレイされているものは近年になって作られたリプロダクトではなく当時のオリジナルです。
必然的にそのものが持つ、ヴィンテージ特有の存在感が感じられると思います。
このジャンヌレのテーブルとチェアが主役となるので、それにどの様に他のものを合わせたらいいのかを考えていきます。
質感と色のうつわ
家具が濃い茶色なので、暗めのトーンのうつわが多いです。
いつもと変わらないようでいて微妙に素材感や色を変えています。
いくつかご紹介します。
鹿児島で作陶されている野口悦士さんの焼〆鉢。
もう5,6年前でしょうか。デンマークにて作られた作品で、この土は建物のレンガ用の土だったようです。
細かく水簸し、野口さんの手によって今までに見た事のない焼〆のうつわが出来上がりました。
よく使っているので、最初のざらざらとした感じから少し艶が出てきました。
こちらもずっと使っているローゼンタールのヴィンテージです。80年代頃のもの。
シャープなリムのエッジと、いい意味で量産品のプロダクト感が気に入りで取皿によく使っています。
70年代頃のヴィンテージバカラです。モデル名はパーフェクション。
これ以上ない普通なデザイン。どこにでもありそうなものに見えますが。
ワインを注ぎゆっくり眺めているとクリスタル特有の光り方や手触りを感じれます。
見せびらかすわけでもなく、ただ上質なものを使う喜びは格別です。
これぞ"何も足さない、何も引かない"かなと。
昔のサントリーウィスキーのキャッチフレーズです。
今回合わせたカトラリーはクリストフルです。
これも古いものでエールフランスの機内で使用されていたもの。
古いものばかりで申し訳ないのですが80-90年代のものだと思います。
機内用は柄の部分が短く、ヘッドの部分が大きいデフォルメされたようなデザインで、航空機内の様に狭い空間に合わせたサイズ感だと思われます。
この小ささが日本人の我々にとっては使いやすく、特に都心のマンションに暮らす人にとってはいいサイズ感かもしれません。
実際に僕も4,5人で食事する時などこちらを合わせて使っています。
篠田桃紅の作品
家具、うつわ、ときて壁に飾る絵はなににしようか。
アート作品に限らずうつわも家具も巡り合わせの出会いによって自分の手元にやってきます。
篠田桃紅(1913-2021)は前衛書から墨による独自の抽象表現で作品を発表し続けた日本人作家です。
メトロポリタン美術館、ボストン美術館、大英博物館、東京国立近代美術館をはじめ数多くの名だたる美術館に収蔵されています。
残念ながら一昨年に107歳で亡くなられました。昨年の東京オペラシティでの展覧会も素晴らしいものでした。
建築家 丹下健三との関わりが深く都内のホテルをはじめ住居、公共施設にも作品が収まっていることから、作品単品だけでなく、空間の中での作品という意識も当然作家の中にあったように思います。
同時代のミッドセンチュリー期の家具とうつわとも馴染みがよく、それでいて新鮮な印象を与えるデザインです。
こちらはリトグラフに一点一点作家が手彩色を施したもの。
AP、いわゆるアーティストプルーフで、作家の保存用もしくは版元に保存されていた作品と推測されます。
なにを着ようかな
いろいろと道具も揃って楽しい時間を過ごす時に何を着てたらいいのか最近よく考えます。
最近よく着てるのはイタリア、Brunello Cucinelli (ブルネロクチネリ)のシルクカシミヤのニット。
もう、3,4年前に購入しましたが変わらず気持ちいい肌触り。上質感があります。
クチネリさんの経営哲学にとても刺激を受けてその気分に浸るようにいつも着ています。
靴もイタリアの、F.LLI Giacometti (フラテッリ ジャコメッティ)です。
これはいいドレスシューズだよ、と知人に教えてもらい買ったのですがこれが通常のキャップトゥと違いキャップ部分が小さく、抉ったような土踏まずからのカーブがイタリア靴らしく気に入っています。
Gucciの靴もこのようなデザインが多くて大好きです。
革はフランスのデュプイ社。
丁寧に手入れして長く履きたい一足です。
自分らしいコーディネート
よく見ると一点ずつは拘って選んでいますが普通に見えるもの。
質感と微差のデザインから来る心地よさが良くて、
色もケミカルなものは避け、かつ単純ではなく。目立たない、調和を意識した色。
細かなところに目をやるのが大事なのではないかなと。
おしゃれはがまん、ではないですがインテリアもがまんができると、代わりに心地よさがやってきます。
自分がかっこいいと思ってきた大人達はみんな拘りがあり、我慢する所は我慢する、引くことを知っている人達でした。
自分もそうなりたいし、何のためかと言われると自分のため、縁あって出会った人達と時間を共有するためだと思います。
SNSで自身のインテリアを紹介する人も多くなりました。
リアルと、Webの両方でさらにインテリア業界が盛り上がる中、自分も新旧色々なアイテムをチェックしながら新しいスタイルを見つけていきたいと思います。
おわり
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LAPIN ART 坂本 大
現代のうつわと古美術骨董を取り扱うLAPIN ART OFFICE ディレクター。本プロジェクトを通して、自分の大切な物との向き合い方を、自らが描く理想の暮らし方とギャラリストとしての知見を掛け合わせながら提案する。
⬛︎ LAPIN ART ウェブサイト
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