暮らしレシピ#11 友達とおうちでランチ・食事とうつわ
こう外出も、外食もできない世の中ですと、ますますおうち時間の活用にあれこれ考えてしまう日々ですが、皆さんはどの様におうち時間の楽しみを見つけてらっしゃいますか?
コロナが流行る前から僕はおうち派で、外食も好きでしたがそれ以上に友人たちを自宅に招いて食事をする事が好きでした。
今日はそんな、友人達を招いて行う食事会の楽しみ方、特に僕の本業であるうつわの事を中心に書いてみようと思います。
今日はどんな会なのか?
来る人はその日によって変わります。どんな話題をするのか、最近どういう気分なのか。
来る人の好きなスタイリストが分かっていればそのテイストの近づけたり、骨董が好きな人ならば珍しい酒器を並べたり。
招く人によって少しずつ使う器を変えています。
その時の食事会に合わせて部屋を丸ごと模様替えしたり、テーブルを変えたり出来ませんからね。
少しうつわを変える事だったら可能なのではないかなと思います。
僕が器を扱う仕事をしているので、今日はどういったものを使うんだろうか、とみんな多少なりとも期待して来てくれているかも知れません。
期待にそえることが出来て、その人が嬉しそうな顔をして楽しく話ができれば食事会は大成功なのです。
それには自分の好みのものを使う事と、招く人の好み。その時のシチュエーションを考えてうつわを選ぶ事が心地よい食事会にする第一歩だと思っています。
「ランチ」という軽さ
夜は食事も重たいものが多くて、最近は遅くまで呑みたくない。でも日の明るい休日のランチだったらなんとなく気軽な感じで誘いやすいです。
先日も友人が土曜日のお昼から来てくれて、色々とお惣菜を買って来てくれました。
それを自分が用意したうつわに盛るだけ。ちょっとピクルスぐらいは漬けとこうか、ワインも買っとこう、ぐらいのテンション。
それが、休日のランチならではの軽さです。
うつわの色
これは主に僕のやり方なので、スタイルは各々、お好みなのですが、先日の友人が来た時使ったうつわを紹介しようと思います。
最近ランチで使うのは基本的に白、黒、ガラスです。
色味のあるものは少しだけにします。
こんな感じです。
料理だったり、ワインの色、チーズのパッケージなどが加わってくるので、柄物やビビットな色を器の段階から選んでしまうとどうしてもごちゃごちゃな感じがしてしまいます。
なるだけ物足りない感じを良しとして、いつもうつわは選びます。
今回はワインを飲みたかったのでワイングラスは必須。
という事は、あまりに和なものは避けて、洋を感じる器を選びました。
うつわの種類
今回使った器を具体的に箇条書きにしてみました。
なんだか料理のレシピみたいですね。
ワイングラス:オークラトーキョーオリジナルグラス 白ワイン用
お水用のガラスボトル:ピーター・アイビー
ピクルスを漬けたガラス容器:ピーター・アイビー
お水を飲むガラスコップ:日本製のヴィンテージ
白のリム皿:ヴィンテージのローゼンタール
黒の鉢:青木亮
ガラスの鉢:ワダコーヘー
薄緑の小皿:江戸時代の美濃焼
茶色の角皿:江戸時代の瀬戸焼
カッティングボード:オリーブでできた新品
カトラリー:ヨーロッパのアンティーク
これは、白、黒、ガラス、を念頭に置いて自分が集めたアンティーク、作家さんのうつわを組み合わせたものです。
うつわを買う時には第一印象、ビビッと来て、もしくはかわいい!と思って買うこともありますが、今回の様に自分にルールを、白、黒、ガラス、と決めて買う事も楽しいと思います。
あとはサイズ感。
黒で20cmくらいの平鉢をラインナップに加えたいな、など想像しながら器を探す事です。
この意識がないといつも同じようなサイズ、同じような色の器を買うことになってしまいます。
未だに僕もやってしまいますが、意識してお買い物すると食器棚の中のバランスが整ってきます。
パッケージ
うつわの次に大事だと思っている事が、ワインやチーズなどのパッケージデザインです。
ワインのラベルやチーズのパッケージ、様々な小さな瓶など、うつわと料理と同じくテーブルの上に乗ってくるものです。
せっかく雰囲気の良いうつわをセレクトしても、極端な話パッケージデザインが気に入らないとどうしてもテンションが下がります。
今回の様に洋っぽい、引きのあるうつわのセレクトをしても、ワインのラベルにキャラクターが大きく描かれていたり、産地直送!などと漢字で書かれていたりすると全体のトーンに合いません。(そういうワインは多分ないですが、極端な例として)
味は一番ですが、ラベルのデザインも意識してみるとよりテーブルの上の雰囲気が変わってくるのも事実ですね。
是非素敵なものを選んで下さい。
買った料理と作った料理で
以上を考慮してお料理を乗せた写真がこちらです。
パンと野菜と、マッシュポテト、ハム、ラタトゥーユは友人に買ってきてもらいました。
自分は、作ったピクルスと、買ったワインです。
これはこれで外食するのと違ってまた楽しいものです。
案外美味しいね、これ、とか、このうつわなんなの?という会話が生まれて、この日はなぜか旅行好きの人がいて、ずっと海外のあの店が素敵だったとかそういう話ばかりでした。
酔っ払ってみんな自分の話をして、それで充分楽しい時間なのです。
うつわの知識が広がる
これも僕の周りの人特有なのですが、みんな一品、自身のうつわを持ってきてくれる様に頼んでいます。
料理ではなく、お皿とかグラスとかを持ってきてもらいます。
この白い金継ぎされた鉢は友人が持ってきてくれました。
古い18世紀のオランダのものです。
じゃがいもの色と相まって、とてもいい雰囲気です。光を吸収する白い肌もとても良い。
現代のうつわではなかなか探せないうつわです。
以前にも持ってきてもらったグラスが素敵で、自分も真似して買ったりもしました。
友人を招いて食事会をすると新たな発見があったり、話している中で新しい企画を思いついたり、良い事が多いのです。
ホームパーティー0次会という意識
なんでも、気合を入れすぎると冷めてしまう。
いつ頃から言われ始めたのかわかりませんが、パーティーの0次会。
パーティーの始まる前にちょっとつまんで、ジントニックなんかを一杯飲んでからパーティーにいく、という感覚でしょうか。
パーティーと言うほど大げさなものじゃないけど、ちょっと家で食事しない?となった時、0次会にちょっとずつ足していって、パーティーにしちゃう、という感じを意識しています。
そうすると気合いを入れすぎる事なく、うつわの一級品だけを自慢する会ではなくなり、客観的にみても違和感がない、気持ちの良い食事会になると思っています。
素敵に思われたくて、うつわ自慢に陥る前に、グッと我慢して、使いすぎない。
そうしたら、あれれ、けっこう素敵かも。
「お洒落は我慢」と言われる様に、「うつわも我慢」ですかね。
共感して下さった方はぜひ、試してみて頂けたら嬉しいです。
このように、友人達とテーブルを囲んでの食事は外食にはない楽しさがあります。
より充実する食事会を実現できるためにこれからも研究を重ねて行こうと思っています。
おわり
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LAPIN ART 坂本 大
現代のうつわと古美術骨董を取り扱うLAPIN ART OFFICE ディレクター。本プロジェクトを通して、自分の大切な物との向き合い方を、自らが描く理想の暮らし方とギャラリストとしての知見を掛け合わせながら提案する。
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