鼎談「ウールのカーペットを敷き詰めるご提案」ゆか工房 渡辺 × KANN DESIGNING OFFICE 鈴木 × LAPIN ART 坂本
新築分譲マンションのモデルルームのインテリアデザインを多く手掛けるKANN DESIGNING OFFICE 鈴木さんと新築・リフォームなど一戸建てから都心のタワーマンションまで幅広くカーペットを納入するゆか工房の渡辺さんにカーペットの魅力やメンテナンスについてLAPIN ART坂本さんがお話を伺いました。以下3人の対談です。
前編
真ん中 カンデザイニングオフィス(HP) 鈴木氏
左 ゆか公房(HP) 渡辺氏
わたしの部屋の床について
LAPIN ART 坂本(以下坂本):わたしの部屋の床について、フローリング貼りですがその上に玄関から廊下リビングについてはカーペットを敷き詰める(オプション)予定となっています。今回はカーペットについてインテリアデザイナーのカンデザイニングオフィスの鈴木さんとゆか公房の渡辺さんにお話を伺います。よろしくお願いします。
ゆか工房 渡辺(以下渡辺)・KANN DESIGNING OFFICE 鈴木(以下鈴木):よろしくお願いします。
坂本:まず、今回カーペットを敷き詰めたいと考えた理由ですが、ヴィンテージマンションの雰囲気を取り入れたいと考えました。また、僕の実家はカーペット敷で音が出ない心地よさを実感して育ちました。加えて、クラッシックホテルの床もカーペットで静かさ・心地よさを感じ、そういった雰囲気を取り入れたいと考えました。
カーペットの心地よさ
鈴木:カーペットをご提案する時は基本的に100%ウールであることにこだわっています。踏み心地、音の心地良さが違います。カーペットについてはダニを心配されたりする声もありますが、ウールのカーペットですと空気を浄化する作用もある。今はフローリングが一般的ですが、落ち着いたしっとりしたやわらかいお部屋になっていくんじゃないかなと思いますので、今回「わたしの部屋」でカーペットを選ばれたのは正解だったのではと思います。
ヴィンテージマンションはカーペット敷
坂本:今回のカーペットはゆか工房の渡辺さんに発注をさせて頂きました。
渡辺:裏は麻、表はウールのループで織り込まれているものを採用して頂いています。1980年代東京を中心に億ションと呼ばれ今ヴィンテージマンションと呼ばれるマンションはこちらと同等ランクのカーペットが標準でした。フローリングが標準のヴィンテージマンションはありません。当時採用されたいたものと同等の品質のカーペットは今では手間代を含め価格が上がってしまいコストがネックになってきています。ウールは高く、コストパフォーマンスの高いものだと化繊などの素材ありますが気持ちよさが減ってしますのでいいものを知っている方には抵抗感がうまれてしまいます。
鈴木:カーペットを選ばれる方は、そういった暮らしを経験されていた方になるのでウールを選ばれることが多いです。素材選び、日々のメンテナンスをしっかりするという条件で、ウールのカーペットはとしても素晴らしいものとなっている。
坂本:今回発注させていただいたカーペットのランクを教えて頂けますでしょうか?
渡辺:中の上くらいでしょうか。たぶん、部屋に敷き詰めて一歩目の踏み心地で良さを実感されるのではないでしょうか。家に帰ってきて、踏み心地がいいというのは毎日のことなので重要なのかなと思います。
鈴木:当初から図面を拝見しており、お考えを持って、調度品に合わせて壁などこだわって選ばれていますので、フローリングは中間的な存在になるので、カーペットを選ばれたのは今回のお部屋にピッタリという印象を受けました。
坂本:全部敷き詰めるのが楽しみです。
後編
真ん中 カンデザイニングオフィス(HP) 鈴木氏
左 ゆか公房(HP) 渡辺氏
汚してしまった時の対処について
坂本:飲み物や食べ物をこぼしてしまったときどういった対応をすればよいでしょうか?
渡辺:カーペットは繊維材ですので洋服と一緒で水分のある汚れには弱いです。まず最初は紙で水分を取って頂く。ぎゅーっと抑えて何回も何回も吸い取って下さい。そうするうちに汚れもくっと取れて、なんだなんてこともあります。乾いた後に汚れついているときは、お湯で濡らして叩いてゴシゴシを繰り返しすることで汚れが取れることも多くあります。その次は水でとれない汚れの場合は柔軟剤の入った洗剤をつけてトントントンと叩いて、最後にお湯などで洗剤も拭き取って頂くのがいいと思います。
鈴木:衣類と同じと考えればいいのですね。それでも絶対だめな汚れの場合はプロの方にお願いするのがいいと思います。衣類をクリーニングに出すのと同じですね。
日頃のメンテナンスについて
渡辺:大切なのは掃除機で掃除をすることです。汚れは中に入っていき、目に見えるものだけではないので、コロコロと呼ばれる粘着テープ式のローラーだと上物だけの掃除になってしまいます。なので、吸引力の強い掃除機がおすすめです。中のごみまでとってくれるとスキっとします。これはフローリングのお部屋も同じで、吸引力の強い掃除機で掃除をするとスキっとします。
坂本:ホテルでもカーペット敷のお部屋が多いですが、やはり掃除機なのでしょうか?
渡辺:同じように吸引力の強い掃除機です。ヘッドの広い特殊なものがホテルでは使われています。
鈴木:あと、皆さん心配されるのがダニでしょうか。
渡辺:長いこと絨毯屋をやっていてダニでクレームになったことがありません。
鈴木:つるっとしたフローリングだとダニがいなさそうに感じられますが、エリアラグを敷いたり、クッション・ソファなど通常の環境でもダニはいます。いかにお掃除をするか、それはカーペットだからではなく・・
渡辺:メンテナンスフリーという床材はありません。天然素材の場合丁寧に扱うと長く持ちます。それは椅子の張地でも家具でも同じです。
坂本:メンテナンスしないものなんてないですもんね。
鈴木:それよりも使い心地を大切にされるのがいいと思います。カーペットを敷き詰められる「わたしの部屋」はしっとりとした空間になると思います。
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