USG2020[LIVE (on the)SEAT]を見ました
UNISON SQUARE GARDEN
USG 2020[LIVE(on the)SEAT]
@東京ガーデンシアター
2020/10/14 17:30開演
2020/10/14 20:30開演
2020/10/15 18:30開演
3公演観賞
でかい箱で
でかい音で
音楽を聴けるのはいつぶりか!
条件付きではあれど、またもとのように生で音を全身に浴びることができる歓喜。そして私にとって最高のロックバンドが変わらず最高の音楽をステージで見せてくれる歓喜!
彼らの音楽の底力と16年の中で築いてきたファンとの信頼関係の上に成り立つ、素晴らしいライブだった。
・立たないこと
・声を出さないこと
・マスクをずっとつけていること
今回のライブにはこれまでなかったルールがいくつか課されていた。そもそもが踊らせたり手を上げさせたり声を出させるなど客に対する煽りを一切やらず「自由に楽しんでいってくれ!」スタンスのユニゾン。ルールがあるなんて状況は初めてかもしれない笑。
しかし、そういうユニゾンだからこそライブに一体感を求める時代においてありえないようなルールが課されても「通常営業」を見せることができたんだろう。
会場を揺さぶる縦ノリも、全員が一斉に手を振る光景も、声が一体となる瞬間も、そんなのなくったって音楽は楽しいしライブは成り立つのだ。
私はたまたま東京公演3回分のチケットを手に入れてしまったので、1回目は座席の上で体を揺らし暴れながら音楽の楽しさに身を委ねて、2、3回目はじっくりと耳に集中し音と戯れてみたが、面白い。いつもは音楽を楽しむと言うよりは飲み込まれて記憶が半ば飛ぶ曲も、今回ばかりはよく聞こえるし、視界もクリアでむしろストレスがなかったかもしれない。
1時間というコンパクトな中にも、新旧おり混ざった精鋭楽曲たちが緩急激しく押し寄せてきて、いつもやらないような演出もスパイスとなって飽きることなくスルッと聴けた。
今回のライブのルール説明が終わり暗転するといつもの登場SE「絵の具」はなく、暗闇の中紗幕の向こうから斎藤さんの歌声が響き渡り、
1曲目「クローバー」
わかんないのはクローバーに込められた願い
夢ならば思い通りになるのにな
君がここに居ないことで
あなたがここに居ないことで
回ってしまう地球なら別にいらないんだけどな
そっと抜け出したパーティーも
大好きだったあの映画も
未来のパズルに続いてる
「また、会おう」って言ったフローリア
なかなか顔を合わせられる機会のなかった期間を経て、この日、会場に足を運んだ私たちに“わからず屋には見えない魔法”をかけてくれるような柔らかな歌詞。熱烈なラブレターに聞こえた。
私が初めてユニゾンのライブを見たのは10周年の武道館だったのだけど、その時に初めてこの曲も生で聴いて。メロディーに酔いしれた感覚と、武道館の天井を照らすグリーンの照明の煌めきを聴くたびに思い出す。いまだにあの美しい光景が瞼の裏に張り付いている。
この曲で歌われている、未熟だけど純度の高い誰かを思う気持ちが、なんとも甘酸っぱい気持ちにさせる。
聞くたびに好きになる、美しい曲。
この一曲目で、
「今日はしっとり聞かせる特別感あるライブになるのかな」と思いきや、ただでは帰さないUNISON SQUARE GARDENさん。
2曲目「フルカラープログラム」でオーディエンスが一斉に腕を突き上げ、温度が一気に上がる。そしてそのままセッションになだれ込むと3曲目「フィクションフリークライシス」。
いや、この冒頭3曲だけでどんだけ手数出すつもりなの!????
驚くほどに通常営業、自分たちが鳴らしたい音を鳴らしてステージで暴れるユニゾンがそこにはいた。客が立てないから踊れる曲をやっちゃいけないなんて法ないし、結局座りながらでも人間、小躍りしちゃうもんね。
いままでもユニゾンは、ホールツアーをやってきて「座席指定でもロックバンドのライブは楽しい!」ということを証明し続けてきたけど、
「着席でもロックバンドのライブは楽しい!」ということを証明していた。
このライブで一番、ロマンチックでちょっとした特別感ある演出もされていたのはラスト2曲だった。
11曲目「ライドオンタイム」
12曲目「harmonized finale」
この流れがとにかく秀逸...!
“Ladies and gentlemen, ride on time!”の斎藤さんの声に会場がダンスフロアに変わる。こんなに楽しい曲だったっけ!??と驚きつつ「適当に思いつくままに言葉を並べて/歌い出せばミュージシャン」なら、適当に思いつくまま体を揺らせば今夜のライブも最高じゃん!と何やら思考をあさってに投げ飛ばして力技ハッピーに満ちてしまう。
「コマが揃う足も動く/それなら準備オッケーじゃん/お気に入りのスタイルでライドオンタイム」
そして足を踏み出した先のフィナーレでは「新しい時代に橋がかかるだろう」そして未来へ足を向けていくエンド。
そんなストーリーがこの2曲を貫いていて。
うわ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜田淵智也さん、ロマンチスト〜〜〜〜〜〜〜〜!!最高〜〜〜〜〜〜!!!
演出も粋だった。
「今日が今日で続いていきますように」と切実に歌い上げた後、斎藤さんだけが照らされ、弾き語りで
be with youを懇願して どれくらいだろう
新しい時代へと橋が架かるだろう
何回だってI'm OKまだ立てるから
君を追いかけるよ その未来まで
一瞬の暗転ののち、気づくとそこにはさっきまでいた田淵と貴雄はいない。スモークが立ち込める中、シルエットを照らされた斎藤さんがギターを置き、去っていく。
そして会場全体が明るくなると、背景のバンドロゴには“See you next live!”のメッセージ。
そして流れ出すいつもの入場SE「絵の具」。
は〜〜〜〜〜〜!????歩み出した未来のライブでまた会おうって!!!!ことですか!!!!!!約束しちゃっていいすか!!!!!!!!!
元気出た。
ユニゾンはいつも明日を歌ってて全てにロマンに満ちているけど、それが浮ついていなくてちゃんと現実に地続きだから。ライブ見ると素直に「明日も元気に生きよう」と思えてしまう。
調子出ない毎日が続くけど、変わらずステージにマイヒーロー・UNISON SQUARE GARDENがいて、いい音楽を鳴らしてくれてるなら見にいきたいし、見にいけている限りは自分の精神のチューニングも合うような気がする。
ライフワークだなあ。
またPatrick Vegeeツアーで会いましょう。
1.クローバー
2.フルカラープログラム
3.フィクションフリーククライシス
4.誰かが忘れているかもしれない僕らに大事な001のこと
5.セレナーデが止まらない
6.世界はファンシー
7.君はともだち
8.夏影テールライト
9.Phantom Joke
10.徹頭徹尾夜な夜なドライブ
11.ライドオンタイム
12.harmonized finale