ATM
朝から晩までがむしゃらに働いた
昼飲食
夜スナック
休みはコンパニオン
働いた稼ぎは兄弟の学費や家族の
生活費に消えてく
夜中フラフラで帰ってきて
家族を起こさないように
階段に一万円札を置いて
部屋に上がる
気づけば私は毎日一万円でてくる
ATMみたいになってた
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昼の会社の事務のお姉さんから
お電話ですよーと急に呼び出されて
誰だ?と思いながら電話に出た
「もしもし、お電話代わりました…」
電話の相手は消費者金融だった
お母さんが私を連帯保証人にして
お金を借りようとしたんだ
自宅に帰って私は人生で初めてお母さんに
ブチ切れた
金借りるってなんで?
毎日毎日一万渡して
それでも足りないわけ?
事情を聞いたらば
実家にいた時からの借金が
焦げ付いて自転車操業だと
私が高校入った時からの借金だと
さも私のせいで借金が膨らんだみたいな言い方された、、、
父親の呪縛が解けて
家族みんなで幸せに暮らしていけると
思ってたけど、、、、
なんで?
なんで?
悔しいやら悲しいやら
ぐじゃぐじゃに泣きながら外に飛び出して
入ったコンビニで
東京の求人雑誌を見てしまった
時給5000円!?
田舎のスナックは時給は1300円
今の何倍なのだ?!
私は恐る恐るそこに電話をかけた
明日面接に行きます、、、
そう電話を切って
キャリーケースに荷物を詰めた
親には
東京行くと一言だけ言って家を出た